★Twitter 2020/12/27-28より転載+加筆修正★
Urban Sax / SPIRAL [EPM Musique <Fr>] rec.1990, rel.1991
清水靖晃を聴いていたら、なんとなくこれを思い出したので、久々に引っ張り出して聴いてみた。このアルバムを選んだのはなぜかと言うと、Urban Sax はこれしか持ってないから。1991年には来日 concert もあったのだ。
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Urban Sax は Gilbert Artman (1944-) が主催する France の前衛音楽集団。1973年頃結成、今も活動中。
名前の通り sax の ensemble による音楽なのだが、参加者数が尋常でないのが特徴。Sax section だけでだいたい50人w。
特に bass sax や baritone sax の低音部を強化しており、低音部の ostinato に乗って短調のメロディーが延々続く。Minimal Music に分類されるが、総勢50人以上による Minimal ってのも想像を絶する世界。Jazz ではないので、即興演奏はない。
それが全員顔の見えない防疫服を装着しているという異様さ。この costume は初期から一貫している。初期は顔が見えていたようだが、徐々に顔も網目マスクで見えなくし、徹底した没個性化が図られている。
「気持ち悪い」という人がいても仕方ない。それが狙いなのだから。
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同じような短調の曲が連続するが、それが気持ちいい。というのは mode jazz 聴きすぎの Jazz fan の習性か。とはいえ、このアルバムは percussions や chorus も入り、あまり単調にならないよう工夫もされている。
音程の確かな classic sax 奏者の手にかかると、unison ensemble も乱れは一切なく、まるで弦楽器のように聞こえるのにも舌を巻く。全然無個性のまま演奏活動を続けるのもストレスたまるだろうけど、きっと奏者らもおもしろがってるんだろうな。でなきゃ長続きしない。
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このアルバム全曲 YouTube に上がっているのだが、そのうち自分が好きな3曲だけリンク貼っておこう。いずれもハマると endless で聴きたくなる中毒性のある音楽だ。
Prologue improbable in E-Flat Minor
Glauquerie in E-Flat Minor
On the Time in E-Flat Minor
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Urban Sax の活動歴については、次の動画がわかりやすい。いずれも手の込んだステージ。後になるほど現地の音楽との collaboration や performance の比率が高くなって来る。Wire-action までやらされる saxophonists は大変だ ( 吹いてるフリのスタントマンかもしれないが )。
Urban Sax
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東京 Concert 1991 は、ビル街が建つ前の汐留操車場跡地で開かれた。日本から坂田明、井上敬三、松風紘一、篠田昌巳、片山広明、清水靖晃、菊池成孔らも参加しているらしいが、みんな例の防疫服なので、誰がいるかわからなかった、という笑い話もある。
この concert の様子は LD、VHS でも発売されているらしい。YouTube にはその抜粋が upload されている ( Intro が長くて sax がなかなか出てこないのが欠点 )。DVD化してほしいねえ。
【LD】 Urban Sax / MIRAGE DE SON [テイチク<Jp>] rec./rel.1991
【VHS】 Urban Sax / LIVE IN TOKYO : MIRAGE DE SON [EMP Musique<Fr>] rec./rel.1991
urban sax live in Tokyo
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初期の sax ensemble だけの時代の作品では、この Vennice での performance が評価が高い。水路をゴンドラに乗りながらの performance。初期からバカですね、この人たち ( 誉め言葉 )。
Urban Sax à Venise - Marie-Ange Poyet & Bénédicte Delesalle / 1981
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こういった大人数で真面目にバカなことをやるという行為は、それだけで大笑いと圧倒的な感動を与える。Sun Ra Arkestra、はにわオールスターズ、Timbalada、渋さ知らず。あと、5人だけなのに楽器群は大型トラックでやってくる Art Ensemble of Chicago も同類。
この人たちに共通するのは「重低音好き」。これも重要。最近こういうバカみたいな大人数イベントないな。山下洋輔の Panja Swing Orch も懐かしい ( ライブだけのお祭りバンドってのもよかった )。
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