前回
> 大丈夫かな、Becker。本書にある2016年のステージの写真でも、太りに太って真っ赤な顔してた。高血圧が心配。もう67歳だしなあ。
なんて書いたら、ほんとに亡くなってしまいました・・・。残念。Steely Danとして、あと何枚か作ってほしかった・・・。
ご冥福をお祈りいたします。
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今日は、Beckerのソロ作品
Walter Becker/11 TRACKS OF WHACK [Giant] pub.1994
Art Direction : Mick Haggerty
を聴こう。Steely DanやFagenの諸作に比べると、あまり聴いてない作品だけど・・・。
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ProduceはBeckerとFagenだ。FagenのKAMAKIRIADをBeckerがProduceした返礼といえようか。この2枚を合わせて、Steely Dan再結成の序曲となる。
このアルバムから、Steely Dan復活後のライブ盤ALIVE IN AMERICAでは、Beckerのソロ曲Book of Liarsが披露されている。
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・NME JAPAN > NEWS > 2017.9.4 月曜日 スティーリー・ダンのウォルター・ベッカーが逝去。ドナルド・フェイゲンの追悼文の全文訳を掲載
http://nme-jp.com/news/42816/
Fegenの追悼文は淡々としているようだけど、悲しみは充分伝わってくる。本当に親しい友人が亡くなった時は、こんなもんだ。
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Fagenがソロ作THE NIGHTFLYを出した時、「Steely Dan時代のテイストとそのまま」と感じた人が多かったようで、「BeckerはSteely Danで一体何やってたんだ?」という人までいた。
確かにSteely Danというバンドは、Fagenの才能が占める割合が高かったのは事実だが、じっくり聴いてみるとやはりBeckerが関わらないFagenソロ作とSteely Danは微妙に違う。
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Beckerが関わっていないTHE NIGHTFLYやMORPH THE CATは、もちろんSteely Danと非常に近い(ほぼそのもの)テイストなのは間違いないんだが、ややパンチが足りない、と言えないこともない。聞き流すと、わりにすんなり流れて行ってしまう。
それが、Beckerが関わったKAMAKIRIADや復活Steely Danの3作では、メリハリのきいたサウンドになっている。
Beckerと組まなかったら、メロディとハーモニーの人であるFagenは、Rockではなく、映画音楽方面に行っていたかもしれない。Stringsなんか使ったやつ・・・。
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何度も紹介している
MARIAN McPARTLAND'S PIANO JAZZ WITH GUEST STEELY DAN [Concord / The Jazz Alliance] rec.2002, pub.2005
では、Fagen (p,vo)+Becker (g)+b+dsという編成だった。このようなミニマム編成では、「録音芸術」とも称されるSteely Danの音楽を再現するのはなかなか難しかったのだが、それがBeckerのg-soloになると、がぜんSteely Danの音楽が聞こえてくるのだ。
そこではじめてBeckerの重要性に気づいたのだが、それ以降は上で書いたように、Steely DanでのBeckerの役割がだいぶわかるようになったのだった。
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Donald Fagen/KAMAKIRIAD [WEA International/Reprise] pub.1993
Design : Carol Bobolts+Red Herring
Steely Dan/Donald Fagenの諸作の中では、THE NIGHTFLYを別格として、その次によく聴くのはこのアルバムだ(そういう人は珍しいかも・・・)。Beckerの色もよく出ている名盤だと思う。
ここから、BeckerとFagen共作の名曲Snowboundを聴いてほしい。Fagen一人では作り得ない世界だと思う。
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まさに名コンビでした。あらためてご冥福をお祈りします。
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(追記)@2017/09/09
本家blog stod phyogs に
stod phyogs > 2017年9月9日土曜日 故Walter BeckerとHawaiiのチベット仏教
というのを書きました。
これは Walter Becker/11 TRACKS OF WHACK の3曲め、Surf and/or Die に出てくるチベット仏教の読経について書いたものです。こちらもどうぞ。
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