ラベル 文学 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 文学 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年4月20日土曜日

KEROUAC & THE BEAT GENERATION (03) Jack Kerouac 『THE SUBTERRANEANS(地下街の人びと)』

・ジャック・ケルアック・著, 真崎義博・訳 (1997.3) 『地下街の人びと』(新潮文庫). 195pp. 新潮社, 東京.


カバー装画:飯田淳, デザイン:新潮社装幀室

← 英語原版 : Jack Keouac (1958) THE SUBTERRANEANS(An Evergreen Book). 111pp. Grove Press, NYC.

なお、上記書は新訳で、旧訳として

・ジャック・ケラワック・著, 古沢安二郎・訳 (1959.7) 『地下街の人びと』(新潮・現代世界の文学). 196pp. 新潮社, 東京.

というのもある。

------------------------------------------

これは、『ON THE ROAD』の後、1953年のお話。『ON THE ROAD』同様、ほとんど私小説。

作者の分身Leo Percepiedと、黒人女性Mardou Fox(Alene Leeがモデル)の出会いと別れを描く。そこに、Beat Generationのボヘミアンたちの日々が散らされる。

なお小説では、舞台はSan Franciscoに変えられているが、実際はNew Yorkのお話である。

------------------------------------------

『ON THE ROAD』では、主人公がどんどん移動していくので、主人公の意識だだ漏れ文体でも、読者もそれにつられてフレッシュな感覚を持続でき、面白く読んでいけた。

しかし、本書のように、定住し、狭い地域、狭い人間関係の中で、同じ手法を取られると、なかなかにつらい。堂々巡り、煮詰まり感、螺旋状に険悪に落ちていく人間関係・・・。

しかし、ダラダラ若者文化の黎明期の姿が実写されており、その意味ではとても面白い。やっぱりこれは、読むより実践したほうが面白いに決まってる。

------------------------------------------

なお、本作の登場人物もいずれもモデルがあり、

Adam Moorad(Allen Ginsbergがモデル)
Frank Carmody(William S. Burroughsがモデル、北Africa出身の作家ということになっている)
Jane(Joan Vollmer=Burroughsの妻がモデル、小説上でも死んでいる)
Sam Vedder(Lucian Carrがモデル)
Leroy(Neal Cassadyがモデル)
Yuri Gligoric(Gregory Corsoがモデル)

なので、これを念頭に読むとまた違って見えるかもしれない。

なお、前回紹介した『ケルアック』には、Kerouac全小説での「登場人物名-実在の人物名」対比表がある。便利。

------------------------------------------

ただし、1953年当時、BurroughsはとっくにMexicoに去っている。私小説とはいえ、時空はねじ曲がっている。1940年代のBeat Generationの日々がかなり反映されていると思った方がいい。

なお、BurroughsのJoan射殺事件は1951年だから、小説上ではJoanがモデルのJaneがすでに死んでいるのは、そこだけ変に時系列に忠実でおもしろい。

発表は1958年なのだが、小説の舞台となった1953年夏の直後にはKerouacはこの小説をもう書いていた。だが、その後何度も書き直しているため、その後の情報が混入しているのだ。

BurroughsがモデルのFrank Carmodyが北Africa出身になっているのも、1958年の発表当時BurroughsがTangierに住んでいたことが反映されているし。

参考:
・Wikipedia (English) > The Subterraneans (This page was last edited on 15 January 2019, at 02:21 (UTC).)
https://en.wikipedia.org/wiki/The_Subterraneans
・David S. Willis/Beatdom > Christina Diamente/Walking With the Barefoot Beat: Alene Lee (Posted by David S. Wills on February 17, 2010)
http://www.beatdom.com/walking-with-the-barefoot-beat-alene-lee/

------------------------------------------

なお、『THE SUBTERRANEANS(地下街の人びと)』は映画化されているのだが、その映画についてはのちのentryで触れる。

===========================================

(追記)@2019/04/20

しかし、「THE SUBTERRANEANS=地下街の人びと」という邦題はどうなんだろ。地下室の部屋に集まって、ウダウダする連中の話なんだが、地下街ではないよな。

2019年4月16日火曜日

KEROUAC & THE BEAT GENERATION (02) 『JACK'S BOOK(ケルアック)』

Kerouacの伝記はいくつもあるのだが、私が読んだのはこれだけ。

・バリー・ギフォード+ローレンス・リー・編著, 青山南+堤雅久+中俣真知子+古屋美登里・訳 (1998.1) 『ケルアック』. 542+xxiv pp. 毎日新聞社, 東京.


装幀 : 坂川事務所

← 英語原版 : Barry Gifford+Lawrence Lee (1978) JACK'S BOOK : AN ORAL BIOGRAPHY OF JACK KEROUAC. 339pp. St. Martin Press, NYC.

------------------------------------------

この本はなぜか全然知られていないし、Amazonあたりの書評も全くない。不思議な本。

そもそも、1978年の本が20年後に翻訳されたのも謎だし、それを毎日新聞社が出したのもわからない。当時、日本で何かKerouac関連のeventってあったのかなあ?

・スティーブ・ターナー・著, 室矢憲治・訳 (1998.11) 『ジャック・ケルアック 放浪天使の歌』. 376pp. 河出書房新社, 東京.
← 英語原版 : Steve Turner (1996) ANGELHEADED HIPSTER : A LIFE OF JACK KEROUAC. Viking, NYC.

が出たのも同年だ。なんでかなあ?1997年にGinsbergとBurroughsが亡くなった影響はあるかもしれないな。

------------------------------------------

全部で600ページ近くあるし、値段も3400円+税と高い。おそらく刷り部数も少なかったのだろう。毎日新聞社は、当時もすでに出版に熱心な新聞社ではなくなっていたし。

古本でも見かけたことがなかった。それで今回ようやく読んだわけ。

------------------------------------------

Kerouacの人生を、友人たちの証言で追うdocumentary。1978年当時はまだ珍しかった「oral history」という手法だ。編著者の主観よりも、証言を重視している。観念的な話が少ないので、すごく読みやすい。

証言者ごとに訳者を割り振って、言い回しを統一しているのも面白い。

Burroughsの証言が3つしかないのは物足りないが、訳文はいかにもBurroughsらしいcoolな口調になっている。素晴らしい。Burroughsの映像なども参考にして訳文を作っていると思う。

------------------------------------------

これを読むと、Kerouacはなかなか自分の本が出してもらえず、けっこう苦労したことがわかる。『ON THE ROAD』も出版されるまで10年くらいかかってる。

もちろん、その間何度も書き直していることも記述されており、「三週間で書いた」がハッタリであることもバレている。

------------------------------------------

1957年に『ON THE ROAD』が出る頃には、その後に出る諸作もすでに書き終えていた。だから、この伝記も『ON THE ROAD』が出て大ヒット、その熱狂に巻き込まれるところで実質的に終わっている。

そのあとは、虚脱して酒に溺れていくKerouacの惨めな姿を見るしかない。読むのも辛い。Jaco Pastriusと似たところがあるね。「一度は大仕事を成し遂げた自分」との戦いだ。

------------------------------------------

本書で一番長い章は「3 The Road(路上)」。これは『ON THE ROAD』の元ネタになった旅の日々を追う章。主人公はKerouacというよりNeal Cassady。Kerouacの影は薄い。

しかし、Nealが中心になる分、Nealとその女たちの話ばっかり。果てしなく続く痴話喧嘩にへきえき。(日本の)ヤンキーの身の上話を居酒屋で延々聞かされているような感じ。

------------------------------------------

『ON THE ROAD』ではMarylouという名で登場するLu Anne Henderson(1930-2009)の証言もたくさんある。この人は、Nealが最初に結婚した娘で、結婚当時15歳。

写真を見るとなかなかカワイイ娘だ。一見小柄に見えるが、身長は170cm以上らしい。

だが、本書に見える言動を見ると、これが見事な「アーパー娘」。

Nealと離婚した後も、他の男と結婚した後も、Nealと関係を続け、2番めの妻Carolyn(『ON THE ROAD』ではCamille)を悩ませ続けた。

------------------------------------------

こんなアーパー娘にも、評伝(というよりiinterview本)があるのだ。『ON THE ROAD』のご威光はすごいね。著者の片割れはLu Anneの娘さん。

・ジェラルド・ニコシア+アン・マリー・サントス・著, 堀江里美・訳 (2013.7) 『ガールズ・オン・ザ・ロード』. 253pp. 河出書房新社, 東京.


装丁 : 水戸部功

← 英語原版 : Gerald Nicosia+Ann Marie Santos (2011) ONE AND ONLY : THE UNTOLD STORY OF ON THE ROAD AND LU ANNE HENDERSON, THE WOMAN WHO STARTED JACK KEROUAC AND NEAL CASSADY ON THEIR JOURNEY. 244pp. Viva Editions, Berkeley (CA).

同書は、Nicosiaが1978年にLu Anneにinterviewした内容が中心。長らくお蔵入りとなっていたが、2011年にようやく陽の目を見た。

NicosiaにLu Anneの居所を教えたLarry Leeという人物は、『ケルアック』の著者の一人Lawrence Leeと同一人物。Nicosiaに先立ってLu Anneにinterviewし、『ケルアック』に収録したものとみられる。両証言は当然重複する内容が多い。

でも、このLu Anneの証言からですら、Kerouacらの旅の様子は至極楽しそうなのが伝わってくる。

だが、San FranciscoでNealが、金も尽きたLu AnneとKerouacを置き去りにして逃げて行った時には相当ショックだったらしく、interviewでは何度もこの話を繰り返し、恨みつらみをinterviewerにぶつける。どうもNealはLu Anneが邪魔で、Kerouacに押しつけようとしたらしい。クズ野郎ですね。

二人も危うく出来上がりそうだったのだが、Kerouacはどっと落ち込んで動きもせず。結局、母親から送金してもらって、バスでNYCに帰った。この辺のKerouacのダメっぷりは自著ではあまり描かれないところ。

後半は、Nealの親友Al Hinkle(『ON THE ROAD』ではEd Dunkel)への取材を再構成したもの、そしてLu Anneの娘Ann Marie Santosによる母の回想。

この本は、Lu Anneを肯定的に描くことに努めているのだが、まあ話半分で・・・。

------------------------------------------

『ケルアック』に戻って・・・

初めて知っておもしろかったのは、BurroughsとNealは相性が悪かったらしいこと。確かにBurroughsの口からNeal Cassadyの話が出てくることはない。

BurroughsがLouisiana州Algiersで暮らしていた1949年に、Kerouac、Neal一行がBurroughs宅を訪れるが、その際にも二人は互いを避けていたようだ。

確かに、躁病のスケコマシ+歩く陽物Nealと、陰鬱な学者肌Burroughsが合うとは思えない。それでも両者は、一緒くたにBeat Generationとしてくくられているんだからおもしろい。

------------------------------------------

Kerouacの自著や既存の情報ではあまり明らかにされていない、Keouacの同性愛やdrugとの関わりがいろいろ出てきているのも面白いところ。

Kerouacは基本heterosexalだったが、どうもNealとは同性愛関係にあったようだ。限定的bisexual。ただし、肉体関係にはそれほど深入りしてはいなかったようで、「Kerouacはheterosexualだよ」と断言する人も多い。

------------------------------------------

KerouacはBenzedrine(覚醒剤の一種、当時は合法)を多用しながら一気に『ON THE ROAD』や『THE SUBTERRANEAN』を書き上げた、という神話は有名。ただしこれは多分にハッタリが入っている。

確かに、果てしなく続くスピード感は、upper系drugの力を強く感じる。だが、あのスピード感はKerouacがもともと持っていた資質でもあり、drugはそれをちょっと助けた程度ではないか。

Marijuanaは結構やっていたようだ。Kerouacのあのダラダラ文体は、marijuanaで止めどなく湧いてくるimageによるもの、という説もある。

しかし、Kerouacはdrugよりも酒の人だ。この本でも最後はKerouacのアル中episodeであふれている。人集めが好きだったKerouacにとっては、自分の中に閉じこもるdrugよりは、やっぱり酒だったのだろう。

------------------------------------------

本書は読み物としてもおもしろいのだが、巻末の「Kerouac小説の登場人物名-実在の人物名」対照表、Keouac著作リスト(ご丁寧に、執筆年、発表年、小説のモデルとなっている年が並べてある)、索引などの資料も充実。これを使って何か書くには最適な、Beat Generation資料集でもある。

この証言集・評伝が埋もれたままなのはもったいない。文庫化してほしい。でも無理かなあ。大部すぎる。

これから、Kerouac & The Beat Generationの話が延々続くのだが、折々でこの『ケルアック』からのネタも投入していくことにしよう。

===========================================

(追記)@2019/04/16

『ON THE ROAD』が大ヒットし、登場人物は仮名だったものの、Dean MoriartyのモデルがNeal Cassadyであることは、世間にはバレバレだった。

おかげでNealはすっかり警察にマークされ、1958年にはmarijuana不法所持・売買で逮捕。2年間の獄中生活を送る羽目になった。

ちょっとかわいそうでもあるが、自業自得の面が大きいので、さして同情はできない。

===========================================

(追記)@2019/04/17

青字を追記した。

2019年4月12日金曜日

KEROUAC & THE BEAT GENERATION (01) Jack Kerouac 『ON THE ROAD(オン・ザ・ロード/路上)』

Jack Kerouac(1922-1969)はUSAの小説家。Allen Ginsberg、Willam S. Burroughsと共にBeat Generation=Beatnikという文学グループを形成していたとされる。

とはいえ、この三人はそれぞれ芸風が全く違う。この三人は、単に若い頃一緒につるんでいた仲間たちで、それが同じ頃に評価され始めたため、一緒くたにされているだけ。

しかしながら彼らは、WWII直後という時代に、進路も定まらずブラブラしているという、今でいうmoratoriumを体現していた。1960年代以降はごくありふれた風景である、「ダラダラ若者文化」の範となった連中なのだ。

そういったBeatnikたちは、確かにある程度同じグループにくくれる面はある。

------------------------------------------

Kerouacの小説は10冊以上邦訳されているが、

・ジャック・ケルアック・著, 青山南・訳 (2010.6) 『オン・ザ・ロード』(河出文庫). 524pp. 河出書房新社, 東京.


カバー装画 : 下田昌克, カバーデザイン : 緒方修一

← 原版 : (2007.11) (池澤夏樹・編 世界文学全集1-01). 河出書房新社, 東京.
← 英語原版 : Jack Kerouac (1957) ON THE ROAD. 310pp. Viking Press, NYC.

にとどめを刺す。というより、これ一冊読んでおけば十分、というKerouacの代表作だ。

------------------------------------------

なお、上掲書は新訳で、旧訳として、

・ジャック・ケルアック・著, 福田実・訳 (1959.10) 『路上』(世界新文学双書). 河出書房新社, 東京.
→ 再発 : (1970.8) (モダン・クラシックス)/(1977.10)(世界海外小説選)/(1983.2) (河出文庫) いずれも河出書房新社, 東京.

もある。お好きな方をどうぞ。

------------------------------------------

『ON THE ROAD』は、Kerouacの分身であるSal Paradiseが、ヒッチハイク、バス、自家用車などでUSAを数度に渡り横断した際の、いわば旅行記だ。

BackpackersのBibleとも言われ、日本でも1960~70年代にUSAを横断する旅行スタイルが結構流行った。

しかし、行き先がAsia中心に変わった1980年代以降のbackpackersにとっては、「これがbackpackersのBible」と言われても、ピンと来ないのではないだろうか?

でも、いわゆる大上段に振りかぶったテーマ性もなく、あちこちを無軌道にうろつく旅行スタイルは、確かにbackpeckerの祖と言えよう。

------------------------------------------

Salは自発的に旅立つときもあるが、旅の原動力となっているのは、友人Dean Moriarty。

こいつは、周囲を振り回すタイプのいわゆるmood makerで、なおかつtrouble maker。押しが非常に強く、ハッタリ屋でもある。一見とても魅力的な人物なので、色んな連中がこいつに引っかかる。

ところが、こいつは全くの無責任野郎で、あちこちに女を作ってはそれぞれにテキトーな事を言って回る男。しょっちゅう自分で自分を窮地に陥れるような奴だ。

自分の周囲には、いてほしくないタイプだなあ。いや、実際いたことがあるのだが、当然へきえきしたよ(笑)。

------------------------------------------

このDean Moriartyにも実在のモデルがいる。それがNeal Cassady(1926-1968)。

こいつは、『ON THE ROAD』のMoriartyそのままの生き様だったらしい。Beatnikの連中には大きな影響を与えたようだが、自分は特に作品らしきものを残していない。まさにHippie Generationの元祖だ。

ちなみにNealの最期は野垂れ死に。

------------------------------------------

小説では、Salは比較的受動的でおとなしい人物像だが、Kerouac自身はもう少し積極的に動く人物だったように思える。

思うに、Dean Moriartyの人物像にはCassadyだけではなく、実際は作者Kerouacの性格も入ってるような気がした。Moriartyに激しい性格を吸い取られてしまったKerouacの、残りの部分であるSalがおとなしく見えるは当然だろう。

Moriarty/Cassadyもそうなんだが、Kerouacもそれに負けず劣らずカッコつけだ。文体にしても、fashionにしてもそれが伺える。

やはり偉大なるカッコつけである、佐野元春あたりがKerouacを持ち上げるのもよく理解できる。

------------------------------------------

しかしこの『ON THE ROAD』は、とにかくスイスイ読める。物語も淀みなく進んでいくし、一箇所に滞在中も休みなく動き回っている。若者の文学なのは間違いない。

Kerouacは、この小説を「三週間で書いた」と言っていたらしいが、思わず納得してしまうほど、小説にはスピード感がある。

しかし、実際は何年もかけて何度も書き直していたことが明らかになっているし、やっぱりKerouacはハッタリの人なのだ。

------------------------------------------

他にもAllen GinsbergはCarlo Marxとして、そしてBurroughsはOld Bull Leeとして登場する。

Leeは第2部、Moriarty+SalがNew OrleansのLeeの家に数日滞在する場面に登場するだけだが、毎日heroineを打ってるし、coolでシニカルだし、子供へも愛情薄いし、会話の端々に小話(Routine)が挟まるし、まさにBurroughsそのままだ(笑)。

おもしろいのは、猫好きであることを明言していること。THE CAT INSIDEを書いたように、Burroughsは晩年すっかり猫派になるのだが、実は若い時から猫派だったのだ。

------------------------------------------

必ずしも自分の好みではないのだが、ストレスなく楽しく読むことができた小説だ。1970年以降の「ダラダラ若者文化」が大好きな自分にとって、水が染み込むようによく理解できるのだ。

この「ダラダラ若者文化」は、薄まりながら、形を変えながら、今も続いているのだが、その1960年代的展開であるHippie文化の隆盛を横目で見つつ、Kerouacはアル中で死んでしまった。

片や、そこからは距離を置いて、孤高の存在となっていたBurroughsは、junkyのくせに83歳まで長生きした。これは一体なんだろうなあ・・・。

===========================================

(追記)@2019/04/12

ちなみにHippieとは、「Hipsterきどりの小僧」という意味だ。Hippie文化を生んだのがBeat Generationであることは、これからも明らか。

===========================================

(追記)@2019/04/12

草稿versionも刊行されている。

・ジャック・ケルアック・著, 青山南・訳 (2010.6) 『スクロール版 オン・ザ・ロード』. 543pp. 河出書房新社, 東京.


(from Amazon.co.jp)

← 英語原版 : Jack Kerouac, Howard Cunnell (ed) (2007) ON THE ROAD : THE ORIGINAL SCROLL. 408pp. Viking, NYC.

登場人物を実名に戻し、削除箇所を回復。そして章分けはもとより、段落もなくしたversionだ。ダラ書きKerouacの真骨頂。

自分は・・・もういいな・・・。高いし、そこまでKerouacマニアではないのだ、実は。

2019年4月8日月曜日

BURROUGHS WITH MUSIC (108) William S. Burroughs+tomandandy/Old Western Movies(KEROUAC KICKS JOY DARKNESS)

ここでJack Kerouac Tribute作品の登場だ。

KEROUAC KICKS JOY DARKNESS (Japanese Edition) [Rykodisc Japan] release 1997


Package Design : Barbara Longo

various date, various place, Jim Sampas (prod)

1-01. Morphine/Kerouac
1-02. Lydia Lunch/Bowery Blues
1-03. Michael Stipe/My Gang
1-04. Steven Tyler/Dream : "Us Kids Swim Off A Gray Pier…"
1-05. Hunter S. Thompson/Letter to William S. Burroughs & Ode to Jack
1-06. Maggie Estep & The Spitters/Skid Row Wine
1-07. Richard Lewis/America's New Trinity of Love : Dean, Brando, Presley
1-08. Lawrence Ferlinghetti & Helium/Dream : "On A Sunny Afternoon..."
1-09. Jack Kerouac & Joe Strummer/MacDougal Street Blues
1-10. Allen Ginsberg/Brooklyn Bridge Blues (Choruses 1-9)
1-11. Eddie Vedder, Campbell 2000 & Sadie 7/Hymn
1-12. William S. Burroughs & tomandandy/Old Western Movies
1-13. Juliana Hatfield/Silly Goofball Pomes
1-14. John Cale/The Moon
1-15. Johnny Depp & Come/"Madroad Driving..."
1-16. Robert Hunter/"Have You Ever Seen Anyone like Cody Pomeray?..."
1-17. Lee Ranaldo & Dana Colley/Letter to John Clellon Holmes
1-18. Anna Domino/Pome On Doctor Sax
1-19. Rob Buck & Danny Chauvin/Mexico Rooftop
1-20. Patti Smith with Thurston Moore & Lenny Kaye/The Last Hotel
1-21. Warren Zevon & Michael Wolff/Running Through – Chinese Poem Song
1-22. Jim Carroll With Lee Ranaldo, Lenny Kaye & Anton Sanco/Woman
1-23. Matt Dillon with Joey Altruda, Joe Gonzalez & Pablo Calogero/Mexican Loneliness

2-01. United Future Organization/Poetry and All That Jazz
2-02. Graham, Parker & David Amram/Unpublished Journals 1949-1950
2-03. Matt Dillon/The Thrashing Doves
2-04. Inger Lorre & Jeff Buckley/Angel Mine
2-05. Lydia Lunch/How to Meditate & Mexican Loneliness
2-06. Eric Anderson/Brooklyn Bridge Blues (Chorus 10)
2-07. Anna Domino/Pome on Doctor Sax (Unedited Version)

青字は日本盤のみ)

OriginalはCD1枚ものだが、ここで紹介する日本盤は2枚組になっているので注意。

------------------------------------------

作家Jack Kerouac(1922-1969)のtribute compilation。大半がKerouacの詩の朗読(+音楽も)。

Allen Ginsberg、BurroughsといったBeatnikの仲間たちはもちろんのこと、豪華musiciansが大挙参加。Joe Strummer、John Cale、Patti Smith、Warren Zevon、David Amram、それから前回紹介したR.E.M.のMichael Stipeもいるぞ。Juliana Hatfieldのかわいい声にもヤラレタ!

Johnny Depp(この後、映画THE SOURCE(ビートニク)(1999)でKerouacを演じることになる)、Matt Dillonといった俳優陣もいる。かなり豪華なalbumだ。

Burroughsと違って、Kerouacの小説/essaysはストレートだから、本albumもそんなにひねくれたところはない。まさに1950年代の青春模様だ。

------------------------------------------

本作で取り上げられているのは、死後発表された詩集

・Jack Kerouac (1992) POMES ALL SIZES (The Pocket Poets Series, no.48). x+175pp. City Lights Books, San Francisco.

からの詩と、未発表だった詩が多い。

------------------------------------------

さて、Burroughsだが、朗読しているのはやはりKerouacの詩。

unknown date, NYC
William S. Burroughs (vo), tomandandy (Tom Hajdu+Andy Milburn) (kb), Gil Goldstein (acc), James Leibow (g), John Patitucci (b), John Arucci (perc), Bashiri Johnson (perc)
1-12. William S. Burroughs & tomandandy/Old Western Movies

同録ではないだろう。また、Burroughs録音地はLawrence, Kansasの可能性が高い。

Backをつけるのは、USAの映画・TV・games音楽を制作する二人組unit、tomandandy。よって当然、本作も映画音楽的だ。

Gil Goldstein、John Patitucciといった一流Jazz Musiciansの名前も目につく。

------------------------------------------

Old Western Movies

A Jedge in the West comin from the South with ruby sideburns, boy –
Always usin flowery languij –
The grim fightin hero's troubles are always private –
He wants to know where "I fit in" in herd wars –
Sometimes you see villains so ancient you saw them in infancy exaggerating in snow
their mustaches looking older than yr father's grave –
"Thanks Marshall" – "I reckon" -- I guess I better run on back to Whiskey Row, Colorada & marry an old Tim McCoy Gal or turn off the tele vision, one –

-- You gotta go a long way in the West to find a good man –
So close the book,
The Courier, run by Steve, is a paper wearing a sunbonnet
Drive the cattle thru that silver wall, help ladies to their hearse, mouth in the sun
That oughta do till Mexican Drygulcher finds Redwing in the Shack
And Kwakiutls menstruate
Old Horses' necks by broken fences guns gone rust
I guess the gang got shot.

Kid Dream
Hid
In the leaves

April 1958, Northport

from Booklet of KEROUAC KICKS JOY DARKNESS (Japanese Edition) [Rykodisc Japan] release 1997
← Original : Jack Kerouac (1992) POMES ALL SIZES.

オールド・ウェスタン・ムーヴィーズ

南部から西部へとやってきた一人の判事 そのもみあげはルビー色、おやまあ –
いつでもやたらと流暢な喋り方 –
厳しい顔つきの闘う英雄の悩みごとはいつでも内に秘められたまま –
群同士の抗争の中で"私がどことウマがあっている"のか彼は知りたがっている –
うんと昔の悪党どもにためにお目にかかることもある まだ幼かった頃に見かけたこともある ほら話でやたらと自分を大物に見せていた輩たち
やつらが口ひげをのばし始めたのは 父親の墓ができたよりももっと前のことだったように思える –
「ありがとよ、マーシャル」 -- 「わたしが思うに」 -- どうやらわたしはコロラダのウィスキー街へと逃げ戻った方がよさそうだ そして古くから知っているあのティム・マッコイの娘と結婚するか それともテレビを消してしまうか、ひとつ –

-- いい男を見つけだそうと思ったら 西部中をうんと歩きまわらなきゃだめさ –
だから本を閉じて
スティーヴが経営しているザ・クーリアは新聞 つばの広い日よけ帽を被り
虫けらどもを銀色の壁の中へと叩き込む 貴婦人たちの手を取って彼女たちの棺へと導き いったい何を喋るのかとみんなの注目の的
メキシコ人の裏切り者が掘っ立て小屋の中のハゴロモガラスを見つけ出す前には 実行に移さなければならない
そしてクワキュートル族の人たちは月経がある
壊れたフェンスのそばで時代を経た幾つもの馬の首 銃も錆びついてしまった
思うに悪党の一味は撃ち殺されてしまったのだろう

ガキの夢は
隠した
木の葉の中に

1958年4月 ノースポート

from 中川五郎・訳, Booklet of KEROUAC KICKS JOY DARKNESS (Japanese Edition) [Rykodisc Japan] release 1997
赤字は訳文がない箇所を補足)

和訳を提供している中川五郎(1949-)は、Folk Singer - Song Writer/翻訳家/音楽評論家。

------------------------------------------

古い西部劇映画の場面を、断片的に散らした詩。Kerouac流cut-upとも言えよう。ずいぶんnostalgicな内容だ。晩年のBurroughsが朗読するにふさわしい。

Burroughsは死の1年ほど前で、もう元気がない。ゆえに、このnostalgicな詩には、合いすぎるくらい合っている。Producerの卓見ですな。しかし、ちょっと寂しい気持ちになる。・・・のは、思う壺にはまっているということだけど・・・。

------------------------------------------

Burroughsシリーズはまだまだ続くのだが(ホントいつ終わるんだ?)、その前にちょっと(と言っても二十数回あるが・・・)KerouacとBeat Generationに寄り道しておこう。

2019年2月21日木曜日

BURROUGHS WITH MUSIC (99) William S. Burroughs+Gus Van Sant/THE ELVIS OF LETTERS-その3

引き続き

William S. Burroughs+Gus Van Sant/THE ELVIS OF LETTERS [TK] release 1985



------------------------------------------

04. The Hipster Be-bop Junkie

from 103rd Street Boys (rec.1975/03/05) IN : WILLIAM S. BURROUGHS / JOHN GIORNO 



also 103rd Street Boys (rec.1975/03/05) IN : THE BEST OF WILLIAM BURROUGHS : CD1-02



比較的ストレートなremix。元ネタはJUNKY(ジャンキー)から。

------------------------------------------

The hipster-bebop junkies never showed at 103rd Street.

The hipster-bebop junkies never showed at 103rd Street. < -- omitted -- > (There is a junk gesture that marks the junky like the limp wrist marks the fag: the hand swings out from the elbow stifffingered, palm up.)

The hipster-bebop junkies never showed at 103rd Street. < -- omitted -- > They all looked like junk. 

The hipster-bebop junkies never showed at 103rd Street. < -- omitted -- > They all looked like junk. 

The hipster-bebop junkies never showed at 103rd Street. < -- omitted -- > They all looked like junk. 

(There is a junk gesture that marks the junky like the limp wrist marks the fag: the hand swings out from the elbow stifffingered, palm up.)

The hipster-bebop junkies never showed at 103rd Street. < -- omitted -- > They all looked like junk. 

The hipster-bebop junkies never showed at 103rd Street.

They all looked like junk.

The hipster-bebop junkies never showed at 103rd Street. < -- omitted -- > They all looked like junk. 

from William S. Burroughs (2008) JUNKY (Penguin Modern Classics). p.25. Penguin Books, London.
← 初出 : (1953) A A Wyn Inc., NYC



引用元
・IMPACT PLAYERS > ? > William S. Burroughs/Junky(as of 2018/04/13)
https://impactplayers.com/wp-content/uploads/2011/04/Burroughs-William-Junky.pdf

第百三通りにはちゃきちゃきのモダンなジャンキーはさっぱり姿を見せなかった。

第百三通りにはちゃきちゃきのモダンなジャンキーはさっぱり姿を見せなかった。 < -- 省略 -- > (手首をぐにゃぐにゃさせるのが男性ホモの特徴になっているように、麻薬社会にはジャンキー特有のジェスチャーがある。それは指をこわばらせ手のひらを上にして腕の肘から先をぶらぶらさせるのだ。)

第百三通りにはちゃきちゃきのモダンなジャンキーはさっぱり姿を見せなかった。 < -- 省略 -- > みな同じようにジャンクに見えた。

第百三通りにはちゃきちゃきのモダンなジャンキーはさっぱり姿を見せなかった。 < -- 省略 -- > みな同じようにジャンクに見えた。

第百三通りにはちゃきちゃきのモダンなジャンキーはさっぱり姿を見せなかった。 < -- 省略 -- > みな同じようにジャンクに見えた。

(手首をぐにゃぐにゃさせるのが男性ホモの特徴になっているように、麻薬社会にはジャンキー特有のジェスチャーがある。それは指をこわばらせ手のひらを上にして腕の肘から先をぶらぶらさせるのだ。)

第百三通りにはちゃきちゃきのモダンなジャンキーはさっぱり姿を見せなかった。 < -- 省略 -- > みな同じようにジャンクに見えた。

第百三通りにはちゃきちゃきのモダンなジャンキーはさっぱり姿を見せなかった。

みな同じようにジャンクに見えた。

第百三通りにはちゃきちゃきのモダンなジャンキーはさっぱり姿を見せなかった。 < -- 省略 -- > みな同じようにジャンクに見えた。

from ウィリアム・バロウズ・著, 鮎川信夫・訳 (2003.12) 『ジャンキー』(河出文庫). p.75. 河出書房新社, 東京.


カバーデザイン : 菊地信義

------------------------------------------

JUNKYの中でも最もカッコイイphraseを繰り返す。そう、これはHip Hopで言うところのBreak Beats的な使い方だ。

Burroughsのcut-upは、samplingやremixといったテクニックを先取りしたようなところがあり、Hip Hopとは相性がいい。

しかし、Burroughsの文章の中には、あからさまに黒人を蔑視したような文章が結構多いので、黒人artistsの口からBurroughsへの賛辞や影響を聞くことはない。

しかし、直接の影響はないことにされていても、間接的にはやはり彼らもBurroughsの影響を受けているはずなのだ。

===========================================

このalbumでは、Gus Van Santは積極的にBurroughs直系のcut-up/sampling/remixに挑戦している。素材も1950~60年代の古めのもので、Burroughsが一番トンガッていた頃の作品だ。

その意味では、これが1960年代Burroughs精神に一番忠実な作品と言える。Burroughs+音楽で、そういった作品は実は少ない。

後のBill LaswellやHal Willnerは、意外にも、後期の作品(当時の最新作でもあるが)、比較的わかりやすい文章を中心に取り上げている。

この作品とは対照的だ。BillもHalも、音楽的には過激だが、言葉に関しては保守的であることがわかる。

音楽的には保守的(本職じゃないせいもあるが)なのに、朗読の取り扱いはBurroughs直系の過激なものであるところが本作の面白いところと言えよう。

2019年2月18日月曜日

BURROUGHS WITH MUSIC (98) William S. Burroughs+Gus Van Sant/THE ELVIS OF LETTERS-その2

引き続き

William S. Burroughs+Gus Van Sant/THE ELVIS OF LETTERS [TK] release 1985



------------------------------------------

01. Burroughs Break

Cut-up from William S. Burroughs/CALL ME BURROUGHS [English Bookshop]  + 103rd Street Boys (rec.1975/03/05) IN : WILLIAM S. BURROUGHS / JOHN GIORNO [Giorno Poetry Systems]





Rhythmは安っぽい打ち込み。Rhythm Boxに毛が生えたレベル。1985年当時だとこんなもんだろう。

Guitarは、codeで4つ刻みのシンプルなもの(結構分厚い多重録音になってる)。Burroughsを引き立てる伴奏である。途中single tonesのsoloも入るが、大した内容ではない。

------------------------------------------

(Con)centrate impression.

Subliminal works.

These are…

Put…

No one could look less like a lush-roller.
No one could look less like a lush-roller.
No one could look less like a lush-roller.
His face bore the marks of constant losing fight.

Last time I was in New York, I couldn't find George.
No one could look less like constant losing fight.
No one could look less like George.

Last time I was in George, I couldn't find George.
Last time I was in New York, I couldn't face of George.

But I feel in the machine on subliminal level machine well process.

He will mount there making a move setting up the double-down Brooks Brothers shirt and carrying The News as a prop.

Last time I was…I couldn't find…
Your… New York, George
His fight, losing constant marks for the face.
His constant for the face by losing marks.

------------------------------------------

JUNKYからのphraseを中心に、他にもあちこちからBurroughsの朗読をつまみ食い。後半はGus Van Santによるコラージュ、つまりcut-upになっている。Tapeの逆回しなどもある。

Burroughsファンが作るとやっぱりそうなるよね、という実験音楽だ。

===========================================

02. Word Is Virus

from Inflexible Authority. IN : William S. Burroughs/CALL ME BURROUGHS [English Bookshop] release 1965

Country & Western調の音に、Burroughs朗読を切り刻んだものを乗せる。朗読の元ネタはNOVA EXPRESS(ノヴァ急報)。

1985年当時出回り始めたsamplerを駆使している。Sampling黎明期の雰囲気がよく出ているなあ。ある意味懐かしい。

------------------------------------------

Word begets images and image is virus.
Word begets images and image is virus.

from William S. Burroughs (2014) NOVA EXPRESS (Penguin Modern Classics). p.49. Penguin Books, London.
← 初出 : (1964) Grove Press, NYC.



言葉は映像を生じ、映像とはウィルスそのものだ。
言葉は映像を生じ、映像とはウィルスそのものだ。

from W・S・バロウズ・著, 山形浩生・訳 (1995.3) 『ノヴァ急報』. p.54. ペヨトル工房, 東京. 


装幀:ミルキィ・イソベ

あとは、このphraseのグチャグチャなremixが繰り返される。

===========================================

03. Millions of Images

from Inflexible Authority. IN : William S. Burroughs/CALL ME BURROUGHS [English Bookshop]

CALL ME BURROUGHSのremix。これもやはりC&W調で、かなりのup-tempo。Guitar soloの聴きどころもある。

これも元ネタはNOVA EXPRESS(ノヴァ急報)

------------------------------------------

"Images -- millions of images -- That's what I eat -- < -- omitted -- > -- I got orgasms -- I got screams -- I got all the images any hick poet ever shit out – My Power's coming -- My Power's coming -- My Power's coming –" < -- omitted -- > "And I got millions and millions and millions of images of Me, Me, meee." < -- omitted -- > "You hick – You rat – Called the fuzz on me -- All right -- < -- omitted -- > -- I'm finished but you're still a lousy fuckin' fink –"

"Images -- millions of images -- That's what I eat -- < -- omitted -- > -- I got orgasms -- I got screams -- I got all the images any hick poet ever shit out – My Power's coming -- My Power's coming -- My Power's coming –" he goes into a faith healer routine rolling his eyes and frothing at the mouth --

"And I got millions and millions and millions of images of Me, Me, meee."

from William S. Burroughs (2014) NOVA EXPRESS (Penguin Modern Classics). pp.45-46. Penguin Books, London.
← 初出 : (1964) Grove Press, NYC.
赤字は朗読での付加)

「映像だ – 何百万もの映像 – それがおれの食料 -- < -- 省略 -- > -- おれにはオルガズムもある – おれは絶叫だって持ってる – あらゆる三文詩人がひりだした、すべての映像を持ってるんだ – おれの力が満ちてくる – 力が満ちてくる – 力が満ちてくる --」 < -- 省略 -- > 「そしておれは、このおれ様の映像を何万も、何億も持ってるんだ、このおれの、おれの、おれ様の!」 < -- 省略 -- > 「このヘッポコ – このネズ公 – このおれに、マッポをけしかけやがって – 上等だ -- < -- 省略 -- > -- おれはこれでおしまいだが、おまえは相変わらずの薄汚ねえクソ密告屋だ -- 」

「映像だ – 何百万もの映像 – それがおれの食料 -- < -- 省略 -- > -- おれにはオルガズムもある – おれは絶叫だって持ってる – あらゆる三文詩人がひりだした、すべての映像を持ってるんだ – おれの力が満ちてくる – 力が満ちてくる – 力が満ちてくる --」 かれは祈祷治療師の芸ルーチンを始め、目玉をぎょろつかせ、口から泡を吹く --

「そしておれは、このおれ様の映像を何万も、何億も持ってるんだ、このおれの、おれの、おれ様の!」

from W・S・バロウズ・著, 山形浩生・訳 (1995.3) 『ノヴァ急報』. p.51. ペヨトル工房, 東京. 
赤字は朗読での付加)

------------------------------------------

NOVA EXPRESSの頃の作品では、cut-upが多用されているのだが、この朗読の箇所は意味の通る文章である。

しかしNOVA EXPRESSの文章は、どこを切り取っても切迫感があり、異様な迫力。演奏もなかなかいいし、このmini albumの白眉だろう。

2019年2月14日木曜日

BURROUGHS WITH MUSIC (97) William S. Burroughs+Gus Van Sant/THE ELVIS OF LETTERS-その1

Gus Van Santの登場。

実は、Burroughsの朗読と音楽を組みわせたのは、このGus Van Santが最初だったのだ。

------------------------------------------

Gus Van Sant(1952-)はUSAの映画監督。だが、映画の他にも写真家、musicianとしても作品がある多彩な人だ。

映画の代表作

【映画】 Gus Van Sant (dir) (1989) DRUGSTORE COWBOY(ドラッグストアカウボーイ)(主演 : Matt Dillon+Kelly Lynch). 

では、神父役(!)としてBurroughsをcameo出演させている。この人も重度のBurroughsマニアの一人だ(gayだし)。

Burroughsの出演箇所だけを見たいのであれば、こちらでどうぞ(他にもいくつかある)。

・YouTube > William S. Burroughs in Drugstore Cowboy (All scenes)(uploaded on 2010/10/07 by absinther666)
https://www.youtube.com/watch?v=oKPcR3tADXc

------------------------------------------

2018年1月27日土曜日 BURROUGHS WITH MUSIC (19) DEAD CITY RADIO-その2

で紹介したA Thanksgiving Prayer の映像も、Gus Van Santによる制作らしい。

------------------------------------------

ここでようやくalbum紹介。

William S. Burroughs+Gus Van Sant/THE ELVIS OF LETTERS [TK] release 1985



unknown date, unknown place
William S. Burroughs (vo)

ca.1985, Portland (Oregon), Tim Kerr (prod)
Gus Van Sant (g, b, maracas, drum-prog, sampling)

01. Burroughs Break
02. Word Is Virus
03. Millions of Images
04. The Hipster Be-bop Junkie

------------------------------------------

4曲で16分ほどのmini album。というのも、もともとは12"singleとしてreleaseされたものだから。

版元のTK Recordsは、THE "PRIEST" THEY CALLED HIM をreleaseしたTim Kerr Recordsと同一label。

MusicianのクレジットがGus Van Santしかないが、たぶん一人多重録音なのだろう。Rhythmは1980年代らしい安っぽい打ち込みだし。

------------------------------------------

Burroughsの朗読も新録ではなく、旧作の再利用のようだ。その朗読にGus Van Santが音楽をoverdub。

Gus Van Santの音楽と融合しているとは言いがたいが、それでも、Burroughsの朗読と音楽を組み合わせるというアイディアは卓見だった。とてもおもしろい。

この後、Bill Laswell、Hal Willner、Kurt Cobainと、Burroughsの朗読を音楽に組み込みたがる連中が続々と現れるのだ。

------------------------------------------

曲は次回に。

===========================================

(追記)@2019/02/15

前述のGus Van Sant制作のA Thanksgiving Prayerの映像はこちらでどうぞ。

・YouTube > William S. Burroughs - A Thanksgiving Prayer(uploaded on 2009/10/06 by williamburroughsVEVO)
https://www.youtube.com/watch?v=sLSveRGmpIE



------------------------------------------

Gus Van Santが制作したBurroughs作品の映像はもうひとつある。それがこれ↓

・YouTube > Discipline of Do Easy by Gus Van Sant(uploaded by u2sunstuff on 2011/07/22) ← Original 1982
https://www.youtube.com/watch?v=eoOUBETTyMI&t=44s



原作は、

・William S. Burroughs (1973) The Discipline of DE. IN : EXTERMINATOR!. Viking, NYC.
・W・S・バロウズ・著, 柳下毅一郎・訳 (1993.1) DEの法則. 朝倉久志ほか・訳 『おぼえていないときもある』所収. pp.68-79. ペヨトル工房, 東京.


装幀 : ミルキィ・イソベ

筒井康隆「寝る方法」と泉昌之「ダンドリくん」を合わせたような、Burroughsらしからぬ作品。作者名を伏せたら、Burroughs作品と気づく人はいないだろう。そういう変な作品。

NarrationがBurroughsじゃないのが残念。

2019年2月12日火曜日

BURROUGHS WITH MUSIC (96) William S. Burroughs+Kurt Cobain/THE "PRIEST" THEY CALLED HIM-その3

引き続き

William S. Burroughs+Kurt Cobain/THE "PRIEST" THEY CALLED HIM [TimKerr] rec.1992, release 1993


Design and Layout : Steve Connell

------------------------------------------

今回は和訳。

------------------------------------------

「みなさん、結核と闘いましょう」クリスマス・イブ、ノースクラーク通りでクリスマス・シールを売る老ジャンキー、人呼んで「神父」。「みなさん、結核と闘いましょう」

人々は足早に通り過ぎ遠くの壁に灰色の影時間も遅くなってきてキメるための金もないかれが脇道に入ると湖の風がナイフみたいに直撃。タクシーが停まってちょうど街灯の下でスーツケースを持った少年が降りた予備校制服姿のやせたガキどっかで見覚えのある顔だと神父はつぶやき戸口から見守るなにかずっと昔のことを思い出させるあそこの少年がコートのボタンをはずしたままズボンのポケットに手を突っ込んでタクシー代を探っている。タクシーは走り去って角を曲がった。少年は建物に入ってフムフムいけるかも。スーツケースは戸口のところで少年の姿はまるで見えず、おそらくは鍵を取りにいったんだろうすばやく動かないと。かれはスーツケースを取ると角を目指す間に合ったケースを見下ろすどうもあの少年の持ってたスーツケースとちがう感じでどんな少年も持ちそうにないこのケースがなぜこうも古く見えるのか神父にはどうしても解せず、古くて汚れた低級な革で重たい中には何が入ってるのかなかれはリンカーン公園に入って空き地を見つけてケースを開けた。切断された人間の脚が二本黒い肌の若者の脚で黒いスネ毛が薄暗い街灯の明りの下でギラつく。脚はケースに無理に押し込まれていてそいつをほじくりだすのにケースのうらにひざを当てて押し出さなくてはならなかった。

「それでも脚か」とかれは足早にケースを持って去ったこいつはキメるための数ドルを稼いでくれるかも。

故買屋は胡散臭そうに鼻をクンクンさせた。「なんだか妙な匂いがすんなあ・・・これ、メキシコ製の革か?」

神父は肩をすくめた。

「ふん、どっかの冗談屋が始末をつけそこねたわけだ」故買屋は冷たい不服をもってケースを見つめた。

「しょうがねえなあ元の牛をまともに殺しそこねたんじゃねえのどう頑張っても三しか出せねえよ、これだってこっちの持ち出しだけど、何てったってあんたは神父さんだもんな」$$$かれは三枚を机の下で神父の汚い手に滑りこませた。

神父は街の影の群れの中にすべりこむ胡散臭くこそこそと三両じゃあ袋は買えないなあ1/4以下じゃどうしようもないもんなあ、そういやあの老いぼれ医者が借りの三両払うまでツラ出すなって言ってたな、こりゃおあつらえむきだ、セコい三両の防衛戦をふっ飛ばしてやろう。

医者は彼を見て歓びはしなかった。「何しにきた! 言っただろう・・・」神父は札を三枚机に並べた。医者は金をポケットにしまうとわめき出した。「もめごとはたくさんだ! 人が嗅ぎ回りにきたんだ! 免許を取り上げられるかもしれんのだぞ!」

神父は黙ってすわって何年ものヤクで老いて重くなった目を医者の顔に据える。

「処方箋なんか書いてやれんぞ!」医者は引き出しをこじあけてテーブル越しにアンプルを滑らせてよこす。「ここにあるのはそれだけだ!」と医者は立ち上がった。「そいつを持って失せろ!」とかれはヒステリックに絶叫。神父の表情は変わらず医者はさっきより静かな口調でつけくわえた。「だいたいわたしはプロだし、おまえみたいな連中に悩まされるべきじゃないんだ」

「これだけしか用立ててもらえんのかね? たった1/4グレインが一本? もう1/4貸しといてもらえませんかな?」

「出てけ! 失せろ! でないとホントに警察呼ぶぞ!」

「わかりましたよ、先生。おいとましましょうかね」

神さま、寒いったらありゃしないし下宿屋までの道は遠いうらぶれた通りぞいの部屋でしかもてっぺんこの階段が(ゴホン)神父は手すりにつかまってからだを引き上げて洗面所にいく黄色い木のパネルでトイレはあふれてて、洗面台の下から茶色の紙に包んだ道具を取り出して部屋に戻り一滴残らず点滴器に入れてそでをまくりあげた。そこへ隣の十八号室からうめき声が聞こえたそこに住んでいるのはメキシコ人のガキで神父は階段ですれちがったときにその子が中毒しているのを見てとったが声をかけたことはなかったお稚児さん趣味までは要らないと思ったからであれはどこのことばでもろくなもんじゃないし、神父は生涯でろくでもない目に会いすぎていたところへまたあのうめき声が聞こえる。肌で感じられるようなうめき声であのうめき声は間違えようがないしその意味するところは事故にあったか何かでとにかく壁ごしにあんな音が聞こえてくるようじゃ我が神父的投薬を楽しめんじゃないか、薄い壁なんですなこれが、と神父は点滴器を置いて寒い廊下で十八号室のドアを叩く。

「Quien es?」

「坊や、神父じゃよ。隣に住んどる」

だれかがびっこをひきながら部屋を横切ってきたのが聞こえ閂が外されて少年がそこに立ってた下着のショーツ姿で目は苦痛で黒い。倒れかける。神父はベッドまで肩を貸す。

「どうしたね、坊や」

「脚なんです、セニョール・・・こむらがえりで・・・それにいまはクスリもないし」

神父には木の結び目みたいなこむらがえりが見えたそのやせた若い脚の上に輝く黒いスネ毛。

「三年前に自転車レースで足を傷めてそのときにこむらがえりがはじまって、それで・・・」

それでこいつは脚のこむらがえりと複合したヤク癖を持ってるわけだ。老神父は少年がうめくのを肌で感じながらそこに立っていた。祈るかのように天を仰いで部屋に戻り点滴器を取ってくる。

「たった1/4グレインじゃがね、坊や」

「ぼく、あんまりたくさんは要らないんです、セニョール」

神父が十八号室を出たとき、少年は眠っていた。かれは部屋に戻ってベッドにすわる。そのときそれが重く静かな雪のように襲った、灰色のヤクの過去のすべてが。かれはそこにすわって無垢の一発をキメてもらい、そして当の自分が神父だったから、わざわざ臨終に呼ぶ必要もなかった。

from W・S・バロウズ・著, 山形浩生・訳 (1993.1) 人呼んで「神父」. 朝倉久志ほか・訳 『おぼえていないときもある』所収. pp.186-190. ペヨトル工房, 東京.


装幀 : ミルキィ・イソベ

------------------------------------------

さて、読んですぐわかるように、これは

2018年5月4日金曜日 BURROUGHS WITH MUSIC (46) SPARE ASS ANNIE AND OTHER TALES-その10
2018年5月5日土曜日 BURROUGHS WITH MUSIC (47) SPARE ASS ANNIE AND OTHER TALES-その11
2018年5月6日日曜日 BURROUGHS WITH MUSIC (48) The Junky's Christmas(映像版)

で紹介した

・William S. Burroughs (1989) The Junky's Christmas. IN : INTERZONE. Viking, NYC.
・ウィリアム・バロウズ・著, 諸岡敏行・訳 (1992.5) ジャンキーズ・クリスマス. ユリイカ, vol.24, no.5, pp.90-96.

とほぼ同じ話。登場人物や設定は少し変えてあるが。

------------------------------------------

The Junky's Christmasの方が完成度が高いので、おそらくThe "Priest" They Called Himが執筆は先で、それを元に翻案したのが、The Junky's Christmasということだろう。

救いが、あるのかないのかわからない、ジャンキー人情話だ。

------------------------------------------

The "Priest" They Called Himでは、主人公ははっきり死んだとわかるのだが、Burroughsはそれでは面白くないと思ったのだろう。The Junky's Christmasでは、わざとどうなったのかわからないようなendingにしてある。

街の描写やヤクがらみの描写は、The Junky's Christmasの方が細かく入念で、深みが増している。

------------------------------------------

朗読としてThe "Priest" They Called Himを選んだのは、BurroughsであろうかKurtであろうか?あるいはBurroughsの秘書James Grauerholz(本作のproducerでもある)か?

1992年といえば、並行してSPARE ASS ANNIE AND OTHER TALES [Island/Red Label] release 1993 の制作が行われていた頃。

もしかするとBurroughsの朗読は、その残り素材だった可能性もある。SPARE ASS ANNIE・・・でThe Junky's Christmasを使ったので、類似作品のThe "Priest" They Called Himがこっちに回ってきたとか・・・。

この辺の事情は、Grauerholzに回想録でも書いてもらわないとわからないところだな。

------------------------------------------

なかなかの怪作なのだが、なにせうるさいので、あんまり聴き返すことのない作品だ。

でもたまにすごく聴きたくなる。オレもKurt Cobainの亡霊にとりつかれたかな?

===========================================

(追記)@2019/02/12

なお、このThe "Priest" They Called Himには、自主制作のshort movieがある(白黒)。

・vimeo > The Priest They Called Him(uploaded in ca.2013 by Eliana Nava)
https://vimeo.com/54689316

小説執筆当時の習俗を再現する気もないし、The Priestも神父らしい格好もしていない若者だし、完成度は低い。

BackにはBurroughs+Kurt Cobainの音源を(おそらく無断で)そのまま使ってあるし、まあ、小説のイメージをつかむ入り口としてはいいかもしれない。

------------------------------------------

(追記)@2019/02/12

The "Priest" They Called Himは10分程度なので、Nirvanaのcompilation album(たいていはunofficialのやつ)にも入っているようです。

単発CDが見つからず困ってる人は、そっちから攻めてもいいだろう。

2019年2月10日日曜日

BURROUGHS WITH MUSIC (95) William S. Burroughs+Kurt Cobain/THE "PRIEST" THEY CALLED HIM-その2

引き続き

William S. Burroughs+Kurt Cobain/THE "PRIEST" THEY CALLED HIM [Tim Kerr] rec.1992, release 1993


Design and Layout : Steve Connell

James Grauerholz (prod), Thor Lindsay (exec prod)

1992/09/25, Lawrence (Kansas)
William S. Burroughs (vo)

1992/11/??, Seatle
Kurt Cobain (g)

01. The "Priest" They Called Him

------------------------------------------

中身は、短篇集EXTERMINATOR!(おぼえていないときもある)収録の短編The "Priest" They Called Him(人呼んで「神父」)がまるごと入っている。

------------------------------------------

"Fight tuberculosis, folks." Christmas Eve an old junkie selling Christmas seals on North Park Street, the "Priest" they called him. "Fight tuberculosis, folks."

People hurried by grey shadows on a distant wall It was getting late and no money to score he turned into a side street and the lake wind hit him like a knife. Cab stopped just ahead under a streetlight boy got out with a suitcase thin kid in prep school clothes familiar face the Priest told himself watching from the doorway reminds me of something a long time ago the boy there with his overcoat unbuttoned reaching into his pants pocket for the cab fare. The cab drove way and turned the corner. The boy went inside a building hummm yes maybe ; the suitcase was there in the doorway the boy nowhere in sight gone to get the keys most likely have to move fast. He picked up the suitcase and started for the corner made it glanced down at the case didn't look like the case the boy had or any boy would have the Priest couldn't put his finger on what was so old about the case, old and dirty poor quality leather and heavy better see what's inside he turned into Lincoln Park found an empty place and opened the case. Two severed human legs that belonged to a young man with dark skin shiny black leg hairs glittered in the dim street light. The legs had been forced into the case and he had to use his knee on the back of the case to shove them out. 

"Legs yet" he said and walked quickly away with the case  might bring a few dollars to score. 

The buyer sniffed suspiciously. "Kinda funny smell about it…is this Mexican leather?"

He shrugged.

"Well, some joker didn't cure it." The buyer looked at the case with cold disfavor. 

"Not even right sure he killed it whatever it is  three is the best I can do and it hurts but since this is Christmas and you're the Priest." $$$ he slipped three notes under the table into the Priest's dirty hand. 

The Priest faded into the street shadows seedy and furtive  three cents didn't buy a bag nothing less than a nickel  say remember that old auntie croaker told me not to come back unless I paid him the three cents I owe isn't that a fruit for you blow your stack about three lousy cents.

The doctor was not pleased to see him. "Now what do you want? I told you…" The Priest laid three bills on the table. The doctor put the money in his pocket and started to scream. "I've had toubles! The people have been around! I may lose my licence!" 

The Priest just sat there eyes old and heavy with years of junk on the doctor's face.

"I can't write you a prescription!" The doctor jerked open a drawer and slid an ampule across the table. "That's all I have in the office!" The doctor stood up. "Take it and get out!" he screamed hysterical. The Priest's expression did not change and the doctor added in quieter tones: "After all I'm a professional man and I shouldn't be bothered by people like you."

"Is that all you have for me? One lousy quarter g? Couldn't you lend me a nickel?" 

"Get out! Get out! I'll call the police I tell you!"

"All right doctor. I'm going now." 

Christ it was cold and far to walk rooming house a shabby street room on the top floor these stairs /cough/ the Priest there pulling himself up along the banister he went into the bathroom yellow wall panels toilet dripping and got his works from under the washbasin wrapped in brown paper back to his room get every drop in the dropper he rolled up his sleeve. Then he heard a groan from next door room 18 a Mexican kid lived there the Priest had passed him on the stairs and saw the kid was hooked but he never spoke because he didn't want any juvenile connections bad news in any language and the Priest had had enough bad news in his life heard the groan again a groan he could feel no mistaking that groan and what it meant. maybe he had an accident or something any case I can't enjoy my priestly medications with that sound coming through the wall thin walls you understand  the Priest put down his dropper cold hall and knocked on the door of room 18.

"Quién es?"

"It's the Preist, kid. I live next door." 

He could hear someone hobbling across the floor a bolt slid the boy stood there in his underwear shorts eyes black with pain. He started to fall. The Priest helped him over to the bed.

"What's wrong, son?" 

"It's my legs, señor…cramps…and now I am without medicine." 

The Priest could see the cramps like knots of wood there in the young lean legs dark shiny black leg hairs.

"Three years ago I have damaged myself in a bicycle race it was then that the cramps start and…" 

And he has the leg cramps back with compound junk interest. The old Priest stood there feeling the boy groan. He inclined his head as if in prayer went back and got his dropper. 

"It's just a quarter g kid." 

"I do not require much, señor."

The boy was sleeping when the Priest left room 18. He went back to his room and sat down on the bed. Then it hit him like heavy silent snow, all the grey junk yesterdays. He sat there received the immaculate fix and since he was himself a priest there was no need to call one.

from William S. Burroughs (1973) The "Priest" They Called Him. IN : EXTERMINATOR!. Viking, NYC.
赤字は朗読での改変)

------------------------------------------

句読点のない箇所が多く、読みにくいと思うが、それは原文がそうなのだ。

和訳は次回。

2019年2月8日金曜日

BURROUGHS WITH MUSIC (94) William S. Burroughs+Kurt Cobain/THE "PRIEST" THEY CALLED HIM-その1

もしかすると、Burroughsとmusicianの共演では、これが一番有名かもしれない。

でも、完成度は一番低い、という変わった作品。

------------------------------------------

William S. Burroughs+Kurt Cobain/THE "PRIEST" THEY CALLED HIM [Tim Kerr] rec.1992, release 1993


Design and Layout : Steve Connell

James Grauerholz (prod), Thor Lindsay (exec prod)

1992/09/25, Lawrence (Kansas)
William S. Burroughs (vo)

1992/11/??, Seatle
Kurt Cobain (g)

01. The "Priest" They Called Him

------------------------------------------

なんと、CDに10分弱の1曲だけが収録された珍品。

とは言え、Kurt Cobain作品というだけで興味をもつ人は多いので、意外によく見かける。レア物ではない。

------------------------------------------

言わずと知れたNirvanaのlead-vo、g、song-writerであるKurt Cobainが、たっての望みでBurroughsと共演。Kurtは大のBurroughsファンらしいのだ。

Nirvanaの歌詞にもBurroughsの影響が見て取れるらしいのだが、私はNirvanaには全く興味がないし、聴いたこともないので、その辺は全然知らない。

------------------------------------------

共演といっても、先にBurroughsの朗読を録音しておき、それにKurtがグチャグチャなguitar soloをかぶせただけ。

朗読の内容に合わせて、冒頭をはじめ、散発的にSilent Night(きよしこの夜)のmelodyがばら撒かれるが、曲の構成らしきものは存在しない。練習レベルだ。

はっきり言ってうるさいだけ。Burroughsの朗読を聴く邪魔でしかない。

Kurtの自己満足作品なのだが、Kurtはこの1年半後1994/04/05に27歳という若さで自殺してしまうので、長年の思いを遂げられて、冥土の土産としてはよかったのかもしれない。

Burroughsとしては、特に彼に思い入れはなさそうだが・・・。二人は会ったことはあるらしい。

では中身を聴いていこう。

2019年2月6日水曜日

BURROUGHS WITH MUSIC (93) Dub Spencer & Trance Hill/WILLIAM S. BURROUGHS IN DUB-その13終

Dub Spencer & Trance Hill/WILLIAM S. BURROUGHS IN DUB [Echo Beach] release 2014


Art Work : Ben Hito

に戻りましょう。

------------------------------------------

14. I Was Fooling Around with These Tapes in Hotels (Part 2)

from I Was Fooling Around with These Tapes in Hotels (rec. Early 1960's) IN : William S. Burroughs/NOTHING HERE NOW BUT THE RECORDINGS



also I Was Fooling Around with These Tapes in Hotels (rec. Early 1960's) IN : THE BEST OF WILLIAM BURROUGHS : CD4-19



------------------------------------------

07. I Was Fooling Around with These Tapes in Hotels 同様、Burroughsの朗読にまとまった内容はなく、断片的な音響コラージュ。

Dubの方も散発的に音を散らす前衛Dub。

===========================================

15. Summer Will (Nothing Here Now But the Recordings)

from Summer Will  (rec. Early 1960's) IN : William S. Burroughs/NOTHING HERE NOW BUT THE RECORDINGS

also Summer Will  (rec. Early 1960's) IN : THE BEST OF WILLIAM BURROUGHS : CD4-7

------------------------------------------

Burroughsの朗読は断片化され、素材として扱われている。Dubの合間に、効果音のように散らされているだけだ。

これも、もともとが音響コラージュなので、素材として使ってもそれは変わらず。

Dubの方は、もはやReggaeではなく、映画音楽のよう。わずかにguitarのcutrtingのみが、Raggaeの雰囲気を残しているのみ。

Endingとしては地味かもしれないが、欧州Dub Bandらしい重厚な音作りを披露だ。地が出た、と言ってもいいだろう。

===========================================

ようやく全15曲聴き終わったわけだが、Burroughs朗読作品として聴いても、Dubとしても一級品だ。欧州Dubらしく重厚な曲が多いのが特徴。

あと繰り返しになるが、rhythmがかっちりしすぎている感があり、ややもするとDubであることを忘れそうになる。

------------------------------------------

いずれにしても、これは名作!

あまり出回っていない作品だが、Burroughsファンなら、ちょっと無理してでも手に入れてほしい1枚。

------------------------------------------

というわけで、BURROUGHS IN DUBもようやく終わり。

多彩なmusiciansとBurroughsのコラボレーション。その紹介はまだまだ続く。

===========================================

(追記)@2019/04/15

最近ようやく気づいたんだが、「Summer Will」は、実は「(Ian)Sommerville」のようだ。

2019年2月3日日曜日

BURROUGHS WITH MUSIC (92) Dubblestandart/MARIJUANA DREAMS-その2

引き続き

Dubblestandart/MARIJUANA DREAMS [Collision : Cause of Chapter 3] release 2010


Cover Art Work : D:NORM

------------------------------------------

William S. Burroughs (vo), Dubblestandart (music)
06. The Saints Go Marchin' through All the Popular Tunes 

from The Saints Go Marching through All the Popular Tunes (rec. Early 1960's) IN : William S. Burroughs/NOTHING HERE NOW BUT THE RECORDINGS

also The Saints Go Marching through All the Popular Tunes (rec. Early 1960's) IN : THE BEST OF WILLIAM BURROUGHS : CD4-06

------------------------------------------

Burroughsの朗読は、sound collage作品であるNOTHING HERE NOW BUT THE RECORDINGSから。

元ネタがsound collage的な作品なので、dubに乗せて散らすには最適。バラバラにされても元ネタの魅力が損なわれることも全くない。

------------------------------------------

ここで引用する『THE TICKET THAT EXPLODED(爆発した切符)』および『NOVA EXPRESS(ノヴァ急報)』の版は以下の通り。

・William S. Burroughs (1987) THE TICKET THAT EXPLODED. 217pp. Grove Weidenfeld, New York.
← 初出 : (1962) Olympia Press, Paris.
・William S. Burroughs (2014) NOVA EXPRESS (Penguin Modern Classics). lv+254pp. Penguin Books, London.
← 初出 : (1964) Grove Press, NYC.

------------------------------------------

The saints go marching through all the popular tunes waiting for the sunrise in cosmic laughter of cable cars -- the Sheik of Araby in constant motion -- Blue moon -- Margie -- ice cream on my knees -- Love floating in perilous tracks --

from THE TICKET THAT EXPLODED, p.47.

------------------------------------------

Nothing here now but the recordings may not refuse vision in setting forth -- Silence -- Don't < -- omitted -- >

from NOVA EXPRESS, p.190.

------------------------------------------

'Twas good bye on the line of Bradly’s naked body -- love skin on a bicycle built for two -- like a deflated balloon -- Your cool hands on his naked dollars, baby --

from THE TICKET THAT EXPLODED, p.48.

------------------------------------------

Your summons < -- omitted -- > Melted into air.

from NOVA EXPRESS, p.187.
赤字は修正@2019/03/24)

------------------------------------------

In the desert. The driver shrugged. Such people remain in Paris 1961. Mr. Bradly Mr. Martin. That were his shadow. Muttering the time had come for him to forbear. My blood whom I created. You are your.

Cut-ups from THE TICKET THAT EXPLODED, p.123/NOVA EXPRESS, pp.82, 27 & others

------------------------------------------

I had a dog his name was Bill < -- omitted -- > -- Tearing his insides apart -- Need a helping hand? --

from THE TICKET THAT EXPLODED, p.45.

------------------------------------------

Written on the door pure information. Fuck off Mr. Faubus. Give you identity here. Orgasm knife in the heart. Little lazy light in suburbs without a shadow.

Cut-ups from THE TICKET THAT EXPLODED, pp.65, 66 & others

------------------------------------------

You've missed all. Read to by a boy. Five times of dust we made it all. The boatman smiles. Such form went to lead bending in knee. Demo on April is the last selection of the top of pain.   

Cut-ups from THE TICKET THAT EXPLODED, pp.65, 66, 98, 67 & others

------------------------------------------

Five times without names, we are not here for fun. We are sensing shifting reality as you know logical tree in the air. 

Cut-ups from THE TICKET THAT EXPLODED, pp.92, 82/NOVA EXPRESS, p.65 & others

------------------------------------------

He leads myself to other side of human dreams.

出典不明

------------------------------------------

No shelter – a handful of dust falling in a hampering ash tray. Poison, sun, dead and cash be here who moves it. 

Cut-ups from THE TICKET THAT EXPLODED, p.60 & others

------------------------------------------

参考:
・INDIANA UNIVERSITY : School of Informatics, Computing, and Engineering > People > R > Luis M Rocha > Luis Rocha's Cybercorner > Santosh Manicka and Luis Rochai/I485/H400 : Biologically Inspired Computing > lab 1: measuring (uncertainty-based) information / the exercises / 2. Calculate letter-entropy of a piece of text > Full text of "W.S. Burroughs" The Ticket That Exploded(Last Modified: January 27, 2015)
https://www.informatics.indiana.edu/rocha/academics/i-bic/lab1/TheTicketThatExploded.txt

------------------------------------------

若干生真面目すぎるところはあるが、なかなかいい前衛Dubだ。Rhythmがゆったりした正統派Reggaeになっている。Melodicaが効果的。

何箇所かで歌い出すBurroughsも貴重だw。

------------------------------------------

2019年1月23日水曜日 BURROUGHS WITH MUSIC (89) Dub Spencer & Trance Hill/WILLIAM S. BURROUGHS IN DUB-その12
2019年1月26日土曜日 BURROUGHS WITH MUSIC (90) Dub Spencer & Trance Hill/RIDING STRANGE HORSES

で紹介した通り、

The Saints Go Marching through All the Popular Tunesは、

Dub Spencer & Trance Hill/RIDING STRANGE HORSES [Echo Beach] release 2010
Dub Spencer & Trance Hill/WILLIAM S. BURROUGHS IN DUB [Echo Beach] release 2014

でも似たような形で取り上げられている。そっちはかなりRock的で凝った仕上げになっていたが、Dubblestandartの方は伝統的なRaggae Dubですね。

初出の発表は、2つとも同じ頃だ。どっちが先なんだろう?

------------------------------------------

Dubblestandartの方がオーソドックスな作りなので、こっちの方が先のような気はするが、よくわかりませんね。

もしそうだとしても、狭い欧州Dub業界の仲間だろうし、DS&THが「おれたちもBurroughsやりたいんだけど、いいかな?」、Dubblestandart 「おお、いいよ。やれよ。楽しみだなあ」なんてやり取りがあったかもしれない。

------------------------------------------

Dubの世界にBurroughsを持ち込んだpioneerの作品なので、記憶しておきたい。

今後もDubにBurroughsを持ち込む連中は出てくるだろうな。DubとBurroughs朗読の相性がいいのは、このDubblestandartとDS&THでよくわかったよ。発見だった。

------------------------------------------

といったところで、Dub Spencer & Trance Hill/WILLIAM S. BURROUGHS IN DUB に戻ろう。あと1回で終わりだが。

2019年2月2日土曜日

BURROUGHS WITH MUSIC (91) Dubblestandart/MARIJUANA DREAMS-その1

William S. BurroughsのThe Saints Go Marching through All the Popular Tunesをremix/Dubのネタとして取り上げた、もう一つのDub Bandとは、Dubblestandart

Dubblestandartは1988年結成のドイツのDub Band。Dub Spencer & Trance Hill(DS&TH)よりはキャリアは長い。Lee "Scratch" Perry(LSP)のEurope Tourの際にはBack Bandを務める実力派らしい。

Echo Beachからもalbumを出しているし、狭い欧州Dub業界だ、DS&THとは当然知り合いだろう。

------------------------------------------

そのDubblestandart 10枚目のalbumが

Dubblestandart/MARIJUANA DREAMS [Collision : Cause of Chapter 3] release 2010


Cover Art Work : D:NORM

ca.2010, Vienna (Austria)+NYC+Kingston, Paul Zasky+Robbie Ost (prod)

Dubblestandart (Robbie Ost (kb, programming), Herbert Pirker (g), Paul Zasky (b, kb), Ali Tersch (ds, perc)) (music, comp, arr),  Lee Scratch Perry (vo), David Lynch (vo), William S. Burroughs (vo), Anthony B. (vo), Elephant Man (vo), Gudrun Liemberger=Gu Gabriel (vo), Trigga (vo)  (collectively)

01. Marijuana Dream (feat. Gu Gabriel & Trigga)
02. Dem Can't Stop We from Talk (feat. Anthony B.)
03. Vampire Informer (feat. Elephant Man)
04. They Become One
05. Build to Last Dub (feat. Gu Gabriel)
06. Saints Go Marchin' through All the Popular Tunes (feat. William S. Burroughs)
07. Some Will Be Dread (feat. Lee Scratch Perry)
08. Chase the Devil (feat. Lee Scratch Perry & Gu Gabriel)
09. Voodooism Dub (feat. Lee Scratch Perry)
10. Optimism Dub (feat. David Lynch & Lee Scratch Perry)
11. Vampire Informer (Dub)
12. Marijuana Dream (Dub)
13. Dem Can't Stop We from Talk (Dub)
14. Optimism Dubstep Refix Subatomic Soundsystem

------------------------------------------

LSPのツアー・バンドを務めているだけあって、LSPの音源が多用されている。旧作で共演したDavid Lynchの残り音源も利用。

ひと通り聴くと、欧州Dub Bandらしく、やっぱりrhythmがカッチリしすぎている気がする。Jamaican Dubのような揺らぎには欠けるよなあ。DS&THよりも、こっちの方が一層カッチリ感が強い。ややもするとRaggaeでなくなる曲もあるし。

------------------------------------------

Burroughsを取り上げた曲はこれ↓

William S. Burroughs (vo), Dubblestandart (music)
06. The Saints Go Marchin' through All the Popular Tunes 

from The Saints Go Marching through All the Popular Tunes (rec. Early 1960's) IN : William S. Burroughs/NOTHING HERE NOW BUT THE RECORDINGS



also The Saints Go Marching through All the Popular Tunes (rec. Early 1960's) IN : THE BEST OF WILLIAM BURROUGHS : CD4-06



------------------------------------------

DS&THと同じネタだ。これはどういうことだろう?

いろいろ詮索する前に、まずBurroughsの朗読を紹介しておこう。

ツヅク

2019年1月26日土曜日

BURROUGHS WITH MUSIC (90) Dub Spencer & Trance Hill/RIDING STRANGE HORSES

前回紹介した13. The Saints Go Marching through All the Popular Tunesの初出はこれ↓

Dub Spencer & Trance Hill/RIDING STRANGE HORSES [Echo Beach] release 2010


Artwork : Nico Liebetanz
(from Amazon.de)

2008/05~2009/06, Kriens(Swiss), Phillipp Greter (prod)
Dub Spencer & Trance Hill (Phillipp Greter (org, kb, melodica), Markus Meier (g, vo), Marcel Stalder (b), Julian Dillier (ds)), Stéphanie Scalbert (strings), Martha and the Muffins (vo), Grauzone (vo), Martin Eicher (vo), Ken Boothe (vo), William White (vo), Lee "Scratch" Perry (vo), The Catch (vo), John Savannah (vo), The Ruts (vo), Dave Ruffy (vo), Segs Jennings (vo), Lino Mandato (vo), Robin Scott (vo), William S. Burroughs (vo)  (collectively)

01. The Man with the Harmonica
02. London Calling
03. Echo Beach (feat. Martha and the Muffins)
04. Jeanny
05. Eisbar
06. When I Fall in Love (Dub Version)
07. Smoke on the Water (feat. William White)
08. 25 Years (feat.The Catch)
09. West One (Shine on Me) (feat. The Ruts)
10. Stop Bajon (Primavera) (feat. Lino Mandato)
11. Enter Sandman
12. Mama
13. Pop Muzik (feat. Robin Scott)
14. Blackboard Jungle (feat. Lee "Scratch" Perry)
15. The Saints Go Marching through All the Popular Tunes (feat. William S. Burroughs)
16. When I Fall in Love

------------------------------------------

これは、Dub Spencer & Trance Hill(DS&TH)の3枚目のalbum。いろんな有名曲をremixしてDubに乗せたproject。

このうちThe Clashのremixが評判となり、4枚目のalbum、The Clashのremix/Dub作品

Dub Spencer & Trance Hill/THE CLASHIFICATION OF DUB [Echo Beach] release 2011


(from Amazon.co.jp)

に発展した。これもヒット。

------------------------------------------

これを味をしめたDS&THの連中は、同様にBurroughs生誕百周年の2014年に、

Dub Spencer & Trance Hill/WILLIAM S. BURROUGHS IN DUB [Echo Beach] release 2014


Art Work : Ben Hito

をリリース。そこにRIDING STRANGE HORSES15. The Saints Go Marching through All the Popular Tunes も再録したのであった。

最初から、ずいぶんと難しい素材に取り組んだものだ。感心する。

------------------------------------------

The Saints Go Marching through All the Popular Tunes
のDub tuneは、これだけでは終わらない。

実は2010年には、remix/Dubのネタとして、The Saints Go Marching through All the Popular Tunes を取り上げたbandがもう一つあった。

それがDubblestandart。やはり欧州のDub Bandだ。どうなってんの?次回はこれも紹介してみよう。

2019年1月23日水曜日

BURROUGHS WITH MUSIC (89) Dub Spencer & Trance Hill/WILLIAM S. BURROUGHS IN DUB-その12

引き続き

Dub Spencer & Trance Hill/WILLIAM S. BURROUGHS IN DUB [Echo Beach] release 2014


Art Work : Ben Hito

------------------------------------------

13. The Saints Go Marching through All the Popular Tunes (Nothing Here Now But the Recordings)

from The Saints Go Marching through All the Popular Tunes (rec. Early 1960's) IN : William S. Burroughs/NOTHING HERE NOW BUT THE RECORDINGS



also The Saints Go Marching through All the Popular Tunes (rec. Early 1960's) IN : THE BEST OF WILLIAM BURROUGHS : CD4-06



------------------------------------------

『THE TICKET THAT EXPLODED(爆発した切符)』および『NOVA EXPRESS/ノヴァ急報』からのcut-up。

------------------------------------------

ここで引用する『THE TICKET THAT EXPLODED(爆発した切符)』および『NOVA EXPRESS(ノヴァ急報)』の版は以下の通り。

・William S. Burroughs (1987) THE TICKET THAT EXPLODED. 217pp. Grove Weidenfeld, New York.
← 初出 : (1962) Olympia Press, Paris.



・William S. Burroughs (2014) NOVA EXPRESS (Penguin Modern Classics). lv+254pp. Penguin Books, London.
← 初出 : (1964) Grove Press, NYC.



------------------------------------------

The saints go marching through all the popular tunes -- < -- omitted -- > in cosmic laughter of cable cars -- the Sheik of Araby in constant motion -- Blue moon -- Margie -- ice cream on my knees -- Love floating in perilous tracks --

from THE TICKET THAT EXPLODED, p.47.

------------------------------------------

Nothing here now but the recordings may not refuse vision in setting forth -- Silence -- Don't < -- omitted -- >

from NOVA EXPRESS, p.190.

------------------------------------------

'Twas good bye on the line of Bradly’s naked body -- love skin on a bicycle built for two -- like a deflated balloon -- Your cool hands on his naked dollars, baby --

from THE TICKET THAT EXPLODED, p.48.

------------------------------------------

Who is speaking? Vaudeville voices. Crackling paper withour names went out in green electric shock. Dream and the dreamer is lying. Let's see who is there in galaxy. We intersect on. No more.

Cut-ups from THE TICKET THAT EXPLODED, pp.92, 67,65 & others
(緑字は再修正@2019/01/26)

------------------------------------------

Your summons -- Melted into air --

from NOVA EXPRESS, p.187.
赤字は修正@2019/03/24)

------------------------------------------

The driver shrugged. Such people remain in Paris 1961. Mr. Bradly Mr. Martin. That were his shadow. My blood whom I created

Cut-ups from THE TICKET THAT EXPLODED, p.123/NOVA EXPRESS, pp.82, 27 & others
(緑字は再修正@2019/01/26)

------------------------------------------

Tearing his insides apart -- < -- omitted -- > -- understanding out of date – Find someone else at this time of day? It's a long way to go. < -- omitted -- > Someone walking -- won't be two.

from THE TICKET THAT EXPLODED, pp.45, 47
(緑字は再修正@2019/01/26)

------------------------------------------

Written on the door pure information. Fuck off Mr. Faubus. Give you identity here. Orgasm knife in the heart.

Cut-ups from THE TICKET THAT EXPLODED, pp.65, 66 & others
(緑字は再修正@2019/01/26)

------------------------------------------

You've missed all. Read to by a boy. Five times of dust we made it all. The boatman smiles. Such form went to lead bending in knee. Demo on April is the last selection of the top of pain.   

Cut-ups from THE TICKET THAT EXPLODED, pp.65, 66, 98, 67 & others
(緑字は再修正@2019/01/26)

------------------------------------------

Five times without names, we are not here for fun. We are sensing shifting reality as you know logical tree in the air. 

Cut-ups from THE TICKET THAT EXPLODED, pp.92, 82/NOVA EXPRESS, p.65 & others
(緑字は再修正@2019/01/26)

------------------------------------------

He leads myself to other side of human dreams.

出典不明
(緑字は再修正@2019/01/26)

------------------------------------------

No shelter – a handful of dust falling in a hampering ash tray. Poison, sun, dead and cash be here who moves it. 

Cut-ups from THE TICKET THAT EXPLODED, p.60 & others
(緑字は再修正@2019/01/26)

------------------------------------------

Silence

from NOVA EXPRESS, p.190.

------------------------------------------

Who is speaking? Vaudeville voices. < -- omitted -- > Let's see who is there in galaxy. We intersect on. No more.

Cut-ups from THE TICKET THAT EXPLODED, pp.92, 67, 65 & others
(緑字は再修正@2019/01/26)

------------------------------------------

ほとんどがcut-upでできた文章。

THE TICKET THAT EXPLODED(爆発した切符)からのcut-upが多い。その作品はそもそもがcut-upでできているので、それをcut-upしたらますます訳がわからない。

というより、元版ですでにentropyが充分大きいので、それをcut-upしてもentropyに変化はあまりない、といったところか。

------------------------------------------

Dubの方は後半に動き出すが、ds & bassのbeatsもguitarのcuttingも、もうサイコーにカッコイイ。

実は、DS&THがBurroughs朗読のremix+Dubに手を出したのは、この曲が最初。2010年、別アルバムでのこと。つまりこれは再録なのだ。

次回は少し寄り道して、その辺の事情など。

===========================================

(追記)@2019/01/24

一部朗読内容を修正した。

参考:
・YouSubtitles.com > William S Burroughs - Nothing Here Now But The Recordings FULL ALBUM with English subtitles (as of 2019/01/23)
http://www.yousubtitles.com/William-S-Burroughs-Nothing-Here-Now-But-The-Recordings-FULL-ALBUM-id-1204129

===========================================

(追記)@2019/01/26

一部朗読内容を再修正した。

上記サイトを参考にした修正を全部ボツにした。全く当てにならないことがわかったから。これなら自分の聞き取りの方がマシ。

だいぶTHE TICKET THAT EXPLODEDの中から回収できた。

参考:
・INDIANA UNIVERSITY : School of Informatics, Computing, and Engineering > People > R > Luis M Rocha > Luis Rocha's Cybercorner > Santosh Manicka and Luis Rochai/I485/H400 : Biologically Inspired Computing > lab 1: measuring (uncertainty-based) information / the exercises / 2. Calculate letter-entropy of a piece of text > Full text of "W.S. Burroughs" The Ticket That Exploded(Last Modified: January 27, 2015)
https://www.informatics.indiana.edu/rocha/academics/i-bic/lab1/TheTicketThatExploded.txt