stod phyogs 2014年7月26日土曜日 音盤テルトン(3) Old Wine in A New Bottle-その1
からの移籍です。日付は初出と同じです。
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チベットものを期待している方にはすいません。まあそんな方もほとんどいないんですが。
そういうわけで、今のうちはなんぼでも書けるJazzもののストックを置いておきます。
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今回は、
Monty Alexander/MONTY MEETS SLY AND ROBBIE [Telarc]
1999/08 & 12, Conshohocken, PE
「Monty AlexanderとSly & Robbie?なにそれ?」と思う人がほとんどでしょうが、これがなかなかの拾い物なのです。
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Monty Alexanderといえば、誰もが知っているのは
Monty Alexander/MONTREUX ALEXANDER [MPS] (1976)
http://www.amazon.co.jp/Montreux-Alexander-Monty/dp/B000VAH9XK
というか、自分はほとんどそれしか聴いたことがない(ファンの人申し訳ない)。
これは1976年のMontreux Jazz Festival(Jazzという頭はまだついているのかな?)でのライブ盤。John Clayton (b), Jeff Hamilton (ds)の名コンビを従えた名盤です。
とはいえ、ポップスのヒット曲Feelings(注1)なんかやっているせいで嫌う人も多い。
音盤も有名だけど、映像もまた素晴らしい。LP/CDとは収録曲がかなり違っていて、音盤には収録されていないMontevideoがすさまじい。バカテク・モンティの面目躍如でしょう(注2)。
そのかわりBen(映画「ベン」のテーマ、えー、これは言わずと知れたMichael Jacksonのヒット曲)なんかも収録されていて、ますます嫌う人もいるでしょうね。
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とにかくノリノリのバカテクで、同じJamaica系ということもあり、Wynton Kellyの後継者?的な見方をしていたこともあります。
しかし、自分的にはその後あまり聴く機会もなく、興味の彼方に去ってしまいましたが、どことなく気になる人ではありました。
長らくMPSで録音し続け、その後主にConcordで活躍。しかしその辺もほとんど聴いたことない。スマン。
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この音盤は、とある中古屋で見かけたもので、買おうか買うまいかかなり迷ったのですが、Sly & Robbieとのコラボという異常さに惹かれて購入。
こういう異種格闘技もの好きなんですよ。なにせ、Hal Willner、Bill Laswell、Kip Hanrahanの異種格闘技もので育った人ですから。
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Sly & Robbieは、Jamaica一のリズム・チームとして40年近く君臨し続ける化け物二人。本職はReggaeになるんでしょうが、いろんなフィールドに出現しています。個人的にはGrace Jones(この人もジャンルがわからないし、色んな意味で化け物)とのコラボが興奮ものでした。Gwen Guthrieも、いまだに年に何回かは聴く。
そしてなんといっても、Black Uhuruですさまじいリズムを文字通り叩きだしていたのは忘れられない。本筋と関係ないけど、Puma Jonesかわいかったなあ(1990年に亡くなっていますが)。
いかん、話がひとつも進まない。Black Uhuruの話はいずれまた。
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Sly & Robbieがジャズ・フィールドに出現し始めたのは、いつごろでしょうか?
Bill Laswellの出世作、
Herbie Hancock/FUTURE SHOCK [Columbia] (1983)
にSly Dunbarだけ呼ばれたのが最初か?その後Bill Laswellがらみでよく名前を見かけるようになりましたが、出て来る作品はJazzだか何だかよくわからない代物(いや、おもしろがってるんですよ)。
Bill Laswellプロデュースで、
Sly & Robbie/LANGUAGE BARRIER [Island] (1985)
というのもありました。Bill LaswellのDMXが全面的に支配するジャンルがさっぱり謎のアルバムです。もうReggaeではないですね。
Bill Laswellは、メンバーを微妙に変えて似たようなアルバムを大量に出す人ですが、これもその一枚。Hancockとのヤツや、Phillip WilsonとのDeadlineとか、Bernie Worrellのヤツとか、なんだか区別がつかない。そんなのをいちいち追っかけてる自分もアレですが。
いかん、話がBill Laswellになっている。進めよう、進めよう。
Sly & Robbie参加のジャズ作品では、渡辺香津美のMOBOの話なんかもしたいんですが、いずれまた。
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で、Monty AlexanderとSly & Robbieのこの組み合わせ、実はなんの不思議もないのです。三人共Jamaicaの人ですから。
Monty Alexanderが活躍し始めた頃は、ちょうどReggaeも勃興期でした。だから、MontyにReggaeの素地がないのは仕方ない。一貫してJazzの人でした。
それがどうやってSly & Robbieと仲良くなったかは知りません。同郷ですから、音楽ジャンルは違えいつ知り合ってもおかしくないでしょう。
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Montyは本作の前に、
Monty Alexander/STIR IT UP : THE MUSIC OF BOB MARLEY [Telarc] (1999)
というBob Marley曲集(未聴)を出しています。Sly & Robbie は参加してはいないものの、その辺から関係が深まり、「じゃ、次は一緒にやろうか」となったようです。
ああ、ようやく本作までたどり着いた。
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だめだ、話が長すぎる(笑)。2回に分けます。
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(注1)
USAで「Feelings」といえば、「イケてない!」の象徴でした。ペプシコーラのCMで、M.C. Hammerがいつも飲んでるペプシを某ライバル社のコーラにすり替えられたせいで、イケてない「Feelings」を歌ってしまい、客ガッカリ、というヤツで日本にもその事実が広まりました。
これが1990-91年ですか・・・。M.C. Hammer自体、当時でも(一般はさておき)Hip Hop界では「イケてない!」の象徴でしたが・・・。「イケてない!」の自乗、入れ子構造ですな。
参考:
・ウィキペディア(日本語) > 愛のフィーリング (最終更新 2014年6月2日 (月) 04:47 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E3%81%AE%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0
(注2)
音盤と、私が所蔵している映像版(WOWOW放映)の曲順を比較してみましょう。
Monty Alexander/MONTREUX ALEXANDER [MPS]
1976/07/10, Montreux, Swiss
MA (p), JC (b), JH (ds)
01-Night Mist Blues
02-Feelings
03-Satin Doll
04-Work Song
05-I'll Drown In My Own Tears
06-Battle Hymn Of The Republic
Monty Alexander/MONTREUX JAZZ FESTIVAL 1976 [?→WOWOW] (ON-AIR in Japan on 1995/01/09)
1976/07/10, Montreux, Swiss
MA (p), JC (b), JH (ds)
01-Montivideo
02-Nite Mist Blues
03-Ben
04-Feelings
05-Satin Doll
06-Unlimited Love
07-You Make Me Feel Brand New (fadeout)
青字は両者で共通のもの。
これは、WOWOW Jazz Fileが始まる前、WOWOWで散発的に放映されていたJazz映像のひとつ、と記憶しています。Yellow Submarineみたいなサイケなタイトル・イラストが当時らしい。
さっきも書きましたが、とにかくMontevideoが凄すぎ!当然完全版が残っているはずなので、是非商業ベースでリリースしてほしいですね。
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参考までに、1997年に21周年(?)記念で同一トリオでMontreux Jazz Festivalで再現ライブを挙行しています。こちらも映像所蔵。
Monty Alexander/MONTREUX JAZZ FESTIVAL 1997 [?→WOWOW] (ON-AIR in Japan on 2004/05/11)
1997/07/17, Montreux, Swiss
MA (p), JC (b), JH (ds)
01-Just in Time
02-Work Song
03-Ben
04-Renewal
05-When the Saints Go Marching
06-Close Enough for Love
07-Glory Hallelujah
08-River
性懲りもなく「Ben」をやっているあたりが反感買いそうですが(笑)、3人共快調そのものです。
その20年で、Montyはマイペースですが、リズム・セクションの二人はぐっと名を上げましたね。
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