★Twitter 2021/02/17より転載+加筆修正★
Plas Johnson & Ernie Watts with L.A. R&B Project / ALL BLUES [Mojo <Jp>] rec.2007, rel.2008
Pops 界の ts 職人 Plas Johnson と Fusion 界の ts 名人 Ernie Watts の組み合わせは珍しいと思えるかもしれないが、West Coast の studio work では長らくなじみだったらしく、Steely Dan や Soul / R&B の sessions で共に名前が現れる。
一番有名なのは Bobby Hutcherson / MONTARA [Blue Note] (1975) でも共演。そして本盤の pianist である Larry Nash も参加している。実に、このアルバムは MONTARA 同窓会でもあるのだ。
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Produce は、Baystate や Alfa で活躍した木全信 (1938?-2016)。意外だなあ。版元の Mojo Records は独立系の日本のレーベルで、2007-08年ごろ数枚リリースがある ( 敦賀明子/ST.LOUIS BLUES なども )。他にもたくさんある Mojo Records との関係はたぶんないんだろう。
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Hawkins 流に根太い音を持つ Plas Johnson と、Coltrane 流に高音域を多用する Ernie Watts の組み合わせは対比が面白い。しかし前に挙げた Austin - Prysock のような殴り合いにはならない。二人での曲は13曲中5曲だけだし、その曲にも二人の chase はない。大人の Tenor Battle。
Ernie Watts という人はいかつい容貌で、見た目は BOSS TENOR の風格充分なのだが、音は高音使いの Coltrane 系なので、どうやっても BOSS TENORにはならない。残念。
Plasも職人だが、Wattsも職人。Wattsは八代亜紀の「舟唄」なんかもこなす。Pもgもちゃんとエンヤートット・リズムになっていて、これは彼らは日本でも仕事してるな。
メンバーは
Plas Johnson (ts), Ernie Watts (ts,ss,as), Larry Nash (p), Terry Drake (g), Stan Gilbert (b), Gerryck King (ds)
Drake は Gatemouth Brown みたいな団子になった音を出す Blues Guitarist で、なかなかおもしろい。これは収穫だった。
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一番好きなのは Jammin' ( Plas Johnson 作の Blues ) だな。Plas の泥臭さが一番よく出てる。Drake の団子 guitar も絶好調。
Percy Mayfield の Please Send Me Someone to Love も、二人の資質にピッタリで、すごくいい選曲。これは二人での曲。
最後の Pass the Gravy も Plas 作 Blues で、Plas の独演会。これも Plas のいい面が出ている。全般に Plas を聴くアルバムだ。Watts はもっといいのが他にある。
Watts のかぼそい音での Harlem Nocturne なんかちょっと笑ってしまう。Ss での Velas Icadas なんかはさすがの貫禄だが。
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ジャケット・デザインも1950年代の Verve みたいでなかなかいい。イラストは奈路道程 ( NARO Michinori )。
余談だが、このアルバムなかなかなくて、遠くの店にある、という情報を聞きつけてはるばる行って買ってきた。意外に安くて遠征のかいがあったというもの。で、直後にその店の近くの BookOff に行ったら、え?これがあるではないか。なんという偏在ぶり。
Minor 盤すぎて、YouTube にも一曲も上がっていないのが残念。
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