BALLADS~STANDARDSと聴いてきたわけだが、私の聴き方はいかにも中途半端だ。このシリーズをちゃんと聴く予備知識を欠いている。
1930~40年代の(Jazz Standardsではない)流行歌の知識、guitarの知識(特にDerek Baileyが大きく影響を受けたJim Hallについて)、そしてfree improvisationの知識。どれもない。
なにせ、
・デレク・ベイリー・著, 竹田賢一+木幡和枝+斉藤栄一・訳 (1981) 『インプロヴィゼーション 即興演奏の彼方へ』. 282pp. 工作舎, 東京.
← 英語原版 : Derek Bailey (1980) IMPROVISATION : ITS NATURE AND PRACTICE IN MUSIC. 137pp. Moorland Publishing, Ashbourne (UK).
も
・ベン・ワトソン・著, 木幡和枝・訳 (2014.1) 『デレク・ベイリー インプロヴィゼーションの物語』. 580pp. 工作舎, 東京.
← 英語原版 : Ben Watson (2004) DEREK BAILEY AND THE STORY OF FREE IMPROVISATION. 443pp.+pls. Verso, London.
も読んでいないのだから。Incus Labelの音盤も、Evan Parkerの3枚しか持っていない。
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Derek Baileyのこのシリーズについてreviewする人の大半が、free improvisation/free jazz/noise musicファンだ。取り上げた曲についての知識を欠いている。
一方Jazz Guitarファン、特にJam Hallファンで、Baileyを聴く人は少ないだろう。ましてや白人女性vocal(Jazzよりもpops寄り)ファンでBaileyを聴く人はまずいない。
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ここは、いろんなジャンルの音楽ファンが知識を持ち寄って、BALLADS~STANDARDSの分析をやって欲しい。
(1) 白人女性vocalファン(特に1930~40年代のpopsに詳しい人)
(2) Jazz Guitarファン(特にJim Hallに詳しい人)
(3) Free Jazzファン(Jazzを中心に、Europ free improvisationまでをカバーできる人。(1)(2)と(4)の仲介役。司会はこの人だな)
(4) ガチガチのEurope free improvisationファン
この4人が一緒に「BALLADS~STANDARDSを聴く」というような対談があったら、ぜひ読んでみたい。(1)(2)にとっては苦痛になるかもしれないが、いずれにしても、自分の専門外ジャンルにも偏見を持たない度量の広いメンバーが必要。無理かな?
昔よくあった、対談でのケンカなんて、別に読みたくない。たいてい中身ないし。
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まあしかし、今回じっくり聴き直してみると、この2枚はまさに感動の「名盤」だ。私にとっては、タイトルに挙げた通り「美の極致」である。
よくある「ジャズ名盤集」みたいな企画では、これらは全く無視されているし、今後も取り上げられそうな気配もない。
しかし「Derek Bailey?うぇ~!無理、無理」という人にこそ、ぜひ知ってほしい。そして聴いてほしい。目から鱗が落ちる瞬間を実感してほしいのだ。
まだ聴いてない人は、これからこのフレッシュな感動、驚きが味わえるのだ。逆に羨ましいぞ。
さあ、また聴こう。
完
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