2014年9月15日月曜日

音盤テルトン(5) George Coleman Octet-その1 REVIVAL 1977

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stod phyogs 2014年9月15日月曜日 音盤テルトン(5) George Coleman Octet-その1
からの移籍です。日付は初出と同じです。

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George Colemanというと、たいていは「ああマイルスにクビにされたテナーね」という反応。

これが納得いかない。日本では特に「マイルス中心ジャズ史観」というやつが幅を利かせていて、「マイルスに気に入られた」「マイルスのところで成功した」ミュージシャンはほめちぎり、あまりうまくいかなかったミュージシャンはいくらでも馬鹿にしてOK、という風潮がある。

後者に入るのは、Cannonball Adderley(半分くらい)、Sonny Stitt(馬鹿にされている)、Hank Mobley(馬鹿にされている)、Wynton Kelly(これも半分くらい)、George Coleman(馬鹿にされている)、Sam Rivers(馬鹿にされている)、Azor Lawrence(完全に馬鹿にされている)、Sonny Fortune(半分くらい)、Mike Stern(半分くらい)あたり。

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特にGeorge Colemanは、マイルス時代しか知らない人には「一発屋」などと揶揄される始末。それ以前のMax Roach Quintet、以後のElvin Jones Bandでの活躍も少しは聞いてほしいところ(注1)。

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George Colemanが自分のバンドを組んでレコーディングし始めるのは1970年代のこと。'50年代から活躍している人にしてはかなり遅咲き。そのリーダー作にしても、日本盤がほとんど出ないこともあり、ほぼ無名に近い。

その初リーダー作がこれ↓

George Coleman the Octet / REVIVAL [Catalyst(テイチク)]


















1977/11/02&03, NYC
Danny Moore (tp,flh), Frank Strozier (as), GC (ts), Junior Cook (ts), Mario Rivera (bs), Harold Mabern (p), Lisle Atkinson (b), Idris Muhammad (ds), Azzedin Weston (perc) –B1

A1. Green Dolphin Street
A2. Frank's Tune
A3. Big George
B1. Joggin'
B2. Body and Soul
B3. Revival

これはアナログ盤のデータですが、いろんなレーベルから再発(CD化)もされています。alternate takesやbonus tracksは見たことありません。

冒頭の一糸乱れぬ急速ユニゾンに驚いてほしい。最大の聴き所は、テーマもアドリブも圧倒的なBig George。

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メンバーで注目は、Frank Strozier、Harold Mabern。これにGeorge Colemanを加えての3人はTennessee州Memphis出身の仲良し三人組。同じメンバーでの録音がとても多い。

実はこれにBooker Littleを加えて、仲良し四人組でした。しかし、LittleはMax RoachやEric Dolphyとの関係で語られるケースが多く、ColemanやMabernと同じくくりで語られることは少ない。

Max Roach Quintetの諸作 [EmArcy/Mercury][United Artists][Time] 1958~59 <BL+GC>
YOUNG MEN FROM MEMPHIS [United Artists] 1959 <BL+FS+GC>
FANTASTIC Frank Strozier [Vee Jay] 1959 <BL+FS>
Booker Little AND FRIENDS [Bethlehem] 1961 <BL+GC>

などで彼らの共演を聞くことができます。

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George Colemanが注目をあびるのは、1963年にMiles Davisにスカウトされてから。

Wynton Kelly Trioが独立してしまい、バンドが崩壊状態だったMilesに、George ColemanはFrank StrozierとHarold Mabernを薦めます。仲いいよね。

残念ながら二人はMilesのおメガネにはかなわなかったようで、結局Milesバンドに残ったのはColemanだけ。

Miles時代の話も尽きないのだが、終わらなくなってしまうので、話は1970年代に戻ります。

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Octet結成は1974年。何度かギグを行ったらしいが、Colemanの証言以外に当時の記録ははっきりしない(注2)。

1976年6月、Newport Jazz FestivalでのメンバーはSeptet。つまり、テナーがGeorge Colemanの1本だけ(注3)。

DM(tp,flh), FS(as), GC(ts), MR(bs), HM(p), Calvin Hill(b), Billy Higgins(ds)

すでに主要メンバーが顔を揃えています。ライブはVoice of Americaで放送されたらしい。

評判が良かったせいか、これにFrank Foster(ts)を加えてOctetで8月にはヨーロッパ・ツアーを行います(注3)。

DM(tp,flh), FS(as), GC(ts), FF(ts,ss), MR(bs), HM(p), CaH(b), BH(ds)

Frank Fosterもこの辺の作品にちょくちょく顔を出す人ですが、やっぱり代表作がない人。

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これに刺激を受けたか、1976年11月にはFrank StrozierもSeptetで録音(未聴、注3)。

Frank Strozier/REMEMBER ME [Steeple Chase] 1976

メンバーは、

DM(tp), Howard Johnson(tu), FS(as,fl), HM(p), Lisle Atkinson(b), Michael Carvin(ds)

とちょっとおもしろい編成。

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翌1977年夏には再びOctetで渡欧(注3)。この時のメンバーは、

DM(tp), FS(as), GC(ts), Junior Cook(ts), MR(bs), HM(p), LA(b), Idris Muhammad(ds)

そして、このメンバーで11月のCatalyst盤録音となります。George Coleman Octetの公式録音はこの一作だけ。残念。

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1978年には、アルト2本のNonetに拡大してライブを行っているよう(注3)。

DM(tp,flh), FS(as), Pete Yellin(as), GC(ts), JC(ts), HM(p), CaH(b), Walter Bolden(ds)

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1979年の活動は定かではないが、1980年と1981年にもOctetでヨーロッパ・ツアーを行っています。

1980年のメンバーは、1977年の録音からは3人の入れ替わり。tsがJunior CookからSal Nisticoに、bがLisle AtkinsonからClint Houstonに、dsがIdris Muhammadからオリジナル・メンバーのBilly Higginsに。そしてバンド名もGeorge Coleman – Billy Higgins Octetと双頭バンドになっていたよう。

今回紹介したいのは、私が持っている1980年のAir Check。これが物凄い傑作。実はこっちが本論なのです。

以下、次回

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(注1)

そういう自分も、Chet Bakerとのマラソン・セッション[Prestige](1965年、LPで5枚/CDで3枚)あたりはYouTubeでちょっと聴いたくらい。すいません。

(注2)

Octet結成時の情報は、

・Zan Stewart (1978) Liner Notes from George Coleman the Octet/REVIVAL. Catalyst Records, Burbank, CA.
・Thésis Jazz (1989) Liner Notes from The George Coleman Octet/BIG GEORGE. Thésis Jazz, France.

より。

(注3)

1976~78年のGeorge Coleman Octet、Frank Strozierの活動については、

・Noal Cohen's Jazz History Website > Discography > The Frank Strozier Discography > Frank Strozier Page > The Frank Strozier Discography (2014/08/18)
http://www.attictoys.com/FrankStrozier/Frank_Strozier_discography.php

より。

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