2016年6月26日日曜日

音盤テルトン(13) Wayne Shorter/NORTH SEA JAZZ FESTIVAL 2015 - 82歳のWayne Shorterが吹きまくる

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stod phyogs 2016年6月26日日曜日 音盤テルトン(13) 82歳のWayne Shorterが吹きまくる
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実はここ数年、Wayne ShorterとHerbie Hancockばかり聞いていたのでした。

Shorterのリーダー作はほとんど揃い、ブートもCD/DVDが5・6枚といったところ。ブートのほとんどは、2000年以降Shorterが精魂傾けているWayne Shorter 4の録音。

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Wayne Shorter Quartet/NORTH SEA JAZZ FESTIVAL 2015 [Cool Jazz] rec. 2015


















2015/07/11, Rotterdam(Netherland)
WS (ss, ts), Danilo Perez (p), John Patitucci (b), Brian Blade (ds)

01. Unknown
02. Unknown
03. Unknown

レーベルを見てわかるようにブート(海賊盤)です。曲名なしで3 tracks切ってある。

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Shorter 82歳の録音。

最近はもうほとんど吹かず、Danilo Perez Trioでの時間が大半を占める、みたいな噂も聞いていたので、あまり期待していなかったが・・・

Shorter吹きまくりじゃないか!びっくり。

とても82歳のプレイとは思えない。写真を見ると、さすがに座って吹いているようだけど。太ったしね。この年で太れるというのは、健康な証拠。まだまだお迎えが来る気配なし。素晴らしいです。

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Perezのリードに乗っかって、自由に吹きまくるShorter。これは2000年の結成時から全く変わらないフォーマット。最近は曲のテーマやわかりやすいメロディすら出てこなくなっているので、曲名がないと何がなんだかわからない状態。

「たぶんアレ→ソレのメドレーだろうな」という推測はつくが、悲しいかな曲名が出てこない。Shorterファンとしてはまだまだ小僧であることを痛感するなあ。

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Shorter 4結成以降の録音では、

【Boot CD】 JUJU – JUJU [Slang] rec. 2001/07/13
【Official CD】 FOOTPRINTS LIVE ! [Verve] rec. 2001/07 pub. 2002
【Official CD】 ALEGRIA [Verve] pub. 2003
【Official CD】 BEYOND THE SOUND BARRIER [Verve] rec. 2002/11-03/04 pub. 2005
【Boot DVD】 SHANGRILA [Overload Vision] rec. 2004/01/21-25
【Boot CD】 Shorter, Hancock, Holland & Blade/LIVE IN GERMANY [2000GFRR] rec. 2004/07/04
【Boot DVD】 COLOGNE APRIL 30, 2007 [Blue U] rec. 2007/04/30
【Official CD】 WITHOUT A NET [Blue Note] pub. 2013
【Boot CD】 NORTH SEA JAZZ FESTIVAL 2015 [Cool Jazz] rec. 2015/07/11

という具合に持っているが、2007年以降の録音が少ないな。2015年でこんなハイレベルなんだから、その間も期待していいはず。俄然、間を埋めたくなりました。

それにしてもShorterは凄い、というより、もうそら恐ろしい。どこまで続くんだ。

2016年6月19日日曜日

ZOMBIE, VOODOO, SANTERIA, MILTON CARDONA

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stod phyogs 2016年6月19日日曜日 ZOMBIE, VOODOO, SANTERIA, MILTON CARDONA
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ロラン རོ་ལངས་ ro langs(死体が起き上がる)で思い出したのだが、どういうわけか、最近ゾンビ・ブームなのだそうだ。

George Romeroの映画DAWN OF THE DEAD(邦題:ゾンビ)(1978)から実に約40年。ゾンビ・マニアが途切れることなく地味に存在して来たのは知っていたが、なんでまた最近こんなに流行り始めたのか謎。

一説では「ゲームの『バイオハザード』(1996)がトリガーになった」というのだが、ゲーム界の話題には疎いのでよく知らない。

マンガなんかを見ても、ゾンビについての造形はRomeroのものから一歩も出ていないような気もする。ま、zombie自体にはあんまり興味ないです。

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Zombieについての本も結構出ていると思うのだが、その中でも決定版はこれだ!

・檀原照和 (2006.4) 『ヴードゥー大全 アフロ民俗の世界』. 467+xvii pp. 夏目書房, 東京.


装幀:吉本謙次(夏目書房)

といっても、実はzombie自体の本ではない。zombie伝説の大元であるHaitiの民族文化Voodooについての、うん、研究書と言っていいでしょう。

分厚いぞ!重いぞ!

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HaitiやNew OrleansのVoodooだけじゃなく、同源の文化/宗教であるCubaのSanteria、BrazilのCandomblé/Umbamdaも取り上げている。果ては、直接関係ないJamaicaのRastafarianism(ラスタファリ運動)に脱線したりするのも楽しい。

Rastafarianismを除くこれらの宗教/信仰はすべて、西AfricaのYoruba人~Fon人の宗教を起源とし、America大陸の土着信仰や独自の発展が加わった地域ヴァリエーションです。

Voodooは単なる宗教にとどまらず、Latin America~USAの黒人文化の基層となっている重要な概念なのだ。Voodooを語ることは、南・中・北米大陸の黒人文化を語ることに他ならない。

America大陸のポピュラー・ミュージックや黒人文化に興味を持つ人には必読書だ。が、高い本なので、実は私も必用な部分のコピーしか持っていない。講談社学術文庫にならんかねえ・・・。

Zombieについては、p.57~63で取り上げてある。フィクションで描かれるzombieとはだいぶ印象が違うかもね。

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これと一緒に、

・立野淳也 (2001.10) 『ヴードゥー教の世界 ハイチの歴史と神々』. 190pp. 吉夏社, 東京.


装幀:大橋理恵

もどうぞ。こちらはHaitiに集中した本だが、これもすごく役に立つ。

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HaitiのVoodooのヴァリエーションの一つが、お隣りCubaやPuerto RicoのSanteria。

Milton Cardona/BEMBÉ. [american clavé(ewe)] 1987


Design : Capoeira Graphics

1985/08/25-26, NYC
The Eya Aranla Ensemble :
Akpwon(Leader):Milton Cardona (lead-vo, bata, perc)
Bata(Drummers):Hector "Flaco" Hernandez, Steve Berrios, Jose Fernandez
Ankori(Chorus):Sandra "Fela" Wiles, YomiYomi Awolowo, Carole Awolowo, Paulette "Nirvana" Buckley, Amma Oforiwaa Agyapon, Denise Ola DeJean, Linda Evans, Amma Dawn, Teresa Gomez

01. Slatute to Elegua
02. Elegua
03. Ogún
04. Ochosi
05. Ebioso
06. Babalu Ayé
07. Obatalá
08. Changó
09. Yemayá
10. Ochún
11. Odudua
12. Elegua (Closing)

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CubaからUSAに亡命したミュージシャンによるPuerto Ricoの(注)Santeriaの宗教音楽。まるでNonesuchの民族音楽シリーズかと思うほどのディープな作品。

このころKip Hanrahanのamerican clavéレーベルに凝っていた(今も大好き)のだが、その中でもこのディープさには驚いた。こんなものが商業作品としてリリースされるとは・・・。

(注)@2016/06/21

Milton Cardonaは亡命Cuba人だとばかり思っていたが、Puerto Ricanだった。面目ない。

Puerto RicoはCubaのさらにお隣り。文化的には非常に近く、Santeriaもほぼ同じらしい。

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その前に出た

Daniel Ponce/NEW YORK NOW ! [Celluloid/OAO(CBSソニー)] 1983

も、やはりは、亡命Cubanミュージシャンによる作品。こちらも古典Siboneyなども演っていて、やたらディープだったが、BEMBÉの濃さはそれをはるかに上回る。

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BEMBÉとはSanteriaの祭儀のこと。全曲Santeria/VoodooすなわちYoruba/Fonの神々への讃歌で構成されている。楽器はbataのみ(神によってそれぞれリズムが定まっている)で、Miltonとコーラス陣とのCall & Responseで神への讃歌が延々続く。

たぶん、初めて聞く人はチベット仏教音楽とたいして印象が違わないかもしれない。同じく宗教音楽ですから。

曲名はSanteria(Voodoo)の神々の名前なのだが、さっきの『ヴードゥー大全』を参考にすると、このCD(実はアナログも持ってる)がよく理解できます。

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ついでに、

Milton Cardona/CAMBUCHA(CARMEN). [american clavé(Justin Time)] 1999


Design : Capoeira Graphics

1999/01-04, NYC

も紹介しておきましょう。Milton Cardonaのリーダー作2作目。BEMBÉと同様のSanteria音楽に、ピアノ・トリオやホーンなどが加わり、エンターテインメント性を強めたものになっています。

途中からはMilton自身がDoo-Wopヴォーカルなども披露し、american clavéらしくわけがわからなくなってきます。そこに、同レーベルでは珍しいMichael Breckerまでが加わり、実に賑やかな作品となりました。

それにしてもamerican clavéのアートワークは素晴らしい。

残念ながら、Snateria/Afro-Cubanミュージックの巨人であったMilton Cardonaは、2014年に亡くなっています。Orlando Puntilla Riosも2008年に亡くなっているし、american clavéレーベルで活躍したLatin Musicの巨人たちがどんどんいなくなるなあ・・・。

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連想ゲームで、

ロラン → ゾンビ → ヴードゥー → サンテリア → Milton Cardona

と、取り留めのない話に流れてきましたけど、こういう酒場での雑談っぽい流れで書いていくのは楽しいなあ。

読む方が面白いかどうかは知らんが・・・すいません。

2016年5月3日火曜日

音盤テルトン(12) Marian McPartland's PIANO JAZZ : STEELY DAN

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stod phyogs 2016年5月3日火曜日 音盤テルトン(12) Marian McPartland's PIANO JAZZ : STEELY DAN
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こんなのあるの知らなかったぞ。

Marian McPartland's PIANO JAZZ with Guest Steely Dan [Concord / The Jazz Alliance] 2005


















2002/07/23, Unknown, CA?(Radio Broadcast by National Public Radio)
Marian McPartland (p), Donald Fagen (p,vo), Walter Becker (g), Jay Leonhart (b), Keith Carlock (ds)

01. Conversation
02. Limbo Jazz
03. Conversation
04. Josie
05. Conversation
06. Mood Indigo
07. Conversation
08. Star Eyes (MM solo)
09. Conversation
10. Hesitation Blues
11. Conversation
12. Things Ain't What They Used to Be
13. Conversation
14. Chain Lightning
15. Conversation
16. Black Friday

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Jazz Pianist Marian McPartlandがホステスをつとめ、様々なミュージシャンを招き、トークと演奏を交互に送るラジオ番組のCD化。

Bill Evansとのものは昔から有名で、早くから商品として出回っていましたが、それが1978年の録音。

Steely Danとのものは2002年ですから、ずいぶん長寿番組なんですね。「徹子の部屋」と称されるのも納得。

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Steely Danと言っても、AJA(1977)の頃からもうDonald FagenとWalter Becker二人のユニットになっているので、この番組でもゲストはこの二人。

Steely Danは、GAUCHO(1980)からALIVE IN AMERICA(1995)まで長いブランクがある。その間Donald Fagenはソロで超・超・超名作THE NIGHTFLY(1982)を発表。

THE NIGHTFLYがあまりに売れちゃったせいでFagenは全然仕事しなくなり、ソロとしてもKAMAKIRIAD(1993)まで長いブランクとなる。ここで二人は再会。そしてSteely Danの再結成につながります。

2002年というと、TWO AGAINST NATURE(2000)とEVERYTHING MUST GO(2003)の間。特にアルバムのプロモーションというわけではなさそう。ミュージシャンのくせに、あまり人前に出たがらない偏屈王Donald Fagenがどうしたんだろう。

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なお、Keith Carlockは、Steely DanやDonald Fagenの近作ではお馴染みの、お気に入りドラマー。

ベーシストJay LeonhartはJazz畑の人。やはりSteely Danの近作で名前をよく見る、トランペッターMichael Leonhart、ヴォーカリストCarolyne Leonhartの父親。Fagenの近作SUNKEN CONDOS(2012)に参加もしている。

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まずは二人の青春時代の音楽遍歴からトークが始まる。The Nightflyでおなじみ架空のFM局WJAZのモデルとなったFM局WEVDが出てくるのに感動。二人ともWEVDでJazzを聴きまくっていたそうな。(修正@2016/05/05)

というわけで、Steely Danの演奏は7曲ですが、Ellington Tunesが3曲もあります。おもしろい。Fagenの編曲の原点はやっぱりDuke Ellingtonであったか。

McPartlandへのリクエスト・コーナーでもStar Eyesをリクエストする二人。Jazz好きだねえ。

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Steely Danのレパートリーは3曲。AJA(1977)からJosie、KATY LIED(1975)からChain LightningとBlack Friday。

Fagenのピアノと歌、Beckerのギターという骨組みだけでSteely Danの音楽を再現するのは難しいね。

こういうライブだとFagenは声が出ないのがバレバレになるし、ホーン・アンサンブルやコーラス抜きで聴き通すのはなかなか厳しい。味のある声なんだけどね。

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ところが、Walter Beckerのギター・ソロになると、途端にSteely Danの音になるのがおもしろい。「おお、待ってたのはコレ、コレ!」と声を上げそうになった。

Steely Danというと、その95%くらいがDonald Fagenの音楽と思っていたのだが、これを聞くとWalter BeckerいてこそのSteely Danであることがようやくわかった(特に初期)。

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なかなかおもしろいCDでした。

なお、私が入手したのは輸入盤。日本盤にはトークの日本語訳がついているそうなので、トークの内容を詳しく知りたい人は、そっちを入手するのがお得。

トークの全容を理解できなくとも、飛ばしたりせずに本当にラジオを聞き流す感じにしておくのもなかなかいいですよ。

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そういえば、Donald Fagenの自伝

・ドナルド・フェイゲン・著, 奥田祐士・訳 (2014.6) 『ヒップの極意 EMINENT HIPSTERS』. 264pp. DU Books, 東京.
← 英語原版 : Donald Fagen (2013.10) EMINENT HIPSTERS. 176pp. Viking, New York.

というのも出てるんだった。これも読まなくちゃな。

それにしても最近の音楽書では、ディスク・ユニオンとP-VINEがいい仕事してる。

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(追記1)@2016/05/03

このblogはGoogleのblogを使っているんだけど、記事をuploadすると、間髪置かずGoogleのbotちゃんが回ってきて、拾って行ってくれます。Google検索でも比較的上位に置いてくれるので、ありがたい。

15分後には記事も画像もGoogle検索で引っかかってくるんですが、見たところジャケ写は自分のヤツの色合いが一番よく出てる。うれしい。ちょっと曲がっちゃったけど。

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(追記2)@2016/05/05

FM局WJAZのモデルWEVDについて補足し修正。

参考:

・SFGATE > ENTERTAINMENT > RADIO WAVES > Ben Fong-Torres/Donald Fagen's steely love of jazz radio (Published 5:20 pm, Thursday, January 2, 2014)
http://www.sfgate.com/entertainment/radiowaves/article/Donald-Fagen-s-steely-love-of-jazz-radio-5109630.php
・Wikipedia (English) > WSKQ-FM (This page was last modified on 30 April 2016, at 00:35.)
https://en.wikipedia.org/wiki/WSKQ-FM