★Twitter 2020/10/21より転載+加筆修正★
文學界 vol.74, no.11 [2020.11] 総力特集 JAZZ×文学
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冒頭の村上春樹インタビューはとてもおもしろい。村上春樹・訳 『スタン・ゲッツ 音楽を生きる』 も読んでみようかな。
インタビュアーの村井康司さんは、へりくだらず、突っかかりもせず、程よい距離感で接して、いいインタビューになった。やはりジャズ・ファン同士ということで、共通の土壌があるから。まあジャズ・ファン同士でも、昔はやたらけんか腰の人もいたけど。
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創作 筒井康隆 「ダンシングオールナイト」
は、当然のように傑作以外の何物でもない。隙間なくアドリブをかます、かなり饒舌なJazz小説であり、Jazzのフィルターを通した自伝でもある。山下洋輔のJazzとやはり似ている。
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対談 山下洋輔×菊池成孔 「二つの文化圏のはざまで」
では、菊池氏が例によって饒舌に、また理屈っぽく、山下世界遍歴を語る。山下氏はこちらも例によって鷹揚にこれを受ける。太陽山下と惑星菊池。菊池氏はその役割を喜んで演じている。
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対談 岸政彦×山中千尋 「「ジャズを演奏する」という謎」
では、山中さんの自伝的内容が語られるのが面白い。そのすぐ後に彼女の初小説。
創作 山中千尋 「フェイシング・ユー」
は、「アドリブができないピアニスト」というかつての自分を投影したもの。青春小説ではあるが、いつもの「ひねくれ加減」がちゃんと出ていておもしろい。欲を言えば、初期エッセイのみたいな、団子になったような文章で読みたいなあ。
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山下ー菊池対談に戻るが、驚いたのは西江雅之先生の話題。レコードでArt Blakeyのdrummingを聴いて、一瞬にして、どれがAfricaのどこのphraseか分解。結論は「この人はアフリカの人でない(いろいろ勉強した人)」。スゲー。
西江雅之先生の論文・著作・軽いエッセイはたくさんあるが、文字化されていないこういう業績・知識が大量にあるはずなので。ご存じの方はどんどん披露してほしい。
我々は今のところ、Africaをひとかたまりとしてしか認識できていないことが多いので、傾聴すべき話だ。Africaの諸相に音楽から入っていく、というのも一つの手だ。では、Franco (旧Zaire Congo)でも聴こう。
あれ、JAZZ特集だったのに・・・。
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