まずこれを見てほしい↓
Thelonious Monk – Sonny Rollins/COMPLETE RECORDINGS [Essential Jazz Classics] pub. 2014
これは
・Thelonious Monk Quintet [Prestige] rec. 1953
・Thelonious Monk AND Sonny Rollins [Prestige] rec. 1954
・Sonny Rollins/MOVING OUT [Prestige] rec. 1954
・Thelonious Monk Quintet/BRILLIANT CORNERS [Riverside] rec. 1956
・Sonny Rollins VOL.2 [Blue Note] rec. 1957
から、MonkとRollinsの共演曲をピックアップし編集したもので、新発掘曲はない。
またおまけで、Sonny Rollins VOL.2から4曲、Rollinsが入ったBrown-Roach 5が1曲、Rollinsが入ったBud Powell 5が1曲。
------------------------------------------
このジャケットを見ると驚きますよね。
MonkとRollinsはすぐにわかるが、よく見るとAhemd Abdul – Malik (b)、Roy Haynes (ds)までいる。おまけに壁にはポスターやらチラシがベタベタと。つまりこれは、1958年のFive Spot Caféでのライブなのだ。
当時のレギュラーJohnny Griffinが留守にする時には、Monkはエキストラ(トラ)のサックス奏者を用意してライブに臨んだ。トラはColtrane、Rouse、そしてRollinsがトラに入ることもあったのだ。トラも豪華ですね。
Coltrane、Rouseがトラを務めた時の録音はすでに発掘されているが、Rollinsとの録音はまだ出てきていない。
しかし、こんな写真見せられると期待してしまうではありませんか。Nicaさんテープあたりにないんだろうか?ワクワクしますね。
------------------------------------------
Griffinのトラとしては、この他Sahib Shihabが呼ばれることもあったらしい。
Sahibは1947年と1951年にMonkのBlue Noteセッションに加わっているので、相性が悪かろうはずもない。これもいずれ録音が出てくるかもしれない。楽しみにしていよう。
------------------------------------------
というわけで、Thelonious Monkの1957~58年の動きをFive Spot Liveを中心に延々見てきたわけだが、このFive Spot LiveでMonkは一躍Jazz界の大物として認知度が大幅アップした。中期Monk(ほぼRiverside時代)の総決算ともいえる。
そしてRouseも手に入れ、Columbiaに移籍し、Monkの音楽はいよいよ円熟期に入っていく。
その時期のMonkについてもいつかまとめてみたい。
しかしこのシリーズに3ヶ月もかかるとは思わなかったなあ。
===========================================
(追記)@2017/03/31
・Robin D.G. Kelley (2009) THELONIOUS MONK : THE LIFE AND TIMES OF AN AMERICAN ORIGINAL. xviii+588pp.+pls. Free Press, New York.
によれば、Monk 4にRollinsが参加したのは1958/09/17~10/01だそうな。
驚き!これだけ長い間共演していたとは・・・。ならば、1回位誰か録音してそうなもの。これはいつか録音が出てくるのが楽しみだ。
そしてMonk 4の後釜にRouseを推薦したのはRollins自身だったそうな。Rollinsの耳は正しかった。
2017年3月30日木曜日
2017年3月26日日曜日
Thelonious Monk at the Five Spot大全(10) Five Spot 1958 with Charlie Rouse
Monkの伝記映画
<Movie> Charlotte Zwerin (dir)/THELONIOUS MONK STRAIGHT NO CHASER. [Werner Bros.] pub.1988.
→ <DVD> [Warner Bros(ワーナー・ホーム・ビデオ)] pub.2001
を見ていると、ほんの1分間だが、1958年のFive Spotが映っていた。これ、誰も注目していないのな。
テナーがCharlie Rouseなので注目度が低いんだと思うが、これがColtraneやGriffinだったら大騒ぎになっていただろう。
------------------------------------------
Roy Haynes (ds)、Ahmed Abdul – Malik (b)もはっきり映っているし、壁にポスターやらチラシがベタベタ貼ってあるのは、まさしくFive Spotだ。
1958/10?, Five Spot Cafe, NYC
CR (ts), TM (p), AAM (b), RH (ds)
16:03-17:24 Rhythm-A-Ning
------------------------------------------
残念ながら、曲のエンディングだけの短い映像なので、どういう演奏だったのか判断しようがないが、とても貴重な映像だ。
おそらく、尺はこれだけではあるまい。少なくとも1曲分くらいはフルで映像があるはずだ。ケチケチしないで出してほしいなあ。
------------------------------------------
Griffinは9月末でMonkバンドを去り、その後釜にはCharlie Rouseが入り、10月半ばまでのFive Spot Liveをこなした。
Rouseは、それまでもGriffinのトラ(代役)としてもしばしばFive Spotに出ていたようで、それからすっかりMonkのお気に入りになったらしい。
Monk 4のフロントが務まるホーン奏者というのは多くない。あの難解な曲、ホーン奏者を邪魔するかのようなMonkのバッキング。気まぐれなMonkの取り扱いにも苦労するだろう。
そのすべてをクリアできたのがRouseだった。
------------------------------------------
ColtraneやGriffinが、ともすればMonkのバッキングを無視して自分の世界でバリバリ吹きまくるのに対し、RouseはどっぷりとMonkの世界に浸かり込んで演奏する。
もともとRouseの資質としてあったのか知らない(1950年代のRouseってほとんど聞いたことがないので)が、フレイジングも跳躍の多い変なもので、まるでMonkが乗り移ったよう。
その上、Rouseは、ライブ前や録音前のMonk不在時にリハーサルまで指揮してくれるという面倒見のよさ。それは上述の映像 THELONIOUS MONK STRAIGHT NO CHASER でも、余すところなく捉えられている。
------------------------------------------
だから、Monkは離さないよね。Columbia時代になり、ギャラもよくなったのだろう、Rouseももちろん離れない。
というわけで、このFive Spot 1958から1969年まで、という足かけ12年以上に渡り、Monkバンドのサックスの座はRouseが独占する。
ColtraneやGriffinと比べられるのでわりを食っているが、Rouse時代、特にColumbia初期の作品はほんとうに素晴らしい。Monk作品の中で一番好きかも。1940~50年代のスリリングさはないが、人間いつまでもスリリングさばかり追ってもいられないだろう。安定の時代があっていい。
------------------------------------------
さて、そのRouse入りのMonk 4 のFive Spot 1958も長尺版で発掘されているのだ。それがこれ↓
Thelonious Monk/LIVE IN NEW YORK VOL.1 [Thelonious→Explore] rec. 1958, pub. 2002, re-issue 2007
Design : Mark Millington for WLP Ltd.
1958/10?, Five Spot Cafe, NYC
CR (ts), TM (p), Ahmed Abdul - Malik (b), Roy Haynes (ds), Baroness Pannonica de Königswater (MC)
01. Solo Piano Medley (Crepuscule with Nellie/You Took the Words Right Out of My Heart/Reflections, TM solo~TM – AAM duo+Nica's MC)
02. Blue Monk
03. Rhythm-A-Ning
04. Epistrophy
05. Light Blue
06. Off Minor
07. Friday the Thirteenth
08. Epistrophy Theme
録音日ははっきりしないが、おそらくGriffinがバンドを去ってからの録音ではないかと思う(7~9月にトラで入った時の可能性もあるが)。すなわち10月初~半ばになるだろう。
------------------------------------------
音源はNicaさんがテレコで録音したもの。最初の方では、Nicaさんがふざけてディスク・ジョッキーをしている。「こんばんは、Nica's Tempoです」などと架空の番組という設定で。
この音源がNicaさんの没後、Monkの息子T.S. Monkに譲渡され、まず2002年にT.S. Monkの自主レーベルThelonious Recordsから発売。次いで2007年にExplore Recordsから再発された。
ところが、これはその後に回収され、現在は流通していない。Nicaさんの声が入っているので、おそらくその著作権と元テープの所有権が、Nicaさんの遺族とうまく調整できなかったんではないだろうか。
RouseもMonkも絶好調なので、是非また再発してほしい。
------------------------------------------
ステージ1stセットは、ウォーミング・アップのようなMonkのソロで始まり、Blue Monkと続く。
そしてRhythm-A-Ningで熱く燃え上がるのは、当時のMonkバンドの定番だった。
Rhythm-A-NingのMonkのソロはちょっとすごい。畳み掛けるように高音をたたき出すその流れは、狂気すら感じさせる。貴重な録音だ。
1stセットのエンディングは毎度おなじみEpistrophy。
------------------------------------------
2ndセットはLight Blueから。リラックスした演奏だ。
2曲目のOff MinorはMONK'S MUSIC [Riverside]をはじめ、この頃Monkが集中的に取り上げていたナンバー。だが、ColtraneもGriffinもやらなかったなあ。この曲にはRouseが合っていることを、Monkが発見したのかもしれない。
------------------------------------------
3曲目のFiday the 13thは、この当時としては珍しいレパートリー。もしかすると、Rouseが自分のバンドですでに演奏していた得意曲なのかもしれない。
マーチ風に処理するRoy Haynesがおもしろい。やっぱりこの人勘がいいね。
そして2ndセットのエンディングもEpistrophy。
------------------------------------------
Rouse入りのMonk 4は、一般リスナーには今はあんまり人気ないんだけど、この録音は非常に貴重なものなので、いずれまた再発してほしい。今は、中古で見つけたら逃さず買っといた方がいいぞ。ジャケットが冴えないので、見逃しがちだが。
===========================================
(追記)@2017/03/31
LIVE IN NEW YORK VOL.1というからには、VOL.2もあるんだろう、と探してみた。そしたらやっぱりあった。
Thelonious Monk Quartet/LIVE IN NEW YORK VOL.2 [Thelonious] rec.1963, pub.2002
http://www.allmusic.com/album/thelonious-monk-quartet-live-in-new-york-vol-2-mw0001245722
1963/??/??, NYC
CR (ts), TM (p), Butch Warren (b), Frankie Dunlop (ds)
01. Blue Monk
02. Light Blue
03. Rhythm-A-Ning
04. Epistrophy
05. I'm Getting Sentimental over You
06. Straight No Chaser
07. Evidence
08. Epistrophy
Dunlop時代の快調なMonk 4だから、これも聴いてみたい。どうも、これはTheloniousレーベルからのリリースのみで、Exploreレーベルから再発はされなかったようだ。
VOL.1&2のカップリングでも発売されたようだ。
Thelonious Monk Quartet/LIVE IN NEW YORK VOL.1 & 2 [Thelonious] rec.1958 & 1963, pub.2002
http://rateyourmusic.com/release/album/thelonious_monk/live_in_new_york_vol__1and2/
おそらくこれも音源はNicaさんテープなのだろう。とすれば、再発の望みはかなり薄いかな。いつか中古にぶち当たる日を楽しみにしていよう。
<Movie> Charlotte Zwerin (dir)/THELONIOUS MONK STRAIGHT NO CHASER. [Werner Bros.] pub.1988.
→ <DVD> [Warner Bros(ワーナー・ホーム・ビデオ)] pub.2001
を見ていると、ほんの1分間だが、1958年のFive Spotが映っていた。これ、誰も注目していないのな。
テナーがCharlie Rouseなので注目度が低いんだと思うが、これがColtraneやGriffinだったら大騒ぎになっていただろう。
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Roy Haynes (ds)、Ahmed Abdul – Malik (b)もはっきり映っているし、壁にポスターやらチラシがベタベタ貼ってあるのは、まさしくFive Spotだ。
1958/10?, Five Spot Cafe, NYC
CR (ts), TM (p), AAM (b), RH (ds)
16:03-17:24 Rhythm-A-Ning
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残念ながら、曲のエンディングだけの短い映像なので、どういう演奏だったのか判断しようがないが、とても貴重な映像だ。
おそらく、尺はこれだけではあるまい。少なくとも1曲分くらいはフルで映像があるはずだ。ケチケチしないで出してほしいなあ。
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Griffinは9月末でMonkバンドを去り、その後釜にはCharlie Rouseが入り、10月半ばまでのFive Spot Liveをこなした。
Rouseは、それまでもGriffinのトラ(代役)としてもしばしばFive Spotに出ていたようで、それからすっかりMonkのお気に入りになったらしい。
Monk 4のフロントが務まるホーン奏者というのは多くない。あの難解な曲、ホーン奏者を邪魔するかのようなMonkのバッキング。気まぐれなMonkの取り扱いにも苦労するだろう。
そのすべてをクリアできたのがRouseだった。
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ColtraneやGriffinが、ともすればMonkのバッキングを無視して自分の世界でバリバリ吹きまくるのに対し、RouseはどっぷりとMonkの世界に浸かり込んで演奏する。
もともとRouseの資質としてあったのか知らない(1950年代のRouseってほとんど聞いたことがないので)が、フレイジングも跳躍の多い変なもので、まるでMonkが乗り移ったよう。
その上、Rouseは、ライブ前や録音前のMonk不在時にリハーサルまで指揮してくれるという面倒見のよさ。それは上述の映像 THELONIOUS MONK STRAIGHT NO CHASER でも、余すところなく捉えられている。
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だから、Monkは離さないよね。Columbia時代になり、ギャラもよくなったのだろう、Rouseももちろん離れない。
というわけで、このFive Spot 1958から1969年まで、という足かけ12年以上に渡り、Monkバンドのサックスの座はRouseが独占する。
ColtraneやGriffinと比べられるのでわりを食っているが、Rouse時代、特にColumbia初期の作品はほんとうに素晴らしい。Monk作品の中で一番好きかも。1940~50年代のスリリングさはないが、人間いつまでもスリリングさばかり追ってもいられないだろう。安定の時代があっていい。
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さて、そのRouse入りのMonk 4 のFive Spot 1958も長尺版で発掘されているのだ。それがこれ↓
Thelonious Monk/LIVE IN NEW YORK VOL.1 [Thelonious→Explore] rec. 1958, pub. 2002, re-issue 2007
Design : Mark Millington for WLP Ltd.
1958/10?, Five Spot Cafe, NYC
CR (ts), TM (p), Ahmed Abdul - Malik (b), Roy Haynes (ds), Baroness Pannonica de Königswater (MC)
01. Solo Piano Medley (Crepuscule with Nellie/You Took the Words Right Out of My Heart/Reflections, TM solo~TM – AAM duo+Nica's MC)
02. Blue Monk
03. Rhythm-A-Ning
04. Epistrophy
05. Light Blue
06. Off Minor
07. Friday the Thirteenth
08. Epistrophy Theme
録音日ははっきりしないが、おそらくGriffinがバンドを去ってからの録音ではないかと思う(7~9月にトラで入った時の可能性もあるが)。すなわち10月初~半ばになるだろう。
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音源はNicaさんがテレコで録音したもの。最初の方では、Nicaさんがふざけてディスク・ジョッキーをしている。「こんばんは、Nica's Tempoです」などと架空の番組という設定で。
この音源がNicaさんの没後、Monkの息子T.S. Monkに譲渡され、まず2002年にT.S. Monkの自主レーベルThelonious Recordsから発売。次いで2007年にExplore Recordsから再発された。
ところが、これはその後に回収され、現在は流通していない。Nicaさんの声が入っているので、おそらくその著作権と元テープの所有権が、Nicaさんの遺族とうまく調整できなかったんではないだろうか。
RouseもMonkも絶好調なので、是非また再発してほしい。
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ステージ1stセットは、ウォーミング・アップのようなMonkのソロで始まり、Blue Monkと続く。
そしてRhythm-A-Ningで熱く燃え上がるのは、当時のMonkバンドの定番だった。
Rhythm-A-NingのMonkのソロはちょっとすごい。畳み掛けるように高音をたたき出すその流れは、狂気すら感じさせる。貴重な録音だ。
1stセットのエンディングは毎度おなじみEpistrophy。
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2ndセットはLight Blueから。リラックスした演奏だ。
2曲目のOff MinorはMONK'S MUSIC [Riverside]をはじめ、この頃Monkが集中的に取り上げていたナンバー。だが、ColtraneもGriffinもやらなかったなあ。この曲にはRouseが合っていることを、Monkが発見したのかもしれない。
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3曲目のFiday the 13thは、この当時としては珍しいレパートリー。もしかすると、Rouseが自分のバンドですでに演奏していた得意曲なのかもしれない。
マーチ風に処理するRoy Haynesがおもしろい。やっぱりこの人勘がいいね。
そして2ndセットのエンディングもEpistrophy。
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Rouse入りのMonk 4は、一般リスナーには今はあんまり人気ないんだけど、この録音は非常に貴重なものなので、いずれまた再発してほしい。今は、中古で見つけたら逃さず買っといた方がいいぞ。ジャケットが冴えないので、見逃しがちだが。
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(追記)@2017/03/31
LIVE IN NEW YORK VOL.1というからには、VOL.2もあるんだろう、と探してみた。そしたらやっぱりあった。
Thelonious Monk Quartet/LIVE IN NEW YORK VOL.2 [Thelonious] rec.1963, pub.2002
http://www.allmusic.com/album/thelonious-monk-quartet-live-in-new-york-vol-2-mw0001245722
1963/??/??, NYC
CR (ts), TM (p), Butch Warren (b), Frankie Dunlop (ds)
01. Blue Monk
02. Light Blue
03. Rhythm-A-Ning
04. Epistrophy
05. I'm Getting Sentimental over You
06. Straight No Chaser
07. Evidence
08. Epistrophy
Dunlop時代の快調なMonk 4だから、これも聴いてみたい。どうも、これはTheloniousレーベルからのリリースのみで、Exploreレーベルから再発はされなかったようだ。
VOL.1&2のカップリングでも発売されたようだ。
Thelonious Monk Quartet/LIVE IN NEW YORK VOL.1 & 2 [Thelonious] rec.1958 & 1963, pub.2002
http://rateyourmusic.com/release/album/thelonious_monk/live_in_new_york_vol__1and2/
おそらくこれも音源はNicaさんテープなのだろう。とすれば、再発の望みはかなり薄いかな。いつか中古にぶち当たる日を楽しみにしていよう。
2017年3月22日水曜日
Thelonious Monk at the Five Spot大全(9) Five Spot 1958 with John Coltrane
Coltraneの一時的とはいえ、Monk 4への復活である。
前回述べたように、1958年のFive Spot Liveでは、Griffinが留守がちであったため、Monkは複数のサックス奏者をトラ(エキストラ)として用意していた。
その一人が、前年のレギュラーJohn Coltrane。
------------------------------------------
1958年初頭から、ColtraneはMiles Davisが再開したバンドに復帰。旧Quintet(MD (tp), JC (ts), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds))にCannonball Adderley (as)を加えたSextetとなった。
1958/02~03にはMILESTONES [Columbia]を録音。Mode奏法の実験が開始されたアルバムである。
5月には、Graland、Philly Joeに替わってBill Evans (p)とJimmy Cobb (ds)が加入。当初お蔵入りとはなったが、1958 MILES [Columbia]セッションを録音。
7月にはMonkもトリオで出演したNewport Jazz FestivalにMiles 6も出演し、NEWPORT '58 [Columbia]として記録が残っている。
09/09には、Columbia Recordsのコンベンションで演奏。こちらも後にJAZZ AT THE PLAZA [Columbia]として発表された。MonkとのFive Spot Liveの2日前だ。忙しいね、どうも。
------------------------------------------
自信たっぷりに吹きまくるColtraneの評判はうなぎ登り。
Prestigeのセッションも相変わらず多く、2月には名盤SOULTRANE [Prestige]、3月にはSETTIN' THE PACE [Prestige]、5月にはBLACK PEARLS [Prestige]、7月にはSTANDARD COLTRANE/STARDUST/BAHIA [Prestige]に分散収録される8曲を録音。
もう留まるところを知らない。
------------------------------------------
そんな多忙なColtraneでも、Monkの頼みとあらば、さっそくトラに駆けつける。
そのColtraneがGriffinのトラを務めた時の録音がこれ↓
The Thelonious Monk Quartet featuring John Coltrane/LIVE AT THE FIVE SPOT : DISCOVERY! [Blue Note(東芝EMI)] rec. 1958, pub. 1993
Art Direction & Design : Oscar Schnider Design, Inc.
1958/09/11, Five Spot Cafe, NYC
JC (ts), TM (p), Ahmed Abdul - Malik (b), Roy Haynes (ds)
01. Trinkle Tinkle
02. In Walked Bud
03. I Mean You
04. Epistrophy
05. Crepuscule with Nellie
------------------------------------------
これが発掘された1993年時の評判はすごかった。待ちに待ったMonk – ColtraneのFive Spot Liveだったのだから。
当初は「1957年Five Spotの発掘!」という触れ込みだったのだが、ドラムスは私のような素人が聴いてもRoy Haynesにしか聴こえない。ならば、これは1957年のはずがない。
案の定、その後、1958/09/11、GriffinのトラをColtraneが務めた際に、当時のColtraneの妻Naimaがテレコで録音したものであることが判明した。
テレコ録音なので、当然音は劣悪。中には「音が悪いので聴く価値なし」という評価を下す人もいるが、私はブート音質などぜんぜん平気なので、大喜びで聴きました。ただ、Coltraneがややオフ気味なのは残念。
------------------------------------------
このライブは、ウォーミング・アップみたいなCrepuscule with Nellieで始まったのだが、それでは盛り上がりに欠けるので、Blue Note盤ではTrinkle Tinkleを1曲目に持ってきた。
Monkの珍曲の一つ。Coltraneとは前年にMONK WITH COLTRANE [Riverside/Jazzland]で録音しているので、Coltraneにはお手のもの。1957年よりも一層自信たっぷりで、音数も一段と増えている。Griffinも熱演だったのだが、この時のColtraneはもう熱演を越えて、なにか凄みが出てきている。
また、こういう変な曲へのRoy Haynesの反応は一段とすごい。すごくおもしろいドラミングだ。テレコの位置がドラムスに近いらしく、Roy Haynesばかりよく聞こえる。
------------------------------------------
2曲めはIn Walked Bud。これまでGriffinでさんざん聴き慣れているので、Coltraneというのはちょっと違和感あった。Coltraneは高音部でヒラヒラ吹くので、この曲はGriffinバージョンのほうが好きかな。
ここでのMonkは絶好調で、全くよどみなくバリバリ弾きまくる。久々のColtraneとの共演の喜びが伝わってくる。それにしてもカッコイイ曲。
------------------------------------------
3曲めI Mean YouはColtraneは初めての録音(Five Spot 1957では演奏していたんだろうけど)。Coltraneは、アドリブの素材として曲を切り刻んでいる。
しかしこの時のバンドは凄いね。Coltraneの息子Raviが「Cranegie Liveよりこっちの方が好きだ」というのもうなづける。
例によって短いEpistrophyでエンディング。録音トラブルなのか、発表できない会話かなんかが入ったのか、Coltraneのソロの途中でカット。Monkのソロが丸々カットされているのは残念。
実際は冒頭で演奏されたCrepuscule・・・を、最後に持ってきたのは正解。いい終わり方だ。
------------------------------------------
音は悪いが、これは一時期聴きまくった。愛聴盤のひとつです。
しかし、なんということか、これは1993年に出て以来、再発されていないようだ。中古市場には常にあふれているので、入手に困るということはあまりないのだが、それにしてももったいない。
------------------------------------------
そんな状態なので、こういうブツはすかさずブート屋に食われてしまう。それがこれ↓
Thelonious Monk Quartet with John Coltrane/COMPLETE LIVE AT THE FIVE SPOT 1958 [Gambit] rec. 1957-58, pub. 2006
1958/09/11, Five Spot Cafe, NYC
JC (ts), TM (p), AAM (b), RH (ds)
01. Crepuscule with Nellie
02. Trinkle Tinkle
03. In Walked Bud
04. I Mean You
05. Epistrophy
1957/07-08?, Five Spot Cafe, NYC
JC (ts), TM (p), Wilbur Ware ? (b), Shadow Wilson ? (ds)
06. Ruby My Dear
07. Nutty
------------------------------------------
これは前述のDISCOVERY!をリマスターして音質を向上させたもの。といっても、元がテレコ録音なので、音質向上といっても限りがあるのだが。
強いて言えば、周囲のガヤガヤがよく聞こえるようになった。Blue Note盤の低音質は、観客の会話についての、著作権面でのトラブルをさけるために、わざと悪いままにしていたんではないか、と推察している。
------------------------------------------
1957年録音と思われるボーナス・トラックスについては、
2017年2月8日水曜日 Thelonious Monk at the Five Spot大全(4) Five Spot 1957 with Coltrane
を参照のこと。
------------------------------------------
これがMonk – Coltrane最後の共演となった。この後Coltraneは思い残すことなく自分の道を突き進むことになる。
前回述べたように、1958年のFive Spot Liveでは、Griffinが留守がちであったため、Monkは複数のサックス奏者をトラ(エキストラ)として用意していた。
その一人が、前年のレギュラーJohn Coltrane。
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1958年初頭から、ColtraneはMiles Davisが再開したバンドに復帰。旧Quintet(MD (tp), JC (ts), Red Garland (p), Paul Chambers (b), Philly Joe Jones (ds))にCannonball Adderley (as)を加えたSextetとなった。
1958/02~03にはMILESTONES [Columbia]を録音。Mode奏法の実験が開始されたアルバムである。
5月には、Graland、Philly Joeに替わってBill Evans (p)とJimmy Cobb (ds)が加入。当初お蔵入りとはなったが、1958 MILES [Columbia]セッションを録音。
7月にはMonkもトリオで出演したNewport Jazz FestivalにMiles 6も出演し、NEWPORT '58 [Columbia]として記録が残っている。
09/09には、Columbia Recordsのコンベンションで演奏。こちらも後にJAZZ AT THE PLAZA [Columbia]として発表された。MonkとのFive Spot Liveの2日前だ。忙しいね、どうも。
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自信たっぷりに吹きまくるColtraneの評判はうなぎ登り。
Prestigeのセッションも相変わらず多く、2月には名盤SOULTRANE [Prestige]、3月にはSETTIN' THE PACE [Prestige]、5月にはBLACK PEARLS [Prestige]、7月にはSTANDARD COLTRANE/STARDUST/BAHIA [Prestige]に分散収録される8曲を録音。
もう留まるところを知らない。
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そんな多忙なColtraneでも、Monkの頼みとあらば、さっそくトラに駆けつける。
そのColtraneがGriffinのトラを務めた時の録音がこれ↓
The Thelonious Monk Quartet featuring John Coltrane/LIVE AT THE FIVE SPOT : DISCOVERY! [Blue Note(東芝EMI)] rec. 1958, pub. 1993
Art Direction & Design : Oscar Schnider Design, Inc.
1958/09/11, Five Spot Cafe, NYC
JC (ts), TM (p), Ahmed Abdul - Malik (b), Roy Haynes (ds)
01. Trinkle Tinkle
02. In Walked Bud
03. I Mean You
04. Epistrophy
05. Crepuscule with Nellie
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これが発掘された1993年時の評判はすごかった。待ちに待ったMonk – ColtraneのFive Spot Liveだったのだから。
当初は「1957年Five Spotの発掘!」という触れ込みだったのだが、ドラムスは私のような素人が聴いてもRoy Haynesにしか聴こえない。ならば、これは1957年のはずがない。
案の定、その後、1958/09/11、GriffinのトラをColtraneが務めた際に、当時のColtraneの妻Naimaがテレコで録音したものであることが判明した。
テレコ録音なので、当然音は劣悪。中には「音が悪いので聴く価値なし」という評価を下す人もいるが、私はブート音質などぜんぜん平気なので、大喜びで聴きました。ただ、Coltraneがややオフ気味なのは残念。
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このライブは、ウォーミング・アップみたいなCrepuscule with Nellieで始まったのだが、それでは盛り上がりに欠けるので、Blue Note盤ではTrinkle Tinkleを1曲目に持ってきた。
Monkの珍曲の一つ。Coltraneとは前年にMONK WITH COLTRANE [Riverside/Jazzland]で録音しているので、Coltraneにはお手のもの。1957年よりも一層自信たっぷりで、音数も一段と増えている。Griffinも熱演だったのだが、この時のColtraneはもう熱演を越えて、なにか凄みが出てきている。
また、こういう変な曲へのRoy Haynesの反応は一段とすごい。すごくおもしろいドラミングだ。テレコの位置がドラムスに近いらしく、Roy Haynesばかりよく聞こえる。
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2曲めはIn Walked Bud。これまでGriffinでさんざん聴き慣れているので、Coltraneというのはちょっと違和感あった。Coltraneは高音部でヒラヒラ吹くので、この曲はGriffinバージョンのほうが好きかな。
ここでのMonkは絶好調で、全くよどみなくバリバリ弾きまくる。久々のColtraneとの共演の喜びが伝わってくる。それにしてもカッコイイ曲。
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3曲めI Mean YouはColtraneは初めての録音(Five Spot 1957では演奏していたんだろうけど)。Coltraneは、アドリブの素材として曲を切り刻んでいる。
しかしこの時のバンドは凄いね。Coltraneの息子Raviが「Cranegie Liveよりこっちの方が好きだ」というのもうなづける。
例によって短いEpistrophyでエンディング。録音トラブルなのか、発表できない会話かなんかが入ったのか、Coltraneのソロの途中でカット。Monkのソロが丸々カットされているのは残念。
実際は冒頭で演奏されたCrepuscule・・・を、最後に持ってきたのは正解。いい終わり方だ。
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音は悪いが、これは一時期聴きまくった。愛聴盤のひとつです。
しかし、なんということか、これは1993年に出て以来、再発されていないようだ。中古市場には常にあふれているので、入手に困るということはあまりないのだが、それにしてももったいない。
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そんな状態なので、こういうブツはすかさずブート屋に食われてしまう。それがこれ↓
Thelonious Monk Quartet with John Coltrane/COMPLETE LIVE AT THE FIVE SPOT 1958 [Gambit] rec. 1957-58, pub. 2006
1958/09/11, Five Spot Cafe, NYC
JC (ts), TM (p), AAM (b), RH (ds)
01. Crepuscule with Nellie
02. Trinkle Tinkle
03. In Walked Bud
04. I Mean You
05. Epistrophy
1957/07-08?, Five Spot Cafe, NYC
JC (ts), TM (p), Wilbur Ware ? (b), Shadow Wilson ? (ds)
06. Ruby My Dear
07. Nutty
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これは前述のDISCOVERY!をリマスターして音質を向上させたもの。といっても、元がテレコ録音なので、音質向上といっても限りがあるのだが。
強いて言えば、周囲のガヤガヤがよく聞こえるようになった。Blue Note盤の低音質は、観客の会話についての、著作権面でのトラブルをさけるために、わざと悪いままにしていたんではないか、と推察している。
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1957年録音と思われるボーナス・トラックスについては、
2017年2月8日水曜日 Thelonious Monk at the Five Spot大全(4) Five Spot 1957 with Coltrane
を参照のこと。
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これがMonk – Coltrane最後の共演となった。この後Coltraneは思い残すことなく自分の道を突き進むことになる。
2017年3月19日日曜日
Thelonious Monk at the Five Spot大全(8) Five Spot 1958 with Johnny Griffin -その2
1958/07/09の(テスト?)録音に続き、08/07にもRiversideによる録音が行われ、この日の演奏がIN ACTION/MISTERIOSOの2枚で発表された。
Thelonious Monk Quartet with Johnny Griffin/THELONIOUS IN ACTION [Riverside] rec. 1958
Cover Design : Paul Bacon
1958/08/07, Five Spot Cafe, NYC
Johnny Griffin (ts), TM (p), Ahmed Abdul - Malik (b), Roy Haynes (ds)
01. Light Blue
02. Coming on the Hudson
03. Rhythm-A-Ning
04. Epistrophy (theme)
05. Blue Monk
06. Evidence
07. Epistrophy (theme)
------------------------------------------
IN ACTIONは、Light BlueとComing on the Hudsonというミディアム・テンポの、わりとおとなしめの曲で始まる。Griffinはこういった曲調でもいつものように全開だが。
Rhythm-A-Ningでは、Griffinだけではなく、MonkもHaynesも全開となる。目立たないが、Abdul – Malikのよくドライブするベース・ラインもエキサイティングだ。
Griffinのソロ最中は、Monkはほとんど休んでいる。最初にキンキンキンと入れる三音がMonkらしい。こんな音を入れられて、よくソロを平然と続けられるものだ、と感心する。それはColtraneもRouseもそうなのだが。
Monkのソロでは何度も得意の下降フレーズが飛び出す。これが出るときはMonkが絶好調の証拠。
毎度おなじみのクロージング・テーマEpistrophyでA面が終わる。
------------------------------------------
B面の1曲めは、おなじみBlue Monk。Griffinのソロでは、またしてもほとんどMonk抜き。Griffinがたっぷりソロを吹ききったところで、気持ちよさそうにMonkがソロを展開する。
Evidenceのような変態曲になると、Roy Haynesの臨機応変のドラミングが冴え渡る。とはいえ、Monk抜きのGriffinのソロになると、あまりEvidenceの変態性は感じられなくなる。Monkのソロになると、やっぱり変な曲だなあ、と思うのだけれども。
短いがAbdul – Malikのソロもよくこの曲を消化しているし、この変な曲のメロディに逐一反応できるHaynesのドラミングは本当にすごい。一番Monkらしい曲は何か?と問われれば、文句なしにこのEvidenceだろう。
B面のエンディングももちろんEpistrophy。
------------------------------------------
Thelonious Monk Quartet/MISTERIOSO [Riverside] rec. 1958
Cover Painting : Giorgio de Chirico
Cover Design : Paul Bacon
1958/08/07, Five Spot Cafe, NYC
JG (ts), TM (p), AAM (b), RH (ds)
01. Nutty
02. Blues Five Spot
03. Let's Cool One
04. In Walked Bud
05. Just A Gigolo (TM solo)
06. Misterioso
------------------------------------------
MISTERIOSOのA面はNuttyとBlues Five Spotで、どちらも比較的のんびり始まるが、Griffinのソロになると手に汗握る展開になってしまうのはいつもと同じだ。全く・・・手抜きを知らない人だね、この人は!
Blues Five Spotのブレイクで、Griffinの完全ソロになり、Monkのソロに移るあたりは実にカッコイイ。
------------------------------------------
A面3曲めLet's Cool OneからB面いっぱいが、Five Spot 1958のハイライトだろう。どの曲も実にカッコイイ。
B面1曲めは、Monk作曲の中で一番カッコイイ曲In Walked Budだ。この曲の代表演奏はGriffinのこの演奏と言っていいだろう。
Just A Gigoloは、1954年Prestigeのトリオ盤から弾き続けているMonkの愛奏曲。常にソロ。ここでもそうだが、テーマを繰り返すだけの短い演奏だ。
MisteriosoはMonkの曲の中でも、一番変な曲と言っていい。テーマはメカニカルなメロディなのに、実は泥臭いBluesだという、このギャップ。なお、LPではGriffinのソロの途中でフェイドアウトされていたのだが、CD化を機に終わりまで収録されるようになった。
------------------------------------------
Roy HaynesはBe Bop時代から活躍しているドラマーだが、1950年代中頃まではあまり目立った活動がなかった。それがこのMonk 4参加以来、充実した仕事がぐっと増えた。Five Spot Liveの直後のWE THREE [Prestige/New Jazz] rec.1958/11/14 からそれは始まる。
特に、Eric DolphyやColtraneなどのプログレッシヴ・ジャズ畑で、名指しで参加を乞われるようになったのは、間違いなくこのMonk 4での活躍と臨機応変の対応力が世間の耳に止まったからだろう。Newport 1963でColtraneとサシで死闘を繰り広げたImpressionsなどは、Jazz界最大の遺産のひとつ。
Roland Kirkとの共演、Andrew Hillとのコラボレーション、長く続くChick Coreaとのコラボレーション、果てはPat Methenyとの共演なども、みなこの文脈で語っていい仕事だ。もはやBe Bop時代から活躍しているドラマーとは思えない幅の広さ。
そして1970年代初頭、Hannibal Marvin Peterson、George Adamsを擁したヘビー級バンドHip Ensembleで、その活動は頂点を極める。
2017年3月17日現在、92歳、まだ現役!一部では「化物」などとも呼ばれているが、いつまでもドラムを叩いていてほしいぞ。
------------------------------------------
さて、Monk 4のレギュラーであるJohnny Griffinだったが、当時GriffinはRiverside専属の売り出し中で、Riversideをはじめとする数多くのセッションで多忙を極めた。Five Spot出演中も
・07/02&03 Blue Mitchell/BIG 6 [Riverside]
・07/16 Babs Gonzales/VOLLA [Hope]
・09/17 Philly Joe Jones/BLUES FOR DRACULA [Riverside]
・09/?? CHET BAKER IN NEW YORK [Riverside]
・09/?? Nat Adderley/BRANCHING OUT [Riverside]
と引っ張りだこ。
当然、Monk 4のFive Spot Liveに参加できない日もしょっちゅう。他の仕事で留守にしてもいい、というのがMonk 4への参加の条件だったのだろう。
Monkはその対策として、代役のサックス奏者を数人常に用意していた。次回からはそのトラ(エキストラ)・サックス奏者とのFive Spot 1958 Liveを見ていこう。
------------------------------------------
GriffinはこのFive Spot Live録音が有名だが、実はわずか3ヶ月の在籍で、1958年9月末にはバンドを去る(Monk 4のFive Spot出演は10月半ばまで続く)。
GriffinがMonkと再会を果たすのは、1967年のMonk Septet/Octetのヨーロッパ・ツアーであった(1963年以来ヨーロッパに移住している)。
------------------------------------------
毎度おなじみの
Hal Willner/THAT'S THE WAY I FEEL NOW : A TRIBUTE TO THELONIOUS MONK [A&M(キャニオン)] pub. 1984
Design : M&Co. New York
にもGriffinは当然登場。Carla Bley Bandにゲストとして迎えられ、Misteriosoのソロ・パートを任されている。
1983?, NYC
JG (ts), Michael Mantler (tp), Vincent Chancey (frh), Gary Valente (tb), Bob Stewart (tu), Steve Slagle (as, bs), Kenny Kirkland (p), CB (org, arr), Hiram Bullock (g), Steve Swallow (b), Victor Lewis (ds), Manolo Badrena (perc), Hal Willner (voice)
A05. Carla Bley Band with Special Guest Johnny Griffin/Misterioso
これは
Carla Bley/HEAVY HEART [ECM/Watt] rec.1983, pub.1984
とは録音時期もメンバーもほぼ同じなので、このアルバム制作の合間に録音したものだろう。
Carlaらしい牧歌的なイントロから始まり、Monkのメカニカルなテーマ・メロディ、そしてGriffinの泥臭さたっぷりのBluesソロと、Misteriosoの多面的な姿とCarla、Monk、Griffin三者の長所を表現。まさに傑作だ。
===========================================
(追記)@2017/03/31
・Robin D.G. Kelley (2009) THELONIOUS MONK : THE LIFE AND TIMES OF AN AMERICAN ORIGINAL. xviii+588pp.+pls. Free Press, New York.
によれば、Griffinは9月上旬にはMonkバンドから抜けていたそうな。理由はギャラが悪かったから。
GriffinはMonk 4に1年くらいいたという話もあるが、どうも実際は2か月くらいだったよう。それでこの傑作ライブ盤を残していくのだから、さすがというべきか。
Thelonious Monk Quartet with Johnny Griffin/THELONIOUS IN ACTION [Riverside] rec. 1958
Cover Design : Paul Bacon
1958/08/07, Five Spot Cafe, NYC
Johnny Griffin (ts), TM (p), Ahmed Abdul - Malik (b), Roy Haynes (ds)
01. Light Blue
02. Coming on the Hudson
03. Rhythm-A-Ning
04. Epistrophy (theme)
05. Blue Monk
06. Evidence
07. Epistrophy (theme)
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IN ACTIONは、Light BlueとComing on the Hudsonというミディアム・テンポの、わりとおとなしめの曲で始まる。Griffinはこういった曲調でもいつものように全開だが。
Rhythm-A-Ningでは、Griffinだけではなく、MonkもHaynesも全開となる。目立たないが、Abdul – Malikのよくドライブするベース・ラインもエキサイティングだ。
Griffinのソロ最中は、Monkはほとんど休んでいる。最初にキンキンキンと入れる三音がMonkらしい。こんな音を入れられて、よくソロを平然と続けられるものだ、と感心する。それはColtraneもRouseもそうなのだが。
Monkのソロでは何度も得意の下降フレーズが飛び出す。これが出るときはMonkが絶好調の証拠。
毎度おなじみのクロージング・テーマEpistrophyでA面が終わる。
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B面の1曲めは、おなじみBlue Monk。Griffinのソロでは、またしてもほとんどMonk抜き。Griffinがたっぷりソロを吹ききったところで、気持ちよさそうにMonkがソロを展開する。
Evidenceのような変態曲になると、Roy Haynesの臨機応変のドラミングが冴え渡る。とはいえ、Monk抜きのGriffinのソロになると、あまりEvidenceの変態性は感じられなくなる。Monkのソロになると、やっぱり変な曲だなあ、と思うのだけれども。
短いがAbdul – Malikのソロもよくこの曲を消化しているし、この変な曲のメロディに逐一反応できるHaynesのドラミングは本当にすごい。一番Monkらしい曲は何か?と問われれば、文句なしにこのEvidenceだろう。
B面のエンディングももちろんEpistrophy。
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Thelonious Monk Quartet/MISTERIOSO [Riverside] rec. 1958
Cover Painting : Giorgio de Chirico
Cover Design : Paul Bacon
1958/08/07, Five Spot Cafe, NYC
JG (ts), TM (p), AAM (b), RH (ds)
01. Nutty
02. Blues Five Spot
03. Let's Cool One
04. In Walked Bud
05. Just A Gigolo (TM solo)
06. Misterioso
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MISTERIOSOのA面はNuttyとBlues Five Spotで、どちらも比較的のんびり始まるが、Griffinのソロになると手に汗握る展開になってしまうのはいつもと同じだ。全く・・・手抜きを知らない人だね、この人は!
Blues Five Spotのブレイクで、Griffinの完全ソロになり、Monkのソロに移るあたりは実にカッコイイ。
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A面3曲めLet's Cool OneからB面いっぱいが、Five Spot 1958のハイライトだろう。どの曲も実にカッコイイ。
B面1曲めは、Monk作曲の中で一番カッコイイ曲In Walked Budだ。この曲の代表演奏はGriffinのこの演奏と言っていいだろう。
Just A Gigoloは、1954年Prestigeのトリオ盤から弾き続けているMonkの愛奏曲。常にソロ。ここでもそうだが、テーマを繰り返すだけの短い演奏だ。
MisteriosoはMonkの曲の中でも、一番変な曲と言っていい。テーマはメカニカルなメロディなのに、実は泥臭いBluesだという、このギャップ。なお、LPではGriffinのソロの途中でフェイドアウトされていたのだが、CD化を機に終わりまで収録されるようになった。
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Roy HaynesはBe Bop時代から活躍しているドラマーだが、1950年代中頃まではあまり目立った活動がなかった。それがこのMonk 4参加以来、充実した仕事がぐっと増えた。Five Spot Liveの直後のWE THREE [Prestige/New Jazz] rec.1958/11/14 からそれは始まる。
特に、Eric DolphyやColtraneなどのプログレッシヴ・ジャズ畑で、名指しで参加を乞われるようになったのは、間違いなくこのMonk 4での活躍と臨機応変の対応力が世間の耳に止まったからだろう。Newport 1963でColtraneとサシで死闘を繰り広げたImpressionsなどは、Jazz界最大の遺産のひとつ。
Roland Kirkとの共演、Andrew Hillとのコラボレーション、長く続くChick Coreaとのコラボレーション、果てはPat Methenyとの共演なども、みなこの文脈で語っていい仕事だ。もはやBe Bop時代から活躍しているドラマーとは思えない幅の広さ。
そして1970年代初頭、Hannibal Marvin Peterson、George Adamsを擁したヘビー級バンドHip Ensembleで、その活動は頂点を極める。
2017年3月17日現在、92歳、まだ現役!一部では「化物」などとも呼ばれているが、いつまでもドラムを叩いていてほしいぞ。
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さて、Monk 4のレギュラーであるJohnny Griffinだったが、当時GriffinはRiverside専属の売り出し中で、Riversideをはじめとする数多くのセッションで多忙を極めた。Five Spot出演中も
・07/02&03 Blue Mitchell/BIG 6 [Riverside]
・07/16 Babs Gonzales/VOLLA [Hope]
・09/17 Philly Joe Jones/BLUES FOR DRACULA [Riverside]
・09/?? CHET BAKER IN NEW YORK [Riverside]
・09/?? Nat Adderley/BRANCHING OUT [Riverside]
と引っ張りだこ。
当然、Monk 4のFive Spot Liveに参加できない日もしょっちゅう。他の仕事で留守にしてもいい、というのがMonk 4への参加の条件だったのだろう。
Monkはその対策として、代役のサックス奏者を数人常に用意していた。次回からはそのトラ(エキストラ)・サックス奏者とのFive Spot 1958 Liveを見ていこう。
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GriffinはこのFive Spot Live録音が有名だが、実はわずか3ヶ月の在籍で、1958年9月末にはバンドを去る(Monk 4のFive Spot出演は10月半ばまで続く)。
GriffinがMonkと再会を果たすのは、1967年のMonk Septet/Octetのヨーロッパ・ツアーであった(1963年以来ヨーロッパに移住している)。
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毎度おなじみの
Hal Willner/THAT'S THE WAY I FEEL NOW : A TRIBUTE TO THELONIOUS MONK [A&M(キャニオン)] pub. 1984
Design : M&Co. New York
にもGriffinは当然登場。Carla Bley Bandにゲストとして迎えられ、Misteriosoのソロ・パートを任されている。
1983?, NYC
JG (ts), Michael Mantler (tp), Vincent Chancey (frh), Gary Valente (tb), Bob Stewart (tu), Steve Slagle (as, bs), Kenny Kirkland (p), CB (org, arr), Hiram Bullock (g), Steve Swallow (b), Victor Lewis (ds), Manolo Badrena (perc), Hal Willner (voice)
A05. Carla Bley Band with Special Guest Johnny Griffin/Misterioso
これは
Carla Bley/HEAVY HEART [ECM/Watt] rec.1983, pub.1984
とは録音時期もメンバーもほぼ同じなので、このアルバム制作の合間に録音したものだろう。
Carlaらしい牧歌的なイントロから始まり、Monkのメカニカルなテーマ・メロディ、そしてGriffinの泥臭さたっぷりのBluesソロと、Misteriosoの多面的な姿とCarla、Monk、Griffin三者の長所を表現。まさに傑作だ。
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(追記)@2017/03/31
・Robin D.G. Kelley (2009) THELONIOUS MONK : THE LIFE AND TIMES OF AN AMERICAN ORIGINAL. xviii+588pp.+pls. Free Press, New York.
によれば、Griffinは9月上旬にはMonkバンドから抜けていたそうな。理由はギャラが悪かったから。
GriffinはMonk 4に1年くらいいたという話もあるが、どうも実際は2か月くらいだったよう。それでこの傑作ライブ盤を残していくのだから、さすがというべきか。
2017年3月16日木曜日
Thelonious Monk at the Five Spot大全(7) Five Spot 1958 with Johnny Griffin -その1
Johnny GriffinのMonkとの初共演は、
ART BLAKEY'S JAZZ MESSENGERS WITH THELONIOUS MONK [Atlantic] rec. 1957
1957/05/14&15, NYC
Bill Hardman (tp), JG (ts), TM (p), Spanky DeBrest (b), AB (ds)
01. Evidence
02. In Walked Bud
03. Blue Monk
04. I Mean You
05. Rhythm-A-Ning
06. Purple Shade
------------------------------------------
当時のJMは、後のBenny GolsonやWayne Shorterのような音楽監督がおらず、「暗黒時代」と言われていた。
そこに当時のレギュラー・ピアニストSam Dockeryの代わりにMonkがゲスト出演。JMにしては珍しくAtlanticへの録音だ。単発だけど。
------------------------------------------
Monkをゲストに迎える、というのはBlakeyのアイディアなのか、ProducerのNesuhi Ertegunのアイディアなのかわからないが、まさに卓見だ。BlakeyとMonkの相性は最高だし。
そしてGriffinとの相性も最高であることが、ここで明らかになる。
------------------------------------------
6曲中Monkの曲が5曲。いきなり難曲Evidenceから始まるあたり、Monk色が強い。
放っておくとMonkのリーダー作になってしまうので、Blakeyはかなり意識的に音を多めにしている。
GriffinはMonkの難曲をサクサクこなしていく。I Mean Youを除く4曲はFive Spot 1958でも再演されているし、ここでGriffinはMonk曲を自家籠中のものにしたよう。
------------------------------------------
他人のバンドとは思えないほどMonkは自由。自分のソロなのに、数秒間沈黙が続くとか、普通ありえない。Blakeyが焦って煽ってきてようやくソロが続く。ある意味エキサイティング。
最後のPurple ShadesはGriffinらしいBlues曲。Monkの変な解釈がおもしろい。Five Spotでも、1曲くらいGriffinの曲やってもおもしろかったかもしれない。
------------------------------------------
Jazz Messengersの作品としても、Monkの作品としても、注目されることは少ないが、名盤だと思う。
しかしステレオ黎明期らしいとも言えるのだが、左チャンネルにBlakeyはじめJM全員を集めてしまい、右チャンネルはMonkだけ、という珍妙なミキシングはなんとかならんものか。
Monkはしょっちゅう沈黙するのだが、すると右チャンネルからはしばらく何も聞こえない。この放送事故みたいな時間帯が結構あるのは笑えるけど・・・しかし。
------------------------------------------
Griffinは1957年3月に、Jackie McLeanに代わってJMに加入し、1957年12月まではJMのレコーディングに名前が見える。
1958年になると、BlakeyもGriffinセッション・ワークが忙しくなり、JMはお休み状態だったようだ。
JMが復活するのは、1958年後半。Benny Golsonが加入し、Lee MorganやらBobby Timmonsを引っ張りこんでMOANIN' [Blue Note] rec. 1958/10/30を録音して以降だ。
===========================================
GriffinがMonk 4に加入したのは1958年のいつごろだろうか?7月のNewport Jazz Festivalはまだトリオでの出演だから、Five Spot Liveが始まる8月の直前だろう。
Griffin参加Monk 4の録音は、このFive Spot Liveしかない。他にライブ活動があったかも怪しく、Griffinのレギュラー期間は、おそらくFive Spot Liveの間だけだったのではないかと思う。
------------------------------------------
Five Spot 1958は、通常IN ACTIONとMISTERIOSOの2枚にまとめられているが、その後の発掘曲も含めて集大成した2枚組がこれ↓
Thelonious Monk Quartet featuring Johnny Griffin/COMPLETE LIVE AT THE FIVE SPOT 1958 [Riverside→Lonehill Jazz] rec. 1958, pub. 2009
これはかなりのお得盤だ。
------------------------------------------
2枚目の最後に収録されているのが、
1958/02/25, NYC
Donald Byrd (tp), JG (ts), Pepper Adams (bs), TM (p), Wilbur Ware (b), Philly Joe Jones (ds)
2-09. Coming on the Hudson
これは、
JOHNNY GRIFFIN SEXTET [Riverside] rec. 1958
録音時に、Kenny Drewに代わって、1曲だけMonkが加わったもの。長らくお蔵入りとなっていたが、Monkの未発表曲集
Thelonious Monk/BLUES FIVE SPOT [Milestone]
で初公開された。
すでに共演経験があるはずのPhilly Joeでも、Monkのリズム感覚に合わせるのに苦労している。Byrdもこの面妖な曲に相当とまどっている様子。すごくおもしろい。
そんな中、GriffinはMonkに惑わされず、グイグイ吹きまくる。これはFive Spotでも同じで、すでにMonkとの共演のコツを掴んでいることがわかる。
------------------------------------------
1958/07/09, Five Spot Cafe, NYC
JG (ts), TM (p), Ahmed Abdul - Malik (b), Roy Haynes (ds)
2-03. Evidence
2-04. Blues Five Spot
2-05. In Walked Bud / Epistrophy (theme)
2-06. Sweet Stranger (TM solo)
2-07. 'Round Midnight
1958/07/09, Five Spot Cafe, NYC
JG (ts), TM (p), AAM (b), AB (ds)
2-08. Bye-Ya / Epistrophy (theme)
ここからFive Spot 1958録音が始まる。
しかし、これはIN ACTION/MISTERIOSOが録音された08/07の1ヶ月前の録音。テスト録音だったのだろうか。
(追記)@2017/03/18
リリース用の本番録音だったらしいが、Monkが気に入らず、08/07に再度録音となったらしい。
今は両盤にボーナス・トラックとして収録されているケースが多い。
------------------------------------------
Coltraneは迷っている状態でMonkに出会い、懸命にMonkの音楽を吸収しようとしていた。MonkとColtraneの音楽性は結構異質なんだが、ColtraneがMonkに擦り寄る形で、意外にバランスがとれていた。
今回のQuartetは、GriffinにしてもHaynesにしても、すでに自分のスタイルが完全に確立されている。従って、Monkの色にあまり染まらない。むしろMonkとぶつかり合うことで、丁々発止の勝負を繰り広げている感じ。そんなことができるミュージシャンは、滅多にいない。
Coltrane時代とは、また別の、非常にスリリリングなライブ録音となった。Monk作品としては、むしろ珍しい作品といえるかもしれない。
GriffinのソロでMonkが休んでいるときなど、完全にJohnny Griffin Trio Play Monkになってるし。Monk作品としても、Griffin作品(曲は全部Monkだが)としても聴くことができる。
------------------------------------------
'Round Midnightは、後にGriffinの得意曲になることもあり、またIN ACTION/MISTERIOSOでは演奏されていないので、ありがたい収録。
Haynesに代わってBlakeyが叩いたBye Ya/Epistrophyについては、前々回の
2017年2月25日土曜日 Bye-Ya 7連発!→ 8連発!
を参照のこと。
------------------------------------------
次回は、Five Spot 1958の核心、IN ACTION/MISTERIOSOを見ていこう。
ART BLAKEY'S JAZZ MESSENGERS WITH THELONIOUS MONK [Atlantic] rec. 1957
1957/05/14&15, NYC
Bill Hardman (tp), JG (ts), TM (p), Spanky DeBrest (b), AB (ds)
01. Evidence
02. In Walked Bud
03. Blue Monk
04. I Mean You
05. Rhythm-A-Ning
06. Purple Shade
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当時のJMは、後のBenny GolsonやWayne Shorterのような音楽監督がおらず、「暗黒時代」と言われていた。
そこに当時のレギュラー・ピアニストSam Dockeryの代わりにMonkがゲスト出演。JMにしては珍しくAtlanticへの録音だ。単発だけど。
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Monkをゲストに迎える、というのはBlakeyのアイディアなのか、ProducerのNesuhi Ertegunのアイディアなのかわからないが、まさに卓見だ。BlakeyとMonkの相性は最高だし。
そしてGriffinとの相性も最高であることが、ここで明らかになる。
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6曲中Monkの曲が5曲。いきなり難曲Evidenceから始まるあたり、Monk色が強い。
放っておくとMonkのリーダー作になってしまうので、Blakeyはかなり意識的に音を多めにしている。
GriffinはMonkの難曲をサクサクこなしていく。I Mean Youを除く4曲はFive Spot 1958でも再演されているし、ここでGriffinはMonk曲を自家籠中のものにしたよう。
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他人のバンドとは思えないほどMonkは自由。自分のソロなのに、数秒間沈黙が続くとか、普通ありえない。Blakeyが焦って煽ってきてようやくソロが続く。ある意味エキサイティング。
最後のPurple ShadesはGriffinらしいBlues曲。Monkの変な解釈がおもしろい。Five Spotでも、1曲くらいGriffinの曲やってもおもしろかったかもしれない。
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Jazz Messengersの作品としても、Monkの作品としても、注目されることは少ないが、名盤だと思う。
しかしステレオ黎明期らしいとも言えるのだが、左チャンネルにBlakeyはじめJM全員を集めてしまい、右チャンネルはMonkだけ、という珍妙なミキシングはなんとかならんものか。
Monkはしょっちゅう沈黙するのだが、すると右チャンネルからはしばらく何も聞こえない。この放送事故みたいな時間帯が結構あるのは笑えるけど・・・しかし。
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Griffinは1957年3月に、Jackie McLeanに代わってJMに加入し、1957年12月まではJMのレコーディングに名前が見える。
1958年になると、BlakeyもGriffinセッション・ワークが忙しくなり、JMはお休み状態だったようだ。
JMが復活するのは、1958年後半。Benny Golsonが加入し、Lee MorganやらBobby Timmonsを引っ張りこんでMOANIN' [Blue Note] rec. 1958/10/30を録音して以降だ。
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GriffinがMonk 4に加入したのは1958年のいつごろだろうか?7月のNewport Jazz Festivalはまだトリオでの出演だから、Five Spot Liveが始まる8月の直前だろう。
Griffin参加Monk 4の録音は、このFive Spot Liveしかない。他にライブ活動があったかも怪しく、Griffinのレギュラー期間は、おそらくFive Spot Liveの間だけだったのではないかと思う。
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Five Spot 1958は、通常IN ACTIONとMISTERIOSOの2枚にまとめられているが、その後の発掘曲も含めて集大成した2枚組がこれ↓
Thelonious Monk Quartet featuring Johnny Griffin/COMPLETE LIVE AT THE FIVE SPOT 1958 [Riverside→Lonehill Jazz] rec. 1958, pub. 2009
これはかなりのお得盤だ。
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2枚目の最後に収録されているのが、
1958/02/25, NYC
Donald Byrd (tp), JG (ts), Pepper Adams (bs), TM (p), Wilbur Ware (b), Philly Joe Jones (ds)
2-09. Coming on the Hudson
これは、
JOHNNY GRIFFIN SEXTET [Riverside] rec. 1958
録音時に、Kenny Drewに代わって、1曲だけMonkが加わったもの。長らくお蔵入りとなっていたが、Monkの未発表曲集
Thelonious Monk/BLUES FIVE SPOT [Milestone]
で初公開された。
すでに共演経験があるはずのPhilly Joeでも、Monkのリズム感覚に合わせるのに苦労している。Byrdもこの面妖な曲に相当とまどっている様子。すごくおもしろい。
そんな中、GriffinはMonkに惑わされず、グイグイ吹きまくる。これはFive Spotでも同じで、すでにMonkとの共演のコツを掴んでいることがわかる。
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1958/07/09, Five Spot Cafe, NYC
JG (ts), TM (p), Ahmed Abdul - Malik (b), Roy Haynes (ds)
2-03. Evidence
2-04. Blues Five Spot
2-05. In Walked Bud / Epistrophy (theme)
2-06. Sweet Stranger (TM solo)
2-07. 'Round Midnight
1958/07/09, Five Spot Cafe, NYC
JG (ts), TM (p), AAM (b), AB (ds)
2-08. Bye-Ya / Epistrophy (theme)
ここからFive Spot 1958録音が始まる。
しかし、これはIN ACTION/MISTERIOSOが録音された08/07の1ヶ月前の録音。テスト録音だったのだろうか。
(追記)@2017/03/18
リリース用の本番録音だったらしいが、Monkが気に入らず、08/07に再度録音となったらしい。
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Coltraneは迷っている状態でMonkに出会い、懸命にMonkの音楽を吸収しようとしていた。MonkとColtraneの音楽性は結構異質なんだが、ColtraneがMonkに擦り寄る形で、意外にバランスがとれていた。
今回のQuartetは、GriffinにしてもHaynesにしても、すでに自分のスタイルが完全に確立されている。従って、Monkの色にあまり染まらない。むしろMonkとぶつかり合うことで、丁々発止の勝負を繰り広げている感じ。そんなことができるミュージシャンは、滅多にいない。
Coltrane時代とは、また別の、非常にスリリリングなライブ録音となった。Monk作品としては、むしろ珍しい作品といえるかもしれない。
GriffinのソロでMonkが休んでいるときなど、完全にJohnny Griffin Trio Play Monkになってるし。Monk作品としても、Griffin作品(曲は全部Monkだが)としても聴くことができる。
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'Round Midnightは、後にGriffinの得意曲になることもあり、またIN ACTION/MISTERIOSOでは演奏されていないので、ありがたい収録。
Haynesに代わってBlakeyが叩いたBye Ya/Epistrophyについては、前々回の
2017年2月25日土曜日 Bye-Ya 7連発!→ 8連発!
を参照のこと。
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次回は、Five Spot 1958の核心、IN ACTION/MISTERIOSOを見ていこう。
2017年3月11日土曜日
Thelonious Monk at the Five Spot大全(6) 1957年末~1958年前半のMonk
1957年12月26日に、長かったFive Spot Caféの出演を終え、Monk Quartetは一時解散。
Shadow Wilsonは12月半ばに脱退。Five Spot最後の10日間はKenny Dennisがドラムスを務めた。
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その直前、MonkはCBS TVへの出演を果たす。
THE SOUND OF JAZZ
1957/12/08, NYC
この番組は、Count Basie、Coleman Hawkins、Billie Holidayらを招き、その演奏を紹介。USAでも初の本格的なJazz番組となった。
その6曲目にMonk Trioが登場。Five Spotの評判は、ついにTVにまでMonkを引っ張り出したわけだ。
Thelonious Monk (p), Ahmed Abdul-Malik (b), Ossie Johnson (ds)
06. Blue Monk
DVDは不完全版しかリリースされていない上に、Monkの演奏はカットされている。しょうがないのでYouTubeでどうぞ。
YouTube > The Sound Of Jazz (Cbs 1957) Count Basie,Red Al..(uploaded by jean françois Fernandez on 2013/03/09)
https://www.youtube.com/watch?v=sMkHxEyXV5Y
Monkの演奏だけなら、映画/DVD
Charlotte Zwerin (dir) (1988) THELONIOUS MONK : STRAIGHT, NO CHASER. Werner Bros., USA.
→ DVD : (2001) Werner Home Video, USA.
でも見ることができる。
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Monkはハンチングにサングラスという怪しい姿で登場。ドラムスはまだShadow Wilsonがいたはずだが、なぜかBillie HolidayのバンドからOsie Johnsonを借りてきている。
演奏はいつもの通り。今のJazzファンにとってはどうということはないが、あの異様な姿・演奏に当時USAのお茶の間は驚きだったろう。
Basieが真正面に座ってずっと見つめ続けるので、Monkは相当やりにくかったらしい。「殴ってやろうかと思った」とまで言っている。
かつての親分Coleman Hawkinsも2度ショットを抜かれており、楽しそうにスイングしている。Monkの最大の理解者だね。
それにしても当時、Monkの曲では、'Round Midnightを別格として、Blue Monkが真っ先にポピュラーになったことがわかる。わかりやすいしね。
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1958年2月には、後述するJohnny Griffin Sextetの録音に1曲ゲスト出演。
5月には、Clark Terry Quartetの録音に、珍しくサイドマンとして登場。
Clark Terry with Thelonious Monk/IN ORBIT [Riverside(ユニバーサル)] rec. 1958, re-issue 2008
Cover Design : Paul Bacon
1958/05/07&12, NYC
CT (flh), TM (p), Sam Jones (b), Philly Joe Jones (ds)
01. In Orbit
02. One Foot in the Gutter
03. Trust in Me
04. Let's Cool One
05. Pea-Eye
06. Argentia
07. Moonlight Fiesta
08. Buck's Business
09. Very Near Blue
10. Flugelin' the Blues (CD Bonus)
どちらもバリバリのBe-BopミュージシャンとはいえないClark TerryとMonkは、思いのほか相性がよい。Monkは、いつものホーン奏者の邪魔をしているとしか思えないようなバッキングはここでは控えめ。だいぶTerryに気を使っているよう。
03. Trust in MeはMonkのおとなしいバラード・プレイが聴きどころ。珍しい演奏だ。他にも、日頃演奏しない曲をMonkがどう料理しているかが聴きどころ。
Monkの曲は、04. Let's Cool Oneが取り上げられている。ここだけClark Terryがゲスト扱い。Monkとの共演は3度目になるPhilly Joeが楽しげだ。MilesバンドをやめてからのPhilly Joeはパッとしないので、Monkのバンドに入っていたらおもしろかったのにな。
Sam JonesとMonkはこれが初共演。翌年、Sam Jonesは短い間だったが、Monk 4のレギュラーとなる。
また、Clark Terryは、1967年のMonk Septet/Octetのヨーロッパ・ツアーにゲストとして呼ばれ、Monkと再演する。
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1958年7月には、トリオでNewport Jazz Festivalに出演。これが有名な映画
Aram Avakian+Bert Stern (dir) (1960) JAZZ ON A SUMMER'S DAY(真夏の夜のジャズ). New Yorker Films, USA.
への出演だ。
映画では1曲だけ、またしてもBlue Monkが取り上げられたが、実はこのステージでは4曲演奏されている。そのすべてを収録したのが、
2017年1月2日月曜日 Thelonious Monk と Duke Ellington
でも紹介した
Thelonious Monk Trio & Quartet/UNISSUED LIVE AT NEWPORT 1958-59 [Gambit] pub.2008
ソースはラジオVoice of America放送のAir Checkとみられる。短波なので高音はごっそり飛んでいるが、録音は悪くない。
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1958/07/07, Newport Jazz Festival, Newport, Rhode Island
TM (p), Henry Grimes (b), Roy Haynes (ds)
01. Just You, Just Me
02. Blue Monk
03. 'Round Midnight
04. Well You Needn't
ここでRoy Haynesが登場。その後のFive Spot 1958を通してMonk 4のレギュラーとなる。当時レギュラーだったはずのAhmed Abdul-Malikはなぜかお休み。1960年代にフリージャズ畑で活躍するHenry Grimesの姿が珍しい。
スタンダードのJust You, Just Meから始め、Monkの曲では人気の2曲Blue Monk、'Round Midnightと続けるあたりは、Jazzファンではない一般人が多い客層に、Monkなりに気を使った選曲。全体に、Monkにしてはわかりやすい演奏になった。
映画では、Blue Monkにヨットレースの映像とアナウンスがかぶさるという、Monkファンにとっては噴飯物の出来だったが、それでもMonkの映像では一番のメジャーどころには違いない。
写ったのは一瞬だったが、食い入るようにMonkの演奏を見つめるGerry Mulligan(Festival/映画の出演者でもある)の姿が印象的だった。この人ほんとにMonkが大好きなんだな。映画STRAIGHT, NO CHASERに収録されたMonkの葬式でも最前列にいたし。
Well, You Needn'tではRoy Haynesが暴れまくり、Five Spot 1958での活躍を予感させてくれる。
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このトリオにAhmed Abdul-Malikが戻って、そこにJohhny Griffinが加入し、いよいよFive Spot第2ラウンドの開幕だ。
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(追記)@2017/04/01
・JAZZDISCO.org > Sonny Rollins > Discography(as of 2017/04/01)
http://www.jazzdisco.org/sonny-rollins/discography/
を見ると、1958年のNewport Jazz FestivalにはSonny Rollinsもpianoless trioで出演しており、その時のbass、drumsがGrimesとHaynesだった。もしかすると、Monkはこの二人をRollinsから借りたのかもしれない。
そして、その数日後Rollinsはこの二人を伴ってTHE BIG BRASS [Metrojazz]を録音している。
当時のRollinsはレギュラー・バンドを持たない人だったが、Grimes、Haynesが、一時的ではあるがRollins Bandのレギュラーだったと見てよさそう。
HaynesはNewport 1958でMonkに気に入られ、そのままFive Spotへ。GrimesはしばらくRollinsとつき合い続け、1959年のヨーロッパ・ツアーを共にする(1963年のツアーでも呼ばれた)。
Shadow Wilsonは12月半ばに脱退。Five Spot最後の10日間はKenny Dennisがドラムスを務めた。
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その直前、MonkはCBS TVへの出演を果たす。
THE SOUND OF JAZZ
1957/12/08, NYC
この番組は、Count Basie、Coleman Hawkins、Billie Holidayらを招き、その演奏を紹介。USAでも初の本格的なJazz番組となった。
その6曲目にMonk Trioが登場。Five Spotの評判は、ついにTVにまでMonkを引っ張り出したわけだ。
Thelonious Monk (p), Ahmed Abdul-Malik (b), Ossie Johnson (ds)
06. Blue Monk
DVDは不完全版しかリリースされていない上に、Monkの演奏はカットされている。しょうがないのでYouTubeでどうぞ。
YouTube > The Sound Of Jazz (Cbs 1957) Count Basie,Red Al..(uploaded by jean françois Fernandez on 2013/03/09)
https://www.youtube.com/watch?v=sMkHxEyXV5Y
Monkの演奏だけなら、映画/DVD
Charlotte Zwerin (dir) (1988) THELONIOUS MONK : STRAIGHT, NO CHASER. Werner Bros., USA.
→ DVD : (2001) Werner Home Video, USA.
でも見ることができる。
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Monkはハンチングにサングラスという怪しい姿で登場。ドラムスはまだShadow Wilsonがいたはずだが、なぜかBillie HolidayのバンドからOsie Johnsonを借りてきている。
演奏はいつもの通り。今のJazzファンにとってはどうということはないが、あの異様な姿・演奏に当時USAのお茶の間は驚きだったろう。
Basieが真正面に座ってずっと見つめ続けるので、Monkは相当やりにくかったらしい。「殴ってやろうかと思った」とまで言っている。
かつての親分Coleman Hawkinsも2度ショットを抜かれており、楽しそうにスイングしている。Monkの最大の理解者だね。
それにしても当時、Monkの曲では、'Round Midnightを別格として、Blue Monkが真っ先にポピュラーになったことがわかる。わかりやすいしね。
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1958年2月には、後述するJohnny Griffin Sextetの録音に1曲ゲスト出演。
5月には、Clark Terry Quartetの録音に、珍しくサイドマンとして登場。
Clark Terry with Thelonious Monk/IN ORBIT [Riverside(ユニバーサル)] rec. 1958, re-issue 2008
Cover Design : Paul Bacon
1958/05/07&12, NYC
CT (flh), TM (p), Sam Jones (b), Philly Joe Jones (ds)
01. In Orbit
02. One Foot in the Gutter
03. Trust in Me
04. Let's Cool One
05. Pea-Eye
06. Argentia
07. Moonlight Fiesta
08. Buck's Business
09. Very Near Blue
10. Flugelin' the Blues (CD Bonus)
どちらもバリバリのBe-BopミュージシャンとはいえないClark TerryとMonkは、思いのほか相性がよい。Monkは、いつものホーン奏者の邪魔をしているとしか思えないようなバッキングはここでは控えめ。だいぶTerryに気を使っているよう。
03. Trust in MeはMonkのおとなしいバラード・プレイが聴きどころ。珍しい演奏だ。他にも、日頃演奏しない曲をMonkがどう料理しているかが聴きどころ。
Monkの曲は、04. Let's Cool Oneが取り上げられている。ここだけClark Terryがゲスト扱い。Monkとの共演は3度目になるPhilly Joeが楽しげだ。MilesバンドをやめてからのPhilly Joeはパッとしないので、Monkのバンドに入っていたらおもしろかったのにな。
Sam JonesとMonkはこれが初共演。翌年、Sam Jonesは短い間だったが、Monk 4のレギュラーとなる。
また、Clark Terryは、1967年のMonk Septet/Octetのヨーロッパ・ツアーにゲストとして呼ばれ、Monkと再演する。
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1958年7月には、トリオでNewport Jazz Festivalに出演。これが有名な映画
Aram Avakian+Bert Stern (dir) (1960) JAZZ ON A SUMMER'S DAY(真夏の夜のジャズ). New Yorker Films, USA.
への出演だ。
映画では1曲だけ、またしてもBlue Monkが取り上げられたが、実はこのステージでは4曲演奏されている。そのすべてを収録したのが、
2017年1月2日月曜日 Thelonious Monk と Duke Ellington
でも紹介した
Thelonious Monk Trio & Quartet/UNISSUED LIVE AT NEWPORT 1958-59 [Gambit] pub.2008
ソースはラジオVoice of America放送のAir Checkとみられる。短波なので高音はごっそり飛んでいるが、録音は悪くない。
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1958/07/07, Newport Jazz Festival, Newport, Rhode Island
TM (p), Henry Grimes (b), Roy Haynes (ds)
01. Just You, Just Me
02. Blue Monk
03. 'Round Midnight
04. Well You Needn't
ここでRoy Haynesが登場。その後のFive Spot 1958を通してMonk 4のレギュラーとなる。当時レギュラーだったはずのAhmed Abdul-Malikはなぜかお休み。1960年代にフリージャズ畑で活躍するHenry Grimesの姿が珍しい。
スタンダードのJust You, Just Meから始め、Monkの曲では人気の2曲Blue Monk、'Round Midnightと続けるあたりは、Jazzファンではない一般人が多い客層に、Monkなりに気を使った選曲。全体に、Monkにしてはわかりやすい演奏になった。
映画では、Blue Monkにヨットレースの映像とアナウンスがかぶさるという、Monkファンにとっては噴飯物の出来だったが、それでもMonkの映像では一番のメジャーどころには違いない。
写ったのは一瞬だったが、食い入るようにMonkの演奏を見つめるGerry Mulligan(Festival/映画の出演者でもある)の姿が印象的だった。この人ほんとにMonkが大好きなんだな。映画STRAIGHT, NO CHASERに収録されたMonkの葬式でも最前列にいたし。
Well, You Needn'tではRoy Haynesが暴れまくり、Five Spot 1958での活躍を予感させてくれる。
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このトリオにAhmed Abdul-Malikが戻って、そこにJohhny Griffinが加入し、いよいよFive Spot第2ラウンドの開幕だ。
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(追記)@2017/04/01
・JAZZDISCO.org > Sonny Rollins > Discography(as of 2017/04/01)
http://www.jazzdisco.org/sonny-rollins/discography/
を見ると、1958年のNewport Jazz FestivalにはSonny Rollinsもpianoless trioで出演しており、その時のbass、drumsがGrimesとHaynesだった。もしかすると、Monkはこの二人をRollinsから借りたのかもしれない。
そして、その数日後Rollinsはこの二人を伴ってTHE BIG BRASS [Metrojazz]を録音している。
当時のRollinsはレギュラー・バンドを持たない人だったが、Grimes、Haynesが、一時的ではあるがRollins Bandのレギュラーだったと見てよさそう。
HaynesはNewport 1958でMonkに気に入られ、そのままFive Spotへ。GrimesはしばらくRollinsとつき合い続け、1959年のヨーロッパ・ツアーを共にする(1963年のツアーでも呼ばれた)。
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