本エントリーは
stod phyogs 2014年7月13日日曜日 音盤テルトン(2) うなり声の最強怪人バックナー
からの移籍です。日付は初出と同じです。
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音盤話開始記念ということで2連発。
なんつって、実は本筋で調べ物に手間取っているだけなんですが(現在長物3件停滞中)。まあそのうち。
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今回紹介するのは、
Milt Buckner – Buddy Tate/THEM THEIR EYES [Black & Blue]
またBlack & Blue盤のMilt Bucknerです。
もともとは3枚のアナログ盤に分散収録されていたようなのだが、このようにまとまった形で再発されたのはよいこと。ジャケットも白地にハゲオヤジの笑顔(笑)と、スッキリしていてなかなかよい。
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1967/12/07, Paris
Buddy Tate (ts), Milt Buckner (org), Wallace Bishop (ds)
01. Mack the Knife
02. Stompin' at the Savoy
03. Too Heavy Blues
04. Them Their Eyes ← 最強!
05. Margie
06. Rose Room
07. Bouncin' at Dawn
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Buckner、冒頭のMack the Knifeからうなりまくり。しかしこんな楽しげなMack the Knife他にない。
その秘密の一つはベースペダルの素晴らしさ。これならサポートのBassistは全然いらない。ペダルだけでBassist参加なんてのも可能なくらいそのスウィング感は素晴らしい。
テーマから最初にソロを取るのはBuddy Tate。マイペース。
この人、私にはイマイチぴんとこない人なのだ。いつもパターンにハマり過ぎで熱くならない印象。そこがTateの味なんですけどね。職人としては超一流なんですが、お仕事を超えてムヂャグヂャになってもほしかったけど。
BucknerはIllinois Jacquetと組むと、二つ火の玉となって炸裂してしまうので、濃すぎてついて行けない人もいるでしょう。Bucknerのオルガンを主体に聞きたかったら、堅実なTateと組んだ時の方がいいかもしれません。
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次はSavoy。どんどんテンションが上がっていきます。Bucknerうなりまくり。よくBud PowellやKeith Jarrettのうなり声を気にする人もいるけど、Bucknerの声はそのレベルではないので、もはやパーカッションの一部として聞くべきでしょう(笑)。
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軽めのBluesを挟んで、いよいよThem Their Eyes。これだけ盛り上がる演奏はなかなかない。
Tateの最初のソロはマイペースを崩さない。なかなか火がつかない人だよね、この人。Bucknerのアオリとうなり声は激しさを増し、もう爆発寸前。
Bucknerのソロは、音数がいつもの二割増しで突進。ペダルすら倍速で刻む時間帯もあり、その火の玉スイング感は尋常じゃない。体が動いてしょうがない。ウリュウリュ、アニャオニャ。
Bucknerのうなり声もついには奇声・掛け声にレベルアップ。後半にはテナーよりもオルガンよりもドラムスよりも、Bucknerの掛け声が一番大きく録れている、という異常さ。
2回めのソロでTateにもついに火がつく。Bucknerの「One More ! One More!ウギェヒャー!」からの取り乱しぶりはTateらしからぬ怪演。
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これを聴いたあとの3曲は、もう疲れてしまってほとんど印象に残らない。Them Their Eyes1曲だけ聴いてラックに戻すことも多いです。
ドラムスのWallace Bishopって人については全然知らないのだけど、シャキシャキとキレのよいリズムは素晴らしい。録音もよいのだな。非常に快適です。
ドラムソロなど全く与えられていないけど、必要ないよね。ドラムスの名演は、ドラムソロや、ましてリーダー作にあるのではないことがわかります。
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これは、たしかディスク・ユニオンで300円で投げ売りされていたヤツ。事前に情報は全くなく買ったわけですが、こういう大当たりが出るから、エサ箱あさりはやめられない。
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