2017年9月11日月曜日

Sam Amidon with Milford Graves/THE FOLLOWING MOUNTAIN

Milford Graves & Bill Laswell/SPACE / TIME・REDEMPTION [TUM] rec.2013, pub.2014

以来のMilford Gravesの録音です。

といっても、今やYouTubeにMilfordのライブも大量に出回っているので、それほど「待望」という感じはしないのだが、しかしやはり音盤の形になったものは格別だ。

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Sam Amidon/THE FOLLOWING MOUNTAIN [WEA International/Nonesuch] rec.2016, pub.2017


Drawing : Sam Amidon, Design & Painting : Ben Tousley

2016/04, NYC & London

SA (g, vo), Chris Vatalaro (ds, perc, p)
01. Fortune

SA (vln, vo), Milford Garves (ds), Leo Abrahams (drum-processing)
02. Ghosts

Sam Gendel (sax-breathing), LA (kb, syn-b, prog), SA (g, vln, vo), Shahzad Ismaily (b, perc), CV (ds), Juma Sultan (perc),
03. Juma Mountain

SA (g, vln, vo), LA (kb), SI (beat-prog, g), CV (ds)
04. Another Story Told

SG (as), SA (g, vo), LA (b, kb), CV (ds, fl)
05. Gendel in 5

SA (bjo, vo), LA (acc, kb), CV (ds)
06. Blackbird

SA (g, vln), LA (kb, drum-loop, drum-prog), SI (b, org), CV (ds)
07. Trouble in Mind

SG (as), SA (g, vo), LA (kb, b, drum-prog), SI (b), MG (ds), CV (ds)
08. Warren

SG (as), SA (g, bjo, vln, vo), SI (b, kb), MG (ds)
09. April (feat. Milford Graves)

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今回は、なんとFolk/Tradのミュージシャンのアルバムに客演。

Milford Graves(1941~)は1960年代にFree Jazzで活躍し、1970年代になるとJazzの世界からは一歩引き、Free Improvisation界の住人となる。

とにかく比類のない強力なドラミングが特長。太刀打ちできるdrummerは世界にいない。

参考:

・Wikipedia (English) > Milford Graves (This page was last edited on 29 May 2017, at 19:46)
https://en.wikipedia.org/wiki/Milford_Graves
・DRUMMERWORLD > Drummers > Contemporary and World Music Solo Projects & Classic > Milford Graves (as of 2017/09/11)
http://www.drummerworld.com/drummers/Milford_Graves.html

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Sam Amidon(1981~)という人は、今回はじめて知ったのだが、親子二代に渡るTrad/Folk Singer & Song Writer。USA Vermont州出身。

参考:

・SAM AMIDON (as of 2017/09/11)
http://www.samamidon.com/
・Wikipedia (English) > Sam Amidon (This page was last edited on 30 August 2017, at 07:57)
https://en.wikipedia.org/wiki/Sam_Amidon

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さて、このアルバム、Sam Amidonの今回のProject TeamであるSam Gendel(aka INGA)(as)、Leo Abrahams (kb, prog)、Shahzad Ismaily (b)、Chris Vatalaro (ds)による演奏が中心。

Folk/Tradと云っても、古臭さは全く感じない。synthesizer、sampling、drum-loop、多重録音も存分に駆使したとてもprogressiveな音楽だ。

このメンバーにゲストとして、03でJuma Sultan(Jimi Hendrixとの共演で有名なpercussionist)、02、08、09でMilford Gravesが加わる。

ほとんどの曲ではSamのvocalが入るのだが、07のようにインスト・オンリーの曲もある。Vocal入りの曲でもアドリブ・パートにかなり時間を割いている。即興要素が強い演奏だ。

Carla Bley、Charlie Haden、Gary Burton、Pat Metheny、Bill Friselあたり(この辺勝手にCountry Jazz/Folk Jazzと呼んでいるが・・・)が好きな人なら、きっと相性がいいはずだ。

事実、Bill Friselとは前作で共演しているらしい。

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いくら即興性の強い演奏であったとしても、まさか全くジャンルが異なるMilfdordを呼んでくるとは大胆だ。Milfordは一部では「即興音楽界の魔王」とまで言われてるんだぞ。

Liner Notesによると、Samが2000年頃Milfordのレクチャーに参加したのがきっかけで、長年共演を考えていたらしい。

20016年4月、MilfordをBlooklynのスタジオに呼び、約1時間のセッション。全くのfree improvisation。Folkなのに・・・。

そのうちの最後の12分間が09. April として収録されている。Folkで12分のfree improvisation・・・。想像を絶する世界だ。

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Milfordのdrummingはいつもと全く変わりなし。手加減も一切なし。ただしmixingは小さめにしてある。

かと言ってそれが不満では全くない。

Milfordのdrummingはあまりに強力すぎるのだ。まともにmixingしたら、周囲の音を食ってしまい、全体の音楽性を破壊してしまうのだ。

Anthony Braxton – Milford Graves – William Parker/BEYOND QUANTUM [Tzadik] pub.2008

も、Milfordの音をかなり控えめにmixすることで、3人の実力がバランスよく表現されたfree improvisationの傑作となっていた。

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Samらの即興の実力は、Milfordには及ぶべくもないが、かなり頑張っている。

音数、手数、音圧では到底かなわないので、後半はMilfordのdrummingに乗って、メロディとアンサンブルを即興で作る方向に路線変更。これがなかなかよかった。

さすがのMilfordも聞き入るかのようにdrummingをやめ、しばらくして徐々にdrummingを再開。この部分では「ま、もう充分やったから、ここからは若い衆の顔を立ててやるか」とばかりに、逆にメロディに乗っかったようなdrummingで応戦し、そのまま静かに終わる。

いやあ、堪能したよ。Milfordのdrummingも、Samたちの即興も。かなりの名演だと思う。

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Milfordの参加曲は他に2曲あるが、どうもこの時の演奏をsampling、remixして使ってあるようだ。そんなこと、よくMilfordが許したなあ。

02. Ghostsでは、Milfordの音を極端に大きくmixingしてる。実音はこんな感じだ(私は一度だけ生音を聞いたことがある)。remixしてあるので、Milfordがある程度ちゃんと定常リズムを刻んでいるように聞こえる。

いやあ、Milfordの音をremixして使うというのは、目からウロコだった。

今後、Hip Hop方面でもMilfordの音をsampling、remixして使う連中が出てきそう。

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08. Warrenでは、Milfordの音はどう使われているのかよくわからない。リムを叩いているらしいdrumはMilfordではなく、Vatalaroだと思う。

Milford抜きだとしても、Samのスキャットがとても美しい曲だ。Joaõ Gilberto並。

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Milfordももう76歳。今回の録音やYouTubeにアップされている最近の演奏を聴いても、衰えは全く感じないので、当分元気に演奏を続けてくれることと思うが、あと何十年も続くということはないだろう。とにかくたくさん録音を残してほしい。

今回のように異ジャンルとの共演というのは意外だったが、かなり面白いので、今後も続けてほしい。Milfordの周りには、異種格闘技の天才仕掛け人たち、John Zorn、Bill Laswellがいるのだし。

ますますMilford Gravesの活動に期待させてくれる異色の一枚でした。

2017年9月4日月曜日

追悼 Walter Becker

前回

> 大丈夫かな、Becker。本書にある2016年のステージの写真でも、太りに太って真っ赤な顔してた。高血圧が心配。もう67歳だしなあ。

なんて書いたら、ほんとに亡くなってしまいました・・・。残念。Steely Danとして、あと何枚か作ってほしかった・・・。

ご冥福をお祈りいたします。

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今日は、Beckerのソロ作品

Walter Becker/11 TRACKS OF WHACK [Giant] pub.1994


Art Direction : Mick Haggerty

を聴こう。Steely DanやFagenの諸作に比べると、あまり聴いてない作品だけど・・・。

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ProduceはBeckerとFagenだ。FagenのKAMAKIRIADをBeckerがProduceした返礼といえようか。この2枚を合わせて、Steely Dan再結成の序曲となる。

このアルバムから、Steely Dan復活後のライブ盤ALIVE IN AMERICAでは、Beckerのソロ曲Book of Liarsが披露されている。

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・NME JAPAN > NEWS > 2017.9.4 月曜日 スティーリー・ダンのウォルター・ベッカーが逝去。ドナルド・フェイゲンの追悼文の全文訳を掲載
http://nme-jp.com/news/42816/

Fegenの追悼文は淡々としているようだけど、悲しみは充分伝わってくる。本当に親しい友人が亡くなった時は、こんなもんだ。

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Fagenがソロ作THE NIGHTFLYを出した時、「Steely Dan時代のテイストとそのまま」と感じた人が多かったようで、「BeckerはSteely Danで一体何やってたんだ?」という人までいた。

確かにSteely Danというバンドは、Fagenの才能が占める割合が高かったのは事実だが、じっくり聴いてみるとやはりBeckerが関わらないFagenソロ作とSteely Danは微妙に違う。

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Beckerが関わっていないTHE NIGHTFLYやMORPH THE CATは、もちろんSteely Danと非常に近い(ほぼそのもの)テイストなのは間違いないんだが、ややパンチが足りない、と言えないこともない。聞き流すと、わりにすんなり流れて行ってしまう。

それが、Beckerが関わったKAMAKIRIADや復活Steely Danの3作では、メリハリのきいたサウンドになっている。

Beckerと組まなかったら、メロディとハーモニーの人であるFagenは、Rockではなく、映画音楽方面に行っていたかもしれない。Stringsなんか使ったやつ・・・。

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何度も紹介している

MARIAN McPARTLAND'S PIANO JAZZ WITH GUEST STEELY DAN [Concord / The Jazz Alliance] rec.2002, pub.2005

では、Fagen (p,vo)+Becker (g)+b+dsという編成だった。このようなミニマム編成では、「録音芸術」とも称されるSteely Danの音楽を再現するのはなかなか難しかったのだが、それがBeckerのg-soloになると、がぜんSteely Danの音楽が聞こえてくるのだ。

そこではじめてBeckerの重要性に気づいたのだが、それ以降は上で書いたように、Steely DanでのBeckerの役割がだいぶわかるようになったのだった。

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Donald Fagen/KAMAKIRIAD [WEA International/Reprise] pub.1993


Design : Carol Bobolts+Red Herring

Steely Dan/Donald Fagenの諸作の中では、THE NIGHTFLYを別格として、その次によく聴くのはこのアルバムだ(そういう人は珍しいかも・・・)。Beckerの色もよく出ている名盤だと思う。

ここから、BeckerとFagen共作の名曲Snowboundを聴いてほしい。Fagen一人では作り得ない世界だと思う。

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まさに名コンビでした。あらためてご冥福をお祈りします。

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(追記)@2017/09/09

本家blog stod phyogs

stod phyogs > 2017年9月9日土曜日 故Walter BeckerとHawaiiのチベット仏教

というのを書きました。

これは Walter Becker/11 TRACKS OF WHACK の3曲め、Surf and/or Die に出てくるチベット仏教の読経について書いたものです。こちらもどうぞ。

2017年9月2日土曜日

THE DIG SPECIAL EDITION 「STEELY DAN」

また出たよ。今度はSteely Danの総集編だ。

・大山哲司・編 (2017.9) 『STEELY DAN』(SHINKO MUSIC MOOK : THE DIG Special Edition). 223pp. シンコーミュージック・エンタテイメント, 東京.


デザイン : 村松丈彦

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今度来るのはDonald Fagen単独なんだが、どうしてSteely Danの特集なんだろう?

もしかすると、本書の企画段階では「Walter Beckerも来る?」という噂があったのかもしれない。「じゃ実質Steely Danじゃん」ってことで「Steely Dan総集編」としてバクチを打ったのかもしれない。

事実、本書によると、2017/07/29には、NYCでSteely Danのステージがあったのだ。残念ながらWalter Beckerは病欠。

大丈夫かな、Becker。本書にある2016年のステージの写真でも、太りに太って真っ赤な顔してた。高血圧が心配。もう67歳だしなあ。

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はい、詳細目次。

DF=Donald Fagen、WB=Walter Becker、SD=Steely Dan。

001-001 表紙
002-002 広告 JVCケンウッド
003-003 グラビア(SD 1974)
004-005 目次
006-016 グラビア(SD+DF+WB 1972~2017)

017-035 大山哲司/スティーリー・ダン・ヒストリー①:1972-1980 二人が紡いできたサウンドは半世紀を経てもなお色褪せない
036-0036 グラビア(DF+WB 1975)

037-041 DF+WB・談, トビー・ゴールドスタイン・インタヴュー/ステージにレコーディングにと意欲満々、31歳フェイゲン&29歳ベッカー同席インタビュー(再録インタビュー:『ジャム』1979年6月号より)

042-042 グラビア(DF+WB 1994?)
043-043 広瀬融/一つの身体、二つの頭脳 フェイゲン/ベッカー、個別インタヴュー
044-044 グラビア(WB 1994?)
045-051 WB・談, 広瀬融・インタヴュー, 仲村美夏・通訳/ウォルター・インタヴュー 80年から93年までは、成長するために必要な時間だったんだ(再録インタヴュー:『ディグ』No.5 1995年2/3月号)
052-052 グラビア(DF 1994?)
053-059 DF・談, 広瀬融・インタヴュー, 川原真理子・通訳/ドナルド・フェイゲン・インタヴュー 録音していなかっただけで、曲は一緒に書いていたんだ(再録インタヴュー:『ディグ』No.5 1995年2/3月号)
060-064 広告 シンコーミュージック・エンタテイメント

065-083 Steely Dan original album discography
(066-067 石井達也/Can't Buy A Thrill)
(068-069 石井達也/Countdown To Ecstasy)
(070-071 石井達也/Pretzel Logic)
(072-073 石井達也/Katy Lied)
(074-075 石井達也/The Royal Scam)
(076-077 石井達也/Aja)
(078-079 石井達也/Gaucho)
(080-083 広瀬融/Ctizen Steely Dan 1972-1980)

084-085 大山哲司/スティーリー・ダンを作った男、ゲイリー・カッツが語る スティーリー・ダンの真実
086-095 ゲイリー・カッツ・談, 藤井美保・インタヴュー/ゲイリー・カッツ最新インタヴュー(2017年7月) 彼らと作ったすべての作品が今でもいい音であることを誇りに思ってる
096-099 祐天寺浩美/スティーリー・ダンと仲間たち スティーリー・ダンを支えたベーシスト
100-103 小宮勝昭/スティーリー・ダンと仲間たち スティーリー・ダンを支えたドラマー
104-111大山哲司/スティーリー・ダンと仲間たち その他のプレイヤー

112-114 北川照明/レコーディング・エンジニアがサウンドの秘密に迫る 『彩(エイジャ)』はなぜ音が良いのか
115-121 大山哲司・取材+文, 井上鑑+北川照明+高田三郎・談/スティーリー・ダンをどのメディアで聴く?
122-129 斉藤修/独特のサウンドの秘密をアナライズ スティーリー・ダンの作り方
130-133 斉藤修/アコースティック・ピアノ、エレピ、オルガン・・・・・・ フェイゲンに愛された楽器たち
134-139 成瀬正樹/プレイ・スタイルと使用機材を徹底チェック ウォルター・ベッカーのギター・ワールド
140-143 川原真理子/難解と言われる歌詞の楽しみ方 スティーリー・ダンの歌詞の世界

144-150 大山哲司/スティーリー・ダン・ヒストリー②:1993-PRESENT 休業期のソロ作制作を経て、ライブ・バンドとしての大復活!
151-151 グラビア(DF 2016)
152-153 広瀬融/Alive In America
154-155 広瀬融/Two Against Nature
156-157 広瀬融/Everything Must Go
158-161 大山哲司/スティーリー・ダンのオリジナル・アルバム未収録音源
162-162 グラビア(DF+WB 1999?)
163-167 DF+WB・談, 佐藤英輔・インタヴュー, 村上ひさし・通訳/ポップ・ミュージックの摂理に立ち向かう二人 『トゥ・アゲインスト・ネイチャー』完成(再録インタヴュー:『ザ・ディグNo.20』2000年春号より)
168-168 グラビア(DF+WB 2000)
169-173 バーニー・ホスキンス・文, 田村亜紀・翻訳/若さ故のナルシシズムを捨て、立ちふさがる壁を乗り越えて来た(再録インタビュー:『ザ・ディグNo.20』2000年春号より)

174-175 大山哲司/コラム1 『ナイトフライ』ジャケに写るレコードは
176-177 高田三郎/コラム2 ドナルド・フェイゲンは歌が上手いのか?
178-179 大山哲司/コラム3 四人目のスティーリー・ダン、ロジャー・ニコルズ
180-181 大山哲司/コラム4 度重なるレコーディング時のトラブル
182-184 小林雅明/コラム5 スティーリー・ダンはサンプリングに厳しい?
185-185 広告 シンコーミュージック・エンタテイメント

186-186 グラビア(DF unknown year)
187-191 佐藤英輔/ソロ・アーティストとしてのドナルド・フェイゲン ぱっと見、気難しそうな偏屈親父。だが、音楽に真摯な姿勢は、作品から溢れ出す
192-193 佐藤英輔/The Nightfly
194-195 佐藤英輔/Kamakiriad
196-197 佐藤英輔/Morph The Cat
198-199 佐藤英輔/Sunken Condos
200-201 武田昭彦/ドナルド・フェイゲンのオリジナル・アルバム未収録音源
202-207 クジヒロコ・談, 大山哲司・インタヴュー/クジヒロコ 同じ"鍵盤弾き"目線で聴くフェイゲンとその音楽

208-208 グラビア(WB unknown year)
209-211 武田昭彦/ソロ・アーティストとしてのウォルター・ベッカー 全体を見渡す立場から、自分が主人公へ。演奏だけでなく、ソロでは歌も。
212-213 武田昭彦/11 Tracks Of Whack
214-215 武田昭彦/Circus Money

216-221 大山哲司/ライブ・バンドとしてのスティーリー・ダン 仕事場はスタジオからステージへ
222-223 スティーリー・ダン/ドナルド・フェイゲン/ウォルター・ベッカー オリジナル・アルバル参加ミュージシャン一覧

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全体にロック畑からの視点で構成されている。

前回紹介したレコード・コレクターズのフェイゲン特集が、ブラック・ミュージック(Jazz+R&B)やリスナー視点を強く感じる内容だったのとはかなり印象が違う。自分はレココレのほうが肌に合うかな。

私は初期Steely Danをあまり聴いていないし、知識もないので、そのあたりの記事が充実しているのが助かった。

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いろんな時代でのインタビュー再録が多いのが特色。この二人、すごくおもしろいな、毎度ながら。

ただし、やっぱりロック畑からの切り口が多く、

2016年5月3日火曜日 音盤テルトン(12) Marian McPartland's PIANO JAZZ : STEELY DAN

のように、二人のJazz~R&Bルーツに迫る形になっていないのが物足りなかった。

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そういえばこの

MARIAN McPARTLAND'S PIANO JAZZ WITH GUEST STEELY DAN [Concord / The Jazz Alliance] rec.2002, pub.2005

が全く取り上げられていないのも不思議。Steely Dan名義なのに。

Jazzアルバムという扱いなので、このMookの編者・著者の視界に、そもそも入っていないのかもしれない。

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このMook、たぶん発行部数かなり少ないぞ。大きな本屋でも1冊しかなかった。

本屋に急げ!あるいは、本屋よりもCDショップのほうが遭遇率が高いかもしれない。

まあ増刷されるような気はするけど、早めに入手するに越したことはない。