★Twitter 2021/01/22-23より転載+加筆修正★
Les Baxter / AFRICAN JAZZ - JUNGLE JAZZ [Capitol → Cherry Red / El <UK>] org.rel.1959, rel.2010
これは1959年の2枚のアルバム AFRICAN JAZZ と JUNGLE JAZZ を coupling した再発盤。
------------------------------------------------------------
この2枚はいつもの Baxter と違いかなり Jazz っぽい。Ts の solo もあるのだ。その soloist として抜擢されたのは Plas Johnson。また出てきた、Plas Johnson。
Plas Johnson については、過去に以下のように取り上げたことがある。
> 繰り返しておくと、Johnny Otis、Nelson Riddle、Henry Manciniと、Jazz畑からはちょっと外れたところで活動してきた人らしい。R&B色の強いblowをかますts。ただし、その分Jazz盤で名前が現れることが少なく、自分にはよくわからない人だった。
一番有名な仕事は Henry Mancini Orch での映画 The Pink Panther's Theme。これは1963年の映画なので、Baxter との仕事の時は、まだ知る人ぞ知る実力者、という程度の知名度。
Plas Johnson は Jazz からは外れたところでの仕事が多いため、Jazz fans の視界から外れているのだが、かなりの実力派 ts。短い solo space で簡潔に根太い blow をかますことができる職人だ。だから Pops 界では引っ張り凧。だが、Jazz fans にはほとんど知られていない。
------------------------------------------------------------
この2枚のアルバムで Les Baxter がやろうとしているのは、Duke Ellington の Jungle Sound の再現だ。当然 Jazz っぽくなくてはいかん。
Ellington の曲は、soloist が誰か、を念頭に置いて作られたもの多い。それがここでは Plas Johnson の solo を念頭に置いて作られている。といっても Ellington 風味に到達できたのはごく一部の曲で、やはり Soft Latin Jazz が大半。それでも Jazz としても聴きごたえのある曲が多く、なかなかの掘り出し物だ。
====================================
LES BAXTER'S AFRICAN JAZZ [Capitol] rec.1958, rel.1959
まずは AFRICAN JAZZ の方から。
ジャケットからしてもうインチキくさい。これは女性にテキトーなペイントを施したものだが、白人かと思っていたらどうも黒人女性のようだ。いずれにしても Minstrel Show 的なケレン味たっぷり。
------------------------------------------------------------
一番 Ellington 風味が出ているのは Mombasa after Midnight と Walkin' Watusi。もちろん Plas Johnson が solo を取る。Mute trumpet solo もなかなかいいが、残念ながら誰だかわからない。きっと名のある musician であろう。
Mombasa After Midnight
Walkin' Watusi
------------------------------------------------------------
Lost City では、低音楽器を多用した、のたうつような ensemble から、Plas Johnson のsolo、多彩な楽器の ensemble、percussions を従えた piano など、濃密な3分間。Tb や frh で象の鳴き声を模させるなど、映画音楽でも多用される手法を使っている。
Les Baxter - Lost city
------------------------------------------------------------
Balinese Bongos ( なんで Balinese? わけわからん) では、Ellington 風 melody に bongos を乗せ、さらに Plas Johnson の solo と多彩な horn ensemble をからめるという聴き所の多い構成。わずか2分なのが惜しまれる。
Balinese Bongos
------------------------------------------------------------
繰り返しておくが、内容に Africa 音楽は実は全くない。あくまでイメージ・アルバム。
これを聴いていると、「Ellington こそが Exotica の元祖だったのか!」と気付かされる。インチキくさい Arabic Scale で展開する Caravan なんてまさに Exotica だ。
Caravan の作曲は Juan Tizol (tp)。Puerto Rican の Tizol が、なんでまたこういうインチキ Arabic scale の曲を作ったのか、掘ってみる価値あるな。
また、Duke Ellington の Exotica 路線というのはいずれもっと突っ込んで調べなくちゃいかんなあ。しかし今の自分では無理。Cotton Club 時代の古い音源はちゃんと聴いたことがないのだ。もう少し勉強してからだな。
0 件のコメント:
コメントを投稿