2017年11月2日木曜日

美の極致 Derek Bailey/BALLADS & STANDARDS (6)

Derek Bailey/STANDARDS [Tzadik] rec.2001, pub.2007


Design : Hueng-Hueng Chin

を1曲めから。

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01. Nothing New = What's New

BALLADSでは2曲目。

最初は子守唄のような点描ソロだが、よく聴くとWhat's Newのイントロになってる。Free improvisationはちょっとおとなしめ。何かの曲の断片がときおり混じる。その断片だったものが、次第にWhat's Newらしく形を取ってくるところが、この曲の聴き所(か?)。

しかし、ちゃんとしたmelodyが出てくるまでは、なかなか気づかないんだ、これが。何度も聴くとわかってくる。

元曲melodyは最後に出てくるが、その直前のcodeの美しいこと。震えが来る。Melodyに入るのか、入らないのか、煮え切らないが、最後の最後に、お馴染みのフレーズが出てエンディング。

余韻を残して終わるが、もっと聴きたくなるなあ。

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02. Frankly My Dear I Don't Give a Dream = Gone with the Wind

BALLADSでは7曲目と10曲目。

これも、比較的おとなしめのfree improvisationから入る。やっぱり何かのmelody断片がときおり混じる。

途中、沖縄音階みたいな音列が現れる瞬間は、結構笑える。なんかBaileyは時々そういうことするらしいのだが・・・。

スローダウンしてcodeを弾き始めると、テーマも近い。出るぞ、出るぞ、と待ちきれない。そしてmelodyが出現した瞬間のカタルシス。たまんないです。

1 chorus弾くが、最後は中途半端なまま終わる。ちょっと恥ずかしがってる感がある。

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03. When Your Liver Has Gone = When Your Lover Has Gone

BALLADSでは3曲目。

この曲は、free improvisationの冒頭から、アルペジオ中心で何か曲のようになっている。美しい。

途中、Body and Soulのfakeのようになってる区間もあるぞ。「Melodyを弾きたいんだけど、弾けない。もう弾いていいか?いや、まだだ」という逡巡が見て取れる。

唐突に美しいcodeが現れ、素直なmelodyへ。くわーっ、すごい。1 chorus弾いてエンディング。少しオカズを足して終了。

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04. Please Send Me Sweet Chariot = Rockin' Chair

BALLADSでは8曲目と11曲目。

やっぱ、このアルバムでのfree improvisationは、おとなしめだ。その中に、What's NewだのBody and Soulだのが断片として現れる。

これを手クセと言っていいんだろうか?通常のBaileyではそんなことは決してないので、これはこの2枚のアルバムに限った、特殊な現象なのだろう。

弾くcodeが、不協和音から徐々に聴けるものになっていき、そしてmelodyが顔を出して来るのだが、それまでが長い。その分ちゃんとmelodyが出てきた瞬間の喜びは大きい。

これも1 chorus弾いてあっさり終わる。

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05. Don't Talk about Me = Please Don't Talk about Me When I'm Gone

BALLADSでは一番最後の14曲目。決まりに決まったエンディングの曲だ。

この曲は4分半と短いので、曲melodyがすぐ出てくる。BALLADSでの決まりすぎのエンディングは、この時できあがっていたことがわかる。

また、短くまとめることの効果も、この曲で気づいたのではなかろうか。

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06. Pentup Serenade = Petnhouse Serenade (When We're Alone)(lyr / comp - Val Burton+Will Jason)

これだけ、BALLADSには収録されていない曲。

1931年発表。Tom Grune Orchが初録音。有名になったのは、Nat King Cole/PENTHOUSE SERENADE [Capitol] pub.1952のタイトル曲でらしいが、この辺も全然知りませんねえ。

参考:
・Second Hand Songs > SONG When We're Alone(as of 2017/10/02)
https://secondhandsongs.com/work/126290/all?sort=date#versions126290

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Flamencoのようなかき鳴らしfree improvisationで始まる。なかなかつかみ所のない演奏が続くが、codeの連続が出始めると、melodyも近い。

今回はmelodyの出現はかなり唐突。1 chorus弾ききらないうちにエンディング。

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07. Head = You Go to My Head

BALLADSでは12曲目。

この曲はfree improvisationの中に、曲の前兆が全然ないので、melodyが出てくると驚いてしまう。

ラストに、クスクス笑いと「Happy New Year」の声(Baileyの声?)。ということは、録音は2001年12月31日の夜中か?楽しそうでいい。

ツヅク

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