2022年3月10日木曜日

Chris Anderson/LOVE LOCKED OUT - 知られざる名手の Solo Piano 歌も味がある

★Twitter 2020/11/03より転載+加筆修正★

Chris Anderson / LOVE LOCKED OUT [Jazz Heritage / Mapleshade] rec.1987, rel.1990

Chris Anderson の solo piano。やはり Chicago 出身の Clifford Jordan の produce。二人は1977年に Jordan の Muse 盤で共演している ( Muse なので、例によってCD化されていない )。Anderson が Chicago 出身 musicians に敬愛されていることがわかる。

Anderson は、1960年に Vee Jay に trio 作を録音したがお蔵入り ( 1998年に発掘 )、1961年には Jazzland から trio 作を発表。その後 Clifford Jordan との1977年まで録音はない。謎の人だった。Billy C という vocalist の Strata-East 盤 (1977) というのもあるらしいが、聞いたことない。

------------------------------------------------------------

Anderson は目が見えない。だから b+ds との eye contact ができないので、piano だけリズムがずれることが多い。そもそもリズム感覚が独特で、緩急の差がある。あまりアップテンポの曲は得意ではないようだが。リズム感覚の点では Monk とも似ている。だからやはりsolo piano が一番いい。

しかし Monk のように跳躍した音使いはせず、harmony 重視のリリカルな芸風。その点で Hancock が参考にしたのは間違いないだろう ( 似ているというわけではない )。

------------------------------------------------------------

このアルバムでは、standard 6曲、自作曲 3曲。Standard を演奏しても、Anderson なりに消化した内容になっており、すぐにメロディーが一致しないことが多い。アドリブでは、他の曲が時々混入しているような気もする。とても面白い演奏。

Chris Anderson Love Letters

------------------------------------------------------------

3曲で Anderson が弾き語りで歌う。これがまたいい。ちょっとアニメ声で決してうまい歌ではないのだが、起伏のある歌い上げが魅力的。感動する。しかしリズムはやはり独特なので、これは自分じゃないと伴奏できないかもしれない。

Chris Anderson: "The Folks Who Live On The Hill"

------------------------------------------------------------

自作曲はつかみどころのない曲多いが、Sandy's Song なんかは魅力的なメロディー。他のアルバムでも songwriter としての才能を発揮しているので、注目だ。

------------------------------------------------------------

Anderson はこの後、bassist/producer の Mickey Bass の目に留まり、DIW に trio 作を録音 (1991)。そして Charlie Haden との duo 作 (1997) でようやく広く知られるようになる ( 自分もそれで初めて知った )。その辺の話はまた別の機会に。

0 件のコメント:

コメントを投稿