★Twitter 2021/02/05-06より転載+加筆修正★
MONDO EXOTICA (Ultra-Lounge Volume One) [Capitol] rec.1952-67, rel.1996
MONDO EXOTICA に戻ろう。このアルバムでは、Exotica 界の歌姫も二人取り上げられている。Bas Sheva と Yma Sumac。どちらも Les Baxter が仕掛け人。
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Bas Sheva は、Les Baxter / THE PASSIONS (1954) でfeatureされている女性vocalist。ユダヤ系米人。このアルバムは前にもちょっとだけ紹介した。
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Les Baxter featuring Bas Sheva / THE PASSIONS [Capitol] rel.1954
このアルバムは人間の感情を音楽で表すことをテーマにした怪作。曲名も Despair (絶望)、Ecstasy (歓喜)、Hate (嫌悪)、Lust (欲望)、Terror (恐怖)、Jealousy (嫉妬)、Joy (喜び) といった具合。
これに Bas Sheva が vocal をつけるのだが、なんとすべて歌詞なし。歌声だけですべてを表現するという難題に挑戦させられている。無理筋だなあ。
Bas Sheva – Lust
アルバムは評判になったが、Bas Sheva の仕事は増えなかったよう。1960年に34歳の若さで亡くなっている。
しかしこの歌声だけで感情を表す、という手法はその後の音楽にも大きな影響を与えていて、特にエッチ系音盤では似たような手法を多く聴く。その意味ではこういう compilation に取り上げられる意味は十分あるのだ。Exotica というより Mondo Music っていう感じだが。
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もう一人は Exotica 界の魔女 Yma Sumac ( イマ・スマック = Quecha 語で「なんて美しい!」の意味だという芸名、1922-2008 )。
Yma は Peru 出身の女性 vocalist。声域が5octaves に及ぶという声の魔術師。ルックスもインパクトがあり、なんか Grace Jones 的に色物扱いされている人だ。
Yma Sumac – Babalu
Peru でのデビューから Argentine を経て1940年代に USA に移住。1950年代には Les Baxter の produce で、Exotica の世界に南米 folklore の flavor を持ち込んだ。
「インカ帝国の末裔」などというギミックも多用。ほとんど色物扱いだが、歌の実力はものすごく、声量、音域、表現力とも超一流だ。
Yma Sumac - Wimoweh
これは South Africa 発の曲を、Peru 出身歌手が Exotica の文脈で歌う、というまた倒錯した曲になっている。
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1950年代後半は絶大な人気を誇ったが、1960年代は世界中をツアーで回っており recording はない。1970年代初めに10年ぶりに recording するが、もはやかつての人気は得られなかった。
これは日本編集の Best 盤
Yma Sumac / MIRACLE VOICE OF PERU : 奇跡の名唱集 [Takemura Office & Sambinha <Jp>] rel.2019
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