2017年9月2日土曜日

THE DIG SPECIAL EDITION 「STEELY DAN」

また出たよ。今度はSteely Danの総集編だ。

・大山哲司・編 (2017.9) 『STEELY DAN』(SHINKO MUSIC MOOK : THE DIG Special Edition). 223pp. シンコーミュージック・エンタテイメント, 東京.


デザイン : 村松丈彦

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今度来るのはDonald Fagen単独なんだが、どうしてSteely Danの特集なんだろう?

もしかすると、本書の企画段階では「Walter Beckerも来る?」という噂があったのかもしれない。「じゃ実質Steely Danじゃん」ってことで「Steely Dan総集編」としてバクチを打ったのかもしれない。

事実、本書によると、2017/07/29には、NYCでSteely Danのステージがあったのだ。残念ながらWalter Beckerは病欠。

大丈夫かな、Becker。本書にある2016年のステージの写真でも、太りに太って真っ赤な顔してた。高血圧が心配。もう67歳だしなあ。

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はい、詳細目次。

DF=Donald Fagen、WB=Walter Becker、SD=Steely Dan。

001-001 表紙
002-002 広告 JVCケンウッド
003-003 グラビア(SD 1974)
004-005 目次
006-016 グラビア(SD+DF+WB 1972~2017)

017-035 大山哲司/スティーリー・ダン・ヒストリー①:1972-1980 二人が紡いできたサウンドは半世紀を経てもなお色褪せない
036-0036 グラビア(DF+WB 1975)

037-041 DF+WB・談, トビー・ゴールドスタイン・インタヴュー/ステージにレコーディングにと意欲満々、31歳フェイゲン&29歳ベッカー同席インタビュー(再録インタビュー:『ジャム』1979年6月号より)

042-042 グラビア(DF+WB 1994?)
043-043 広瀬融/一つの身体、二つの頭脳 フェイゲン/ベッカー、個別インタヴュー
044-044 グラビア(WB 1994?)
045-051 WB・談, 広瀬融・インタヴュー, 仲村美夏・通訳/ウォルター・インタヴュー 80年から93年までは、成長するために必要な時間だったんだ(再録インタヴュー:『ディグ』No.5 1995年2/3月号)
052-052 グラビア(DF 1994?)
053-059 DF・談, 広瀬融・インタヴュー, 川原真理子・通訳/ドナルド・フェイゲン・インタヴュー 録音していなかっただけで、曲は一緒に書いていたんだ(再録インタヴュー:『ディグ』No.5 1995年2/3月号)
060-064 広告 シンコーミュージック・エンタテイメント

065-083 Steely Dan original album discography
(066-067 石井達也/Can't Buy A Thrill)
(068-069 石井達也/Countdown To Ecstasy)
(070-071 石井達也/Pretzel Logic)
(072-073 石井達也/Katy Lied)
(074-075 石井達也/The Royal Scam)
(076-077 石井達也/Aja)
(078-079 石井達也/Gaucho)
(080-083 広瀬融/Ctizen Steely Dan 1972-1980)

084-085 大山哲司/スティーリー・ダンを作った男、ゲイリー・カッツが語る スティーリー・ダンの真実
086-095 ゲイリー・カッツ・談, 藤井美保・インタヴュー/ゲイリー・カッツ最新インタヴュー(2017年7月) 彼らと作ったすべての作品が今でもいい音であることを誇りに思ってる
096-099 祐天寺浩美/スティーリー・ダンと仲間たち スティーリー・ダンを支えたベーシスト
100-103 小宮勝昭/スティーリー・ダンと仲間たち スティーリー・ダンを支えたドラマー
104-111大山哲司/スティーリー・ダンと仲間たち その他のプレイヤー

112-114 北川照明/レコーディング・エンジニアがサウンドの秘密に迫る 『彩(エイジャ)』はなぜ音が良いのか
115-121 大山哲司・取材+文, 井上鑑+北川照明+高田三郎・談/スティーリー・ダンをどのメディアで聴く?
122-129 斉藤修/独特のサウンドの秘密をアナライズ スティーリー・ダンの作り方
130-133 斉藤修/アコースティック・ピアノ、エレピ、オルガン・・・・・・ フェイゲンに愛された楽器たち
134-139 成瀬正樹/プレイ・スタイルと使用機材を徹底チェック ウォルター・ベッカーのギター・ワールド
140-143 川原真理子/難解と言われる歌詞の楽しみ方 スティーリー・ダンの歌詞の世界

144-150 大山哲司/スティーリー・ダン・ヒストリー②:1993-PRESENT 休業期のソロ作制作を経て、ライブ・バンドとしての大復活!
151-151 グラビア(DF 2016)
152-153 広瀬融/Alive In America
154-155 広瀬融/Two Against Nature
156-157 広瀬融/Everything Must Go
158-161 大山哲司/スティーリー・ダンのオリジナル・アルバム未収録音源
162-162 グラビア(DF+WB 1999?)
163-167 DF+WB・談, 佐藤英輔・インタヴュー, 村上ひさし・通訳/ポップ・ミュージックの摂理に立ち向かう二人 『トゥ・アゲインスト・ネイチャー』完成(再録インタヴュー:『ザ・ディグNo.20』2000年春号より)
168-168 グラビア(DF+WB 2000)
169-173 バーニー・ホスキンス・文, 田村亜紀・翻訳/若さ故のナルシシズムを捨て、立ちふさがる壁を乗り越えて来た(再録インタビュー:『ザ・ディグNo.20』2000年春号より)

174-175 大山哲司/コラム1 『ナイトフライ』ジャケに写るレコードは
176-177 高田三郎/コラム2 ドナルド・フェイゲンは歌が上手いのか?
178-179 大山哲司/コラム3 四人目のスティーリー・ダン、ロジャー・ニコルズ
180-181 大山哲司/コラム4 度重なるレコーディング時のトラブル
182-184 小林雅明/コラム5 スティーリー・ダンはサンプリングに厳しい?
185-185 広告 シンコーミュージック・エンタテイメント

186-186 グラビア(DF unknown year)
187-191 佐藤英輔/ソロ・アーティストとしてのドナルド・フェイゲン ぱっと見、気難しそうな偏屈親父。だが、音楽に真摯な姿勢は、作品から溢れ出す
192-193 佐藤英輔/The Nightfly
194-195 佐藤英輔/Kamakiriad
196-197 佐藤英輔/Morph The Cat
198-199 佐藤英輔/Sunken Condos
200-201 武田昭彦/ドナルド・フェイゲンのオリジナル・アルバム未収録音源
202-207 クジヒロコ・談, 大山哲司・インタヴュー/クジヒロコ 同じ"鍵盤弾き"目線で聴くフェイゲンとその音楽

208-208 グラビア(WB unknown year)
209-211 武田昭彦/ソロ・アーティストとしてのウォルター・ベッカー 全体を見渡す立場から、自分が主人公へ。演奏だけでなく、ソロでは歌も。
212-213 武田昭彦/11 Tracks Of Whack
214-215 武田昭彦/Circus Money

216-221 大山哲司/ライブ・バンドとしてのスティーリー・ダン 仕事場はスタジオからステージへ
222-223 スティーリー・ダン/ドナルド・フェイゲン/ウォルター・ベッカー オリジナル・アルバル参加ミュージシャン一覧

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全体にロック畑からの視点で構成されている。

前回紹介したレコード・コレクターズのフェイゲン特集が、ブラック・ミュージック(Jazz+R&B)やリスナー視点を強く感じる内容だったのとはかなり印象が違う。自分はレココレのほうが肌に合うかな。

私は初期Steely Danをあまり聴いていないし、知識もないので、そのあたりの記事が充実しているのが助かった。

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いろんな時代でのインタビュー再録が多いのが特色。この二人、すごくおもしろいな、毎度ながら。

ただし、やっぱりロック畑からの切り口が多く、

2016年5月3日火曜日 音盤テルトン(12) Marian McPartland's PIANO JAZZ : STEELY DAN

のように、二人のJazz~R&Bルーツに迫る形になっていないのが物足りなかった。

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そういえばこの

MARIAN McPARTLAND'S PIANO JAZZ WITH GUEST STEELY DAN [Concord / The Jazz Alliance] rec.2002, pub.2005

が全く取り上げられていないのも不思議。Steely Dan名義なのに。

Jazzアルバムという扱いなので、このMookの編者・著者の視界に、そもそも入っていないのかもしれない。

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このMook、たぶん発行部数かなり少ないぞ。大きな本屋でも1冊しかなかった。

本屋に急げ!あるいは、本屋よりもCDショップのほうが遭遇率が高いかもしれない。

まあ増刷されるような気はするけど、早めに入手するに越したことはない。

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